アメリカ合衆国の海外領土(アメリカがっしゅうこくのかいがいりょうど、"Territories of United States")は、アメリカ合衆国政府により管理されるが、いずれの州にも属さない地域を指す。"Territory" という用語は米国がその領土を拡大していた時代に名づけられたものである。非州領域とも呼ばれる。非州領域は編入 (incorporated) 領域であるかどうか、自治が行われている("organized"、合衆国議会で当該地域の自治法が制定されている)かどうか、の2点に着目した分類がなされる。編入され、自治法も制定されている「アメリカ合衆国自治的・編入領域」は1789年から1959年まで存在し、そのうち31の領域が正式州への昇格を果たした。また、1898年までは未編入領域という定義自体が無かったが、現在はいくつかの領域がこれに該当している。アメリカ合衆国における編入領域とは、合衆国の管轄下にあり、その当該領域の自治体(政府)および住民に対し、(市民権や裁判権など)合衆国憲法が完全に適用されることを合衆国議会が定めた領域を指す。これに対して、未編入領域は合衆国の管轄下にあるが、合衆国憲法の選択された一部のみが適用される。編入領域はアメリカ合衆国の完全不可分な一部をなすとみなされ、占領地域や一時的領有地域とは区別される。ここでいう「編入」とは当該領域に市や町といった自治体の存在の有無を問うものではない。ある領域が一旦米国に編入されると、その編入状態が解かれることはなく、独立の承認や他国への割譲といった僅かな例外(リオ・リコ参照)を除いて永久に米国憲法の管轄下におかれる。未編入領域は、その実態からして保護領ないしは属領 (Protectrate) と呼ばれるべきものであるが、米国内務省は公式には "Insular area"(島嶼地域)と呼称するようになった。アメリカ合衆国の歴史において、自治的領域 (organized territory) とは、合衆国議会がその領域に適用される自治法 (Organic Act) を正式に制定し、これにしたがって自治を行う領域を指す。これら領域はアメリカ合衆国への編入・未編入状態を問われない。現在、狭義の準州とはこの自治的・編入領域 (embryonic State)を指すことが多い。1959年にハワイ準州()が州となって以降、自治的・編入領域は存在しない。合衆国議会により個別に定められる自治法がその領域における最高法規となる。自治法には、個別の地域で差はあるが、一般に、何らかの人権規定(権利章典)が盛り込まれ、また、三権分立の枠組みを持つことなどが定められている。この自治法が制定されることにより、はじめて「自治的領域 (organized territory)」と呼ばれる。自治は認められるが制限があり、最終的は決定権限は現地自治政府ではなく合衆国議会である等が正式州との相違点である。かつては憲法を持つことはなかったが、現在、いくつかの自治的領域は自主憲法を持っている。あくまで最高法規は自治法であり、これら領域の州昇格や米国からの離脱を決定する権限を持たないという点で正式州の憲法とは異なる。アメリカ合衆国における最初の自治的領域は「北西地域 (Northwest territory)」で、1787年にその後の自治法のプロトタイプとなった「北西部条例 (Northwest Ordinance)」により自治化された。これ以降およそ一世紀半の間に 29 の領域が自治的領域となった。この当時は、自治法が通過し自治的領域となるということ自体が正式な州になる前段階と考えられていた。ところが、1898年の米西戦争により、スペインからプエルトリコ、フィリピン、グアムおよびキューバの一部を取得した際に、米国として、差当たり正式州とする意図や必要性の無い領土を持つこととなり、ここで初めて「編入(済)領域 / 未編入領域」という観念が用いられるようになった。アメリカ合衆国島嶼地域における現行の用語としての「コモンウェルス」 "Commonwealth" は、自治的領域のある種の特例と考えられている。現時点ではプエルトリコと北マリアナ諸島の 2 領域がこの「コモンウェルス」に該当するが、どちらも編入領域ではない。さらに、グアムと米領ヴァージン諸島も未編入の自治的領域であるが「コモンウェルス」とは呼ばれていない。他方で米領サモアは 1967年以降、憲法により自治を行っているが、自治法が制定されていないので正式には非自治的領域に分類されている。現在のアメリカ合衆国の多くの州は、その前段階として、合衆国議会が現地自治政府を設置または承認した「自治的・編入領域 (organized incorporated territory)」(準州)であった。20世紀に入る直前に起こった米西戦争により、フィリピン、プエルトリコおよびグアムを得るまでは編入領域と未編入領域の区別はなかった。それまでは併合(全ての領域は編入済みであることが前提で)によってのみ領土を拡大してきた。1937年の合衆国最高裁判所のプエルトリコ人民対シェルオイル判決において、準州のみに適用されるとされたシャーマンアンチトラスト法が、(準州ではない)プエルトリコにも適用されることとなったが、この判決の際に従来の準州と、プエルトリコのような正式州化を前提とはしていない領域をそれぞれ「編入領域」と「未編入領域」の二種類に明確に区別した。現代では「未編入領域」という用語は島嶼地域のみに適用される。現在、州に属さない唯一の「編入領域」はパルミラ環礁であるが、ここは自治的領域ではない。これに対して、自治領域化されるのに編入領域である必要はない。プエルトリコなどがそれに該当する。1959年(ハワイ州成立)以降なしまた編入領域だが非自治的領域である「領土」にあたるものとして、がある。
出典:wikipedia
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