コバルト文庫(コバルトぶんこ)は、株式会社集英社が1976年から集英社文庫コバルトシリーズとして刊行された少女向け小説の文庫レーベルである。近年はライトノベル系レーベルにも分類される。前身は1965年創刊の、集英社コバルト・ブックス。このシリーズはジュニア小説の叢書で、B6サイズのソフトカバーの形態で1971年までに149冊出版された。このコバルト・ブックスの後継として、1976年5月(奥付上は6月)から『小説ジュニア』誌の作品を文庫化し集英社文庫コバルトシリーズとして創刊したのが最初である。創刊時は前述のコバルト・ブックスで出版されていた作品が文庫化された。母体となった『小説ジュニア』は少女文学誌であるので、少女向けのライトノベルに分類される作品が当初より多いが、SF作品(豊田有恒『ロマンチックSF傑作選』、横田順彌『2095年の少年』)や川端康成『万葉姉妹』、山本直純の詩集といった作品が創刊翌年の1977年に発刊されるなど、必ずしも少女向けライトノベルに限定されてはいなかったようである。なお、『小説ジュニア』は1982年にコバルトの名前を押し出す形で雑誌『Cobalt』へリニューアルされている。発刊当時は「集英社文庫」単体のレーベルは存在せず、集英社漫画文庫がコバルト文庫と別に漫画の文庫化としてスタートした後に、約1年後の1977年5月に大人向けの文庫シリーズとして集英社文庫が発刊されている(よってコバルト文庫は、集英社文庫の元祖であるとも言える)。1978年にはおりからの宇宙戦艦ヤマトブームの到来により若桜木虔による『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』が発刊され、これ以降のアニメブームに乗る形で、若桜木虔、藤川桂介、辻真先らにより次々とノベライズ作品が発刊された。1983年から主催するコバルト・ノベル大賞(1996年にノベル大賞となり、特にジャンルは問わない)の歴史は長く、直木賞作家の山本文緒、唯川恵、角田光代なども受賞者である。また創生期には平岩弓枝、川上宗薫などの作家陣が執筆していたことでも知られている。その後、1990年に集英社コバルト文庫と改名された。1991年3月には、少女向けとしないファンタジー路線作品をスーパーファンタジー文庫として独立創刊している( - 2001年4月)。また、1992年3月には、漫画のノベライズなどを含む、より若年層向けのコバルト・ピンキーシリーズが作られた(1998年ごろを最後に、シリーズとしての出版は終了し、再度コバルト文庫内に内包されている)。2014年2月から8月にかけて不定期でコバルト文庫と違う背表紙のデザインを施し、発売日を集英社文庫と揃えて刊行する一部の作品があったが、これらのシリーズは、2015年に集英社オレンジ文庫として独立レーベルとなった。2014年11月刊より背表紙リニューアル。白を基調としたものに変わり、裏表紙のデザインもあらすじを載せるなど変更された(シリーズで続いているものは変更せず、前巻と同じ色のままである)。現在、対象読者層に合わせて、ティーンズの淡い恋愛をテーマに扱ったものが多く、イラストや表紙に力を入れているのも特徴である。旧スーパーファンタジー文庫系のファンタジーやサイエンス・フィクションの要素が加味されたものも少なくない。『りぼん』『別冊マーガレット』『コーラス』などといった集英社の有する少女漫画雑誌の連載作品を原作とする(旧コバルトピンキー系の)ノベライズも扱っている。2000年代半ばまでボーイズラブを題材とした作品の増加が顕著であったが、現在は少女が主役の姫・嫁・巫女いずれかの設定で書かれる男女の恋愛ものが定番になりつつある。多くは書き下ろしスタイルをとるが、隔月刊誌Cobalt連載後に加筆・文庫化するパターンもある。各シーズンごとに様々なフェアを行っている。コバルト文庫を中心に活動する作家に、前田珠子 、桑原水菜、今野緒雪、藤原眞莉らがいる。赤川次郎も吸血鬼シリーズを隔月刊誌に掲載している。過去には新井素子、久美沙織、氷室冴子、藤本ひとみ、窪田僚といった面々も執筆していた。また、ジュディ・ブルーム『キャサリンの愛の日』(原題: Forever)、リチャード・ペック『レイプの街』(原題: Are you in the house alone?)などのアメリカ・ヤングアダルト小説の翻訳紹介も行っていた。
出典:wikipedia
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