E127系電車(E127けいでんしゃ)は、1995年(平成7年)に登場した東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流通勤形電車である。また、妙高高原駅 - 直江津駅間の信越本線を移管したえちごトキめき鉄道でも、JR東日本からの譲受車を保有しており、本項では一括して記載する。新潟支社と長野支社管内では急行列車の運用から外れた165系・169系を普通列車として使用していたが、これらの車両は老朽化が激しく、また2扉のデッキ付き構造であるために乗降に時間がかかり、列車遅延の原因となっていたことから(急行形車両#淘汰とその要因も参照)、本系列は急行形車両の取り替えを目的に設計・製造された。両地区ではセミクロスシートの近郊形115系も運用されているが、そのうち新潟地区で使用する本系列の0番台では、乗客が増加している新潟都市圏でのラッシュ対応と、2両基本編成によるワンマン運転を考慮し、敢えてロングシートを採用した。JR東日本の公式ウェブサイト上では本系列を通勤形と分類しているが、雑誌などの記事においては本系列が近郊形や一般形と分類されている場合がある。2016年時点では、以下の3つのバリエーションが存在する。主回路制御にはGTO素子のVVVFインバータを採用した。装置は東洋電機製造製であり、JRの車両での採用は本系列と8000系試作車のみである。補助電源装置は容量90kVAを備えるIGBT素子のSC52形を搭載しており、空気圧縮機は小型軽量化・低騒音化・保守の容易化を図った新設計のレシプロ式MH3108-C1200Mを備える。主電動機は本系列用に新開発された定格出力120kWのMT71形を備える。電動台車はDT61A、付随台車はTR246Aを装着する。ブレーキシステムは電気指令式空気ブレーキ・回生ブレーキ・抑速ブレーキに加え、列車密度の低い路線での使用を考慮し、発電ブレーキを併用している。これはチョッパ制御による回生・発電ブレンディングブレーキ方式であり、鉄道用としては国内で初めて採用された。発電ブレーキ使用時に必要となる抵抗器は制御電動車の屋根上に搭載されている。また、VVVF制御による大きなブレーキ力を活用するため、必要なブレーキ力を回生・発電ブレーキで優先して負担し不足分はT車から空気ブレーキを追加するT車優先遅れ込め制御を採用している。このほか、滑走検知再粘着制御機能を設けている。車体はステンレス製でドアチャイム装備の両開き式片側3扉(ボタン式半自動機能装備)であり、ワンマン運転対応として運転台は半室構造とされ、ワンマン設定器、運賃箱、整理券発行機、運賃表示器、自動放送装置、ドア締切表示器、ミラーが設置されている。運転台の主幹制御器は左手操作型ワンハンドル式であるが、209系などで採用されたデジタル指令(MON8)は、本系列では採用されていない。客室の床面高さは1,130mmであり、115系の1,225mmと比べて大幅に低くなっている。冷房装置は集中式であるAU720A(42,000kcal/h)が各車に1基搭載されている。1995年5月8日に新潟地区で営業運転を開始した。車体帯は新潟支社で運用されている115系「2次新潟色」に準じたグラスグリーンと青磁グリーンの2色で、後述の100番台や209系などとは異なり、扉部分や裾部にも帯が入っている。座席配置はロングシートで、モケットは細かい柄の入ったライトグリーン色が採用されている。パンタグラフは下枠交差式のPS30形とされた。側窓は窓寸法が極力大きくとられ、側出入口間の4連窓のうち中央の2枚は大型の1段下降窓となっている。トイレは701系と同タイプの洋式である(車椅子非対応)。JR所属車は2016年時点では2両編成2本(4両・「V編成」、V12・V13)が新潟車両センター(旧・上沼垂運転区)に在籍し、弥彦線において運用されているほか、越後線でも吉田 - 新潟間・内野 - 新潟間の各1往復ずつ運用がある。なお、ほとんどの列車でワンマン運転が行われている。当初は2両編成13本(26両・「V編成」)が在籍していたが、2015年(平成27年)3月14日に開業したえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン用に10本が同社に譲渡された。また、1本(V3編成)は2008年(平成20年)9月に発生した越後線内での踏切障害事故に伴う列車火災事故のためクモハE127-3が焼損し、2014年(平成26年)10月20日に廃車となっている。2013年2月21日、JR東日本と新潟県がえちごトキめき鉄道に対し、2年後に開業を控える妙高はねうまライン用の車両として本系列10編成に必要な改修を施した上で低価格で譲渡することで合意した。その後2014年(平成26年)12月6日より、本系列が担当していた新潟地区での運用(後述)は順次E129系が引き継ぐ形となり、新潟近郊での従来の運用は2015年3月7日で終了。そして譲渡された10編成が3月14日の開業と同時に妙高はねうまラインでの運転を開始した。譲渡後は一部の車両で車体下部を妙高山のフレッシュグリーンと山並みをイメージした緑単色(右画像)とした車両もあるが、引き続きJR時代と同じカラーリングのままで運用されている編成もある(開業直後は前面のJRロゴもそのままになっていた)。また2015年7月からは、車体全体にラッピングを施した編成も運行されている。また、譲渡車は全車スカートが大型のものに交換されているほか、一部の編成ではパンタグラフが増設されている。1998年(平成10年)12月8日に営業運転を開始した。0番台とは車体デザインが異なり、先頭部の形状・客用扉間の開閉可能な窓の2段化など、ステップのない701系とほぼ同一とされた。また、パンタグラフはシングルアーム式のPS34形に変更され、行先表示器は前面・側面ともに幕式からLED式に変更、砂撒き装置が装備されたほか、トイレも車椅子対応仕様に設計変更された。座席配置は同線内基準で東側がロングシート、西側(北アルプスなどの方向)がクロスシートのセミクロスシート構造となっている。また本番台において、鉄道車両用に開発された運賃箱(レシップ製)が初めて設置された。本番台の車体帯の色は、長野支社で先立って運用されている115系や169系などに準じたアルパインブルーとリフレッシュグリーンの2色の通称「長野色」(新長野色・信州色・新信州色とも)とされた。2両編成12本(24両・「A編成」)が松本車両センターに在籍し、大糸線で運用されている。ワンマン運転は1999年(平成11年)3月29日より開始している。運用開始から数年間は篠ノ井線塩尻駅 - 明科駅間や中央本線辰野駅 - 塩尻駅間でも運用されていた。しかし、2003年(平成15年)12月20日に篠ノ井線塩尻駅 - 松本駅間のATSがS形からP形と変更された時点では本区分番台にはP形車上装置が搭載されていなかったことから、それ以降は大糸線内限定運用とされていた。その後、大糸線松本駅 - 北松本駅間でATS-PsおよびATS-Pの使用が開始され、2007年(平成19年)秋ごろから2010年(平成22年)にかけて保安装置を従来のS形からPs形への交換とP形の追設を行った。また、東日本大震災が発生した2011年(平成23年)以降の夏季の平日には節電対策として一部の115系の運用を代走する形で中央本線茅野駅 - 篠ノ井線 - 信越本線長野駅で運用されるケースもあった。2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正より同区間および辰野支線の塩尻駅 - 岡谷駅間での運転が開始され、これに伴い辰野支線はクモハ123形が運用から離脱し、本系列に置き換えられた。また、冬季における架線への着霜対策のため、A7 - A12編成のクハE126形(南小谷寄り先頭車)の運転台側に霜取り用パンタグラフが搭載された。新潟車両センター配置のV12・V13編成が以下の区間で運用される。松本車両センター配置のA1 - A12編成が以下の区間で運用される。新潟車両センター配置のV1 - V13編成が以下の区間で運用されていた。2015年3月までの運用区間である。新潟近郊区間が中心の運用で、2両編成のほか2+2の編成や2+2+2の編成を構成し旅客の需要に柔軟に対応していた。運用のほとんどが普通列車だが、早朝の一本のみ新潟-村上で快速運用が存在。ワンマン運転は新津-長岡を除く区間で実施されていた。
出典:wikipedia
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