保冷剤（ほれいざい）は、物体を低温に保つために用いられる薬剤である。主に食品の腐敗を防ぐため、および人の発熱時や、暑い時に涼をとるために使われる。蓄冷剤（ちくれいざい）とも称す。一般に袋詰めされて使用・市販されている保冷剤（アイスパック）には約99パーセントの水と高吸水性樹脂（ポリアクリル酸ナトリウム）、防腐剤、形状安定剤が含まれている。常温では解けた状態で保冷効果はないので、まず冷凍庫で十分に凍らせてから使用する。保冷剤は、使用して温まってしまっても、また冷凍させるだけで何回でも繰り返し使うことができる。そのため、使うたびに新しい氷や水を入れ換えなければならない水枕や、使用する際に煙が出て、さらに昇華してしまうから1回しか使用できないドライアイスと比べても利便性、経済性に優れている。保冷剤は、その用途によってさまざまな大きさ・形状がある。一般的に上記のような製品は、昔ながらのゴム製の水枕と区別するために、大手の商品名からアイスノンと呼ばれる事が多い。しかし水枕を知らない若い世代の人が「氷枕」と言うと、アイスノンのような保冷枕の事を指している場合もある。いずれも、保冷剤を人体に使用するときは、凍傷を防ぐため、直接肌に当てず、必ず間にタオルやガーゼなどを挟んで当てなければならない。

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