半蔵門線(はんぞうもんせん)は、東京都渋谷区の渋谷駅から墨田区の押上駅までを結ぶ、東京地下鉄(東京メトロ)の鉄道路線。鉄道要覧における名称は11号線半蔵門線である。路線名の由来は徳川家康の家臣・服部半蔵正成の屋敷の側にあったことから名が付いた江戸城の門の一つ、「半蔵門」から。車体および路線図や乗り換え案内で使用されるラインカラーは「パープル」(紫)、路線記号はZ。1968年(昭和43年)の都市交通審議会答申第10号において、東京11号線は「二子玉川方面より三軒茶屋、渋谷、神宮前、永田町、九段下、神保町および大手町の各方面を経て蛎殻町に至る路線」として初めて示された。1972年(昭和47年)の同答申第15号では、終点が深川扇橋へと延長された。また、同答申では住吉 - 押上間のルートが、東京8号線(有楽町線)の一部(豊洲 - 東陽町 - 住吉 - 押上 - 亀有)として示された。この時点では東京11号線との接続は予定されていなかったが、1985年(昭和60年)の運輸政策審議会答申第7号において、東京11号線の計画が錦糸町、押上経由で松戸へとさらに延長され、住吉 - 押上 - 四つ木間が東京8号線との共用区間とされた。このうち渋谷 - 押上間が半蔵門線として1978年(昭和53年)から2003年(平成15年)にかけて順次開業しており、また二子玉川 - 渋谷間は1977年(昭和52年)に東急新玉川線(現・東急田園都市線)として開業している。千代田線、有楽町線に次ぐ「バイパス3路線」の一つで、銀座線の混雑緩和を狙いとしていたが、沿線の地権者による反対運動が発生したこと、さらにバブル崩壊とそれに伴う営団の減収などが原因で押上までの開通が当初予定より大きく遅れることとなった。半蔵門 - 九段下間では地下鉄建設に当たっての説明不足や環境悪化を理由に一坪共有運動が起こった。このため、営団(当時)は土地収用法を基に強制収用の申請をしたが、一連の土地買収に10年ほどの期間を要した。半蔵門線は東京メトロの路線の中で全駅間の所要時間が最も短く(距離は銀座線の方が2.5km短い)、また現在東京メトロの路線の中で最も駅数が少ない。ちなみに、直通運転先(東急田園都市線中央林間 - 東武日光線南栗橋間)を含めた運行距離は98.5kmにも及び、これは東京メトロの路線の中で最長である。半蔵門線は東京メトロの路線としては南北線とともに全線・全駅が地下に位置する路線となっている(その他の路線は地上区間・地上駅がある)。渋谷駅から押上駅まで全部で14駅あるが、他線との連絡のない駅は半蔵門駅と水天宮前駅の2駅のみである。東京の地下鉄の中では都営地下鉄も含めて単独駅は最も少ない。また、日比谷線を除く東京の地下鉄全てと乗り換えができる。日比谷線は水天宮前駅付近に人形町駅があるが、公式な乗換駅とはなっていない。ただ、東京メトロの中期経営計画では時期は明示されていないものの、水天宮前⇔人形町の連絡駅への指定が発表されており、連絡駅となった場合には都内の地下鉄全路線と直接乗り換えが可能となる。2010年(平成22年)現在未開業の押上 - 四ツ木 - 松戸の区間については、2000年(平成12年)の運輸政策審議会答申第18号で「2015年(平成27年)までに整備着手することが適当である路線」として位置付けられている。 1998年(平成10年)からは柏、我孫子、松戸の各市をはじめ茨城県の龍ケ崎、牛久、つくばなどの自治体で「地下鉄11号線延伸市町協議会」も結成され、松戸から柏市南部・我孫子市布佐方面さらに茨城県までの延伸も国などへ要請しているが、現時点で開業の見通しは立っていない。なお、東京メトロでは押上延伸を以って「全線開業」としている。詳細は「東京直結鉄道」を参照。東京メトロの路線での路線記号で唯一、路線名の最初の頭文字のアルファベット記号が使われていない。これは路線名先頭のHAN(「半」)が H (日比谷線)・A(浅草線)・N(南北線)と続いて他線と重なってしまうことによるためで、半蔵門線は「蔵」のZから採られている。東京急行電鉄(東急)・東武鉄道(東武)と3社相互直通運転をしている。半蔵門線を挟んで東急側は渋谷駅から田園都市線の中央林間駅まで、東武側は押上駅から東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)経由で伊勢崎線久喜駅および日光線南栗橋駅までそれぞれ運転される。運行系統上では田園都市線と一体的となっており、半蔵門線の渋谷駅始発・終着の列車は存在せず、押上方面は平日始発の清澄白河発東武動物公園行と半蔵門発押上行、渋谷方面は平日最終の押上発水天宮前行を除くすべての列車が田園都市線と直通している。平日朝ラッシュ時は約2分間隔で運行されている。日中時間帯は5分間隔(1時間あたり12本)運行されている。この時間帯の渋谷方面はすべて田園都市線直通の中央林間行である。押上方面は、押上行と東武スカイツリーライン直通列車(急行)が交互に運転されている。朝の押上方面には、半蔵門・清澄白河行の列車もある。日中の清澄白河駅発着の列車は2009年6月6日のダイヤ改正で廃止された。車両基地は自社路線内に用地を確保できなかったため、田園都市線の鷺沼駅の横に鷺沼検車区として置かれている。乗り入れ先に合わせて急行・準急・各駅停車と3つの列車種別表示があるものの線内は全て普通(各駅停車)である。当然追い抜きなどもない。また、同一列車が田園都市線、東武線で異なる種別の場合もある。中央林間行の他鷺沼行や長津田行も設定されている。田園都市線は、2014年6月20日までは日中運転されている1時間あたり12本すべてが半蔵門線直通列車であった。翌21日の改正で日中に1時間あたり2本の準急が増発され、1時間あたり2本の各駅停車を渋谷駅発着(渋谷 - 半蔵門間回送、半蔵門駅で折り返し)とした。東急5000系のうち15編成に4・5・8号車に6扉・座席格納車両が連結されており、平日朝の押上方面の電車では田園都市線の始発駅から半蔵門線の半蔵門まで6扉車の座席が使用できない。ホームドア設置の兼ね合いから6扉車は順次4扉車に置き換え予定である。日中は久喜行と南栗橋行が2:1の割合で運転されており、一部の久喜行は東武動物公園駅で普通南栗橋行(日比谷線直通列車、中目黒発)に接続している。直通運転を開始した2003年3月19日から2006年3月17日までは、日中は1時間あたり3本(内訳は東武動物公園行が2本、南栗橋行が1本)であった。日中の清澄白河駅折り返しの列車も1時間あたり4本で設定されていたため、時間調整も頻繁に行われていた。2006年3月18日のダイヤ改正以降、早朝深夜と9時台をのぞき1時間あたり6本(10分間隔)となった。昼間時は南栗橋行と久喜行の急行が交互に運行されるようになった。時間帯やダイヤの都合により、北越谷駅(準急)・東武動物公園駅発着もある。直通列車は急行または準急(朝・夜間のみ運転)に限られる。2013年3月16日のダイヤ改正より、昼間時の行先が久喜行・久喜行・南栗橋行の30分サイクルに変更となり、平日夜間帯の急行の運転時間帯も拡大された。輸送障害時は、田園都市線との直通運転は基本的に中止しないが、東武線への直通運転は中止する。田園都市線で事故・各種トラブルなどが発生し、直通運転が中止になった場合も、田園都市線への直通運転再開を優先させる。田園都市線からの直通列車は通常半蔵門・清澄白河行の列車を含め、全列車が押上行となることがある。なお、夜間に輸送障害が生じた場合、各社の車両が所属車両基地に戻れないことがある。東急田園都市線 - 半蔵門線 - 東武伊勢崎線の3社直通運転を利用して、多客期に臨時列車を運行することがある。久喜・南栗橋以北に直通するイベント列車には分割併合の兼合いから東武30000系が使用される。押上延長後の半蔵門線各駅(東急移管後の渋谷駅をのぞく)の発車標には、時刻や行先とともに車両の所属会社が「(会社名)車両がきます」「(会社名)の車両です」といった形で表示される。これは車いすスペースを設置した車両の連結位置が東武(同じ東武の車両である東武と東急・東京地下鉄で異なるためである。「○両目に車いすスペースがあります」という表示だと表示装置が表示できる字数を超えてしまうため、「(会社名)の車両です」と表示しているという。また、ラッシュ時など列車の間隔が詰まったときなどには「後続列車接近中!」という表示も行われる。なお、東武の車両は原則2・9号車、東京メトロと東急は原則3・9号車に設定されている(ただし一部例外あり)。直通先の伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・日光線では北千住駅 - 南栗橋駅間で日比谷線とも相互直通運転が行われており、また同区間内の竹ノ塚駅付近に日比谷線車庫の一つである千住検車区竹ノ塚分室があることから、同区間では日比谷線用の03系と並ぶ光景も見られる。どの列車がどの車両で運転されるかは列車番号で判別できる。現在、列車番号末尾アルファベットの「S」が東京メトロ車両、「K」が東急車両、「T」が東武車両となっている。東武線直通運転開始前は東急車両には記号が付かず番号のみとなっていた。列車番号は『MY LINE 東京時刻表』(交通新聞社)などにより確認ができる。また、5桁の数字で表記されている東急方式の列車番号では上2桁が運用番号を表し、01 - 49が東急車両(ただし、34以降は東武線には乗り入れない)、51以降の奇数番号が東京メトロ車両、50以降の偶数番号が東武車両となっている。2009年7月11日現在、走行距離調整の関係などから東武車両が田園都市線から半蔵門・清澄白河・押上で折り返す列車にも使用されている。東急田園都市線でも長津田 - 中央林間間の区間運転列車の一部に東京メトロ車両および東武車両が使用されている。通常は列車番号どおりの車両で運行されるが、夜間に生じたダイヤの乱れによって東京メトロ・東武・東急の車両が各自の車両基地に戻れない状況が生じるなど、車両運用に不具合が生じた場合は、列車番号どおりの運用を行わず、列車番号の末尾が「S」の列車を東急車両で運行するなど、他社車両による運行となることがある。平日朝始発から9:30まで(渋谷方面行は押上9:20発まで)のすべての列車は、進行方向最後尾車両の車両が女性専用車となっている(実施区間は渋谷 - 押上間、9:30で女性専用車の扱いは取りやめとなる)。各駅のホームに向かう階段に設置されている駅一覧表は、副都心線の開業で駅一覧表が更新された際に、渋谷の乗り換え案内に従来表参道での乗り換えを推奨していたために存在しなかった銀座線が、副都心線のほかに新たに加えられた。ただし、押上駅の副名称の導入に伴って更新されたものでは再び削除されている。東京メトロおよび乗り入れている東武鉄道では、PASMOやSuicaなどの交通系ICカード(以下PASMOで代表)を利用することができるが、東武伊勢崎線押上・北千住経由で半蔵門線と日比谷線を乗り継いだ場合はPASMOの仕様上、東武線の運賃は計算されず、全線東京メトロ線経由で計算される(東京メトロのみで途中改札を出ずに乗車できる経路があるため)。また、東武伊勢崎線押上・北千住経由で半蔵門線と千代田線(綾瀬駅・北綾瀬駅・町屋駅方面)を乗り継いだ場合も、同じく全線東京メトロ線経由で計算され、大手町駅経由または表参道経由と同一の金額が引き落とされる。これは北千住駅の構造が東京メトロ・東武・JR東日本が改札内でつながっており、かつ中間改札がないためである。
出典:wikipedia
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