飛行服(ひこうふく。英:Fligh Ssuit)とは、航空機の搭乗員が着用する衣服。保温性、実用性、耐久性、耐火性が重視されている。フライトスーツや航空服(こうくうふく)とも呼ばれる。パイロットだけでなく、フライトエンジニアなど搭乗員、組織によっては地上の作業員も着用する。主に軍、沿岸警備隊、警察、消防などに所属するパイロットや航空士が飛行機に搭乗する際に着用する。航空会社ではパイロット用の制服(ジャケット、ワイシャツ、スラックス)を規定しているため旅客機のパイロットは着用しないが、曲技飛行士やメーカー所属のテストパイロット、消防防災ヘリコプター、ドクターヘリの搭乗員は飛行服を着用することが多い。色に関しては多くの軍で陸海空問わず濃い緑の単色を採用し、迷彩を施していない。救難機の搭乗員や民間人は墜落時に発見されやすいよう、オレンジや黄色など派手な色の飛行服を着用する。曲技飛行士などはレーシングスーツのようにスポンサーのロゴを貼り付けることもある。パラシュートの併用を前提にしており、紐を纏めるベルトやカラビナ用のリングが付いている。近年では耐Gスーツと一体化したものもある。アメリカ空軍、アメリカ海軍、アメリカ沿岸警備隊では、パイロットと搭乗員は緑色のフライトスーツを使用している。沿岸警備隊は機外に出てて活動する救助隊員のみオレンジ色のフライトスーツを着用する。アメリカ陸軍では野戦服と同じ迷彩柄のフライトスーツを着用している。ブルーエンジェルスのパイロットは明るい青、サンダーバーズのパイロットは濃い紺色の飛行服が用意されており、それぞれの地上クルーも同じ色の作業服を着用している。武官組織であるが非武装のNOAA士官部隊は青いフライトスーツを使用している。航空自衛隊と海上自衛隊では特殊服装として、航空帽、航空マフラ一、航空服、航空服上衣、航空手袋、航空靴、航空眼鏡、略章など航空機に搭乗する際に着用する被服類が規定されており、これらを纏めて『航空服装』と呼称している。航空自衛隊では通常の航空服の他、ブルーインパルスの操縦士と整備小隊には『展示服』と呼ばれる専用デザインの制服が規定されている。海上自衛隊では通常の航空服の他、寒冷海域での墜落に備え、耐寒耐水服や耐水手袋などが規定されている。固定翼哨戒機にはこれらをセットにした『航空保護服装』が搭載されており、緊急時には機上武器整備員が準備する(個人装備ではなく航空機の装備扱い)。陸上自衛隊では『戦闘服装航空用』が規定されており、操縦士だけでなく誘導や整備に関わる者も着用する。自衛隊の航空服の形状はアメリカ軍のフライトスーツと類似しているが、色はより濃い緑色である。詳細は制服 (自衛隊)を参照。海上保安庁と消防の航空隊はオレンジ、都道府県警察航空隊は青色の飛行服を着用することが多い。日本軍においては制式名称として航空衣袴(こうくういこ)・航空被服(こうくうひふく)などの名称が使用されたが、飛行服・航空服も通称・俗称として多用されている。第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけての列強の空軍・陸軍航空部隊・海軍航空部隊では、牛革や馬革や羊革といった動物皮革製の飛行服が主流だったが、日本では衣服に使える革はほぼ輸入に頼らなければならなかった。このため、日本では陸海軍(陸軍航空部隊・海軍航空部隊)とも航空部隊草創期には革製の飛行服が制定されたものの、大正期から昭和初期にかけてこれは廃止され、布製の飛行服を夏冬とも使用した)。また、これら飛行服の属品として、頭部を保護する革製の航空頭巾・航空帽(通称は共に飛行帽)がある。この飛行帽と対をなす存在である航空眼鏡(飛行眼鏡)は、1937年に後藤予備陸軍大佐が考案、陸軍のみならず海軍でも採用された物であり数少ない陸海軍共通の装備品であった。本品の採用前は戦車眼鏡(戦車兵用の防塵眼鏡)・民間品・輸入品が混用されていた。この他、専用の航空手袋・航空靴(ブーツ)がセットで「飛行服」を形成している。陸軍の手袋は冬夏用共に形状・丈は民間紳士用と変わらない一般的な物で、手首の甲側には調整用のベルトが付く。夏用の第二種は茶色の表革製で、冬用の第一種は裏地に毛皮が付される茶色の裏革製。海軍の手袋は夏冬用共に丈が長く(陸軍の運転用手袋(戦車兵・自動二輪運転手用)に擬似)、夏用も裏革を主用し色は黒。陸軍の靴は長靴型であり丈は脛の3分の2程度と長く、冬用の第一種は裏地に毛皮が付される以外は夏用の第二種とほぼ同等、共に茶色の表革製。第二次大戦末期には皮革節約のため、丈を十数cm程短くした半長靴型も普及した。海軍の靴は半長靴型であり丈は脛の3分の1程度と短く、共に黒色の表革製。大戦末期には皮革節約のため丈をさらに短くしたものも普及した。陸海軍共に靴底は機体保護のためゴム張りであり、特に陸軍の航空靴は実用性の高い吸盤を配していた。海軍のみの特徴として官姓名を記入する記名布の存在があり、この長方形の記名布は航空衣袴・航空帽・航空手袋・航空靴等全ての被服類の極めて目立つ場所(航空衣袴の胸部等)に縫合されていた。さらに、飛行服の上には落下傘用ハーネスである縛帯を着用する。
出典:wikipedia
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