虚数(きょすう)とは、実数ではない複素数のことである。ただし、しばしば「虚数」と訳される imaginary number は、「2乗した値がゼロを超えない実数になる複素数」として定義される場合がある。"i" または "j" で表される虚数単位は代表的な虚数の例である。1572年にラファエル・ボンベリ は虚数を定義した。しかし当時は、ゼロや負の数ですら架空のもの、役に立たないものと考えられており、負の数の平方根である虚数は尚更であった。ルネ・デカルトも否定的にとらえ、著書『La Géométrie(幾何学)』で「想像上の数 (フランス語: nombre imaginaire)」と名付け、これが英語のimaginary numberの語源になった。その後徐々に多くの数学者に認知されていった。通常虚数とは、実数でない複素数を意味する。すなわち、複素数のうち、"b" ≠ 0 を満たすものである。また、"a" = 0 かつ "b" ≠ 0 を満たすものを純虚数という。虚数に対応する英語 imaginary number や、純虚数に対応する英語 purely imaginary number もその意味を持つ。一方、英語の imaginary number は、しばしば「2乗した値がゼロを超えない実数になる複素数」として定義される。この定義によれば、"y" が実数のとき、であるから、"y i" は imaginary number となり、逆に imaginary number はそのようなものに限る。すなわち、この意味での imaginary number とは、上記の複素数の表現において "a" = 0 を満たすものであり、これには実数 0 も含まれる。この流儀においては、purely imaginary number は imaginary number と同義語とされる。幾何学的には、純虚数は複素平面の実軸と直交する虚軸の上の点と解される。一般に複素数は、実軸上にある実数と虚軸上にある純虚数の和であり、複素平面上の点として表される。このような平面上では、-1をかけることは180度の回転に対応し、"i" をかけることは反時計回り90度の回転に対応する。そして "i" = -1 という式は、90度の回転を2回繰り返すと180度の回転と同じ結果になることを意味する。なお90度の回転を時計回りで2回繰り返しても180度の回転と同じことになるが、これは、-"i" も方程式 "x" = -1 の解であることを意味する。通常は、様々なデータの表現に実数が用いられることが多い。しかし人の数を数えるのには役に立たない分数も石の大きさを比べるのには役立つし、物体の重量を記述するには役に立たない負の数も借金の額を表すのには不可欠である。同様に、信号処理、制御理論、電磁気学、量子力学、地図学等の分野を記述するには虚数が必要となる。例えば電子工学では、電池の生み出す直流電圧は+12ボルトや-12ボルト等と実数で表すが、家庭用の交流電圧を表すには2つのパラメータが必要となる。1つは、120ボルト等という振幅で、もう1つが位相と呼ばれる角である。このような2次元の値は数学的にはベクトルか複素数で表される。ベクトル表現では、直交座標系は通常X成分とY成分で表される。一方、フェーザ表示と呼ばれる複素数表現では、2つの値は実部、虚部となる。例えば実部が0で虚部が120の純虚数は、位相が90度で120ボルトの電圧を意味する。いくつかのプログラミング言語は複素数を扱うことができる。例えば、Pythonでは虚数単位に j を用いて次のように記述する(1行目の記号 > はソフトウェアにおける形式的なものであって、式の一部ではない。また、* は掛け算を表す記号である)。MATLAB での例:1637年にデカルトは初めて「虚数」という言葉を使った。ただし、虚数の考え方自体はそれ以前の1500年代にジェロラモ・カルダーノによって発見されており、レオンハルト・オイラーやカール・フリードリヒ・ガウスを経て、人々に受け入れられるようになった。1843年にウィリアム・ローワン・ハミルトンは、複素平面にもうひとつ虚数軸を付け足して3次元に拡張することを試みた結果、さらにもうひとつ虚数軸を付け足して得られる四元数の集合が自然な体系であることを発見した。虚数単位 "i" の累乗は次のようなサイクルの繰り返しとなる。整数 "n" を 4 で割った余りを "n" mod 4 と書くことにすれば、この法則は次のように簡潔に表現できる。すなわち、"n" を整数として次が成り立つ。
出典:wikipedia
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