DXシリーズ(ディーエックス・シリーズ)はヤマハのFM音源を採用したシンセサイザーの型番・商品名。デスクトップ・シンセサイザーと名付けられたDX200を除いて、キーボードタイプである。DXシリーズのモジュールはTXシリーズである。FM音源の特徴である非整数次倍音を活用することにより、きらびやかな音色や金属的な音色、打楽器系の音色など旧来のアナログ音源が苦手とした音色を出せることが特徴であり魅力でもあった。さらにフルデジタル構成の利点として、作成した音色データの保存・再現が簡単に可能、いち早くMIDI端子を装備し容易に他のデジタル楽器と組み合わせることが可能、とアナログシンセサイザーからは革命的な進化を遂げ、1980年代中頃の音楽シーンをリードした。特にきらびやかで新鮮なエレクトリックピアノのサウンドは、ローズ・ピアノを完全に駆逐してしまった。また、デジタルならではの硬質なベース・サウンドも一世を風靡して、1990年代のハウス・ミュージックではDXシリーズの<ピックベース>のパッチが定番音色として用いられた。FM音源方式はアメリカのスタンフォード大学で開発されたもので、目をつけたヤマハが1973年にライセンスに関して独占契約した。試作では基盤のサイズや機能面が障害となったが1980年代の半導体技術の進歩により解決できた。1981年には音色がプリセットされた4オペレータの音源がGS1という高価な機種などに採用され、エディットが可能なDXシリーズへ続く。DXシリーズのプロトタイプは「PAMS」という試作機で、Programmable Algorithm Music Synthesizerの頭文字であると同時に、利用可能な合成方式、Phase Modulation、Amplitude Modulation、Additive Synthesis、Frequency Modulationの頭文字でもあった。スライダーやダイアル多数並ぶパネルと膨大なパラメータによって音色操作の自由度をもつ設計であったが、商品化のために整理簡略化が求められ、変調を正弦波に限定したり、32種のアルゴリズムなどが採用されたりした。仕様が固まると各モデル開発がおこなわれ初期DXシリーズ(DX7、DX9、DX1、DX5)が発表された。これら試作モデルの開発コードはDX〇〇だったが、製品名はこれを引き継いでいる。金属的なエレクトリックピアノのサウンドなどで1980年代のシンセサイザーサウンドを牽引したDXシリーズだが、音色作成の難度が高く、生ピアノのシミュレートが苦手という欠点があった。そのため、生楽器のサウンドを録音しておき再生するPCM音源を搭載したシンセサイザーの登場後、そのシェアは次第に縮小していった。89年に登場したPCM音源とFM音源のハイブリッド、RCM音源を搭載したSY77により、ヤマハのシンセサイザーはSYシリーズに移行していった。2001年には、LOOP FACTORYシリーズ中の一機種としてDX200が登場したが、従来のDXシリーズと異なり、キーボードのないモデルであった。現在でも、高品位な鍵盤を持つDXシリーズは、後年の音源モジュールにMIDI接続し、マスターキーボードとして使用されることは珍しくなく、中古楽器店等でも鍵盤の状態が良いものには高値が付くこともある。また、1980年代的な音色が求められる場合に、DXシリーズの音源が用いられることもある。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。