ゲールは、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト2199』の登場人物。声優は阪脩、『2199』では広瀬正志。小さな口髭をたくわえているのが特徴のガミラス軍人。地球とガミラス・イスカンダルの中間地点に浮かぶバラン星のガミラス基地司令官であったが、デスラー総統に志願して銀河系方面軍作戦司令長官として赴任してきたドメルの着任によって副司令官に降格される。そのため、第17話では「副司令」という呼ばれ方に嫌悪感を示している。ドメルからは横柄な接し方をされており、折り合いが非常に悪い。バランまでヤマトを引きつけてから叩こうとするドメルとは対照的に、ヤマトはバラン(ガミラス本星ひいてはデスラー)から可能な限り遠いところで撃沈しようという考えを持つが、そのための作戦はドメルからは尽く却下される。一般的な将軍の軍服が緑地に黒の6対点線、肩部に3対点線なのに対し、彼の軍服は緑地に赤の6対点線、肩部は点線が無く、『宇宙戦艦ヤマト2』以降のガミラス軍服に近い形状である。初登場は第15話で、登場早々ドメルの着任によって副司令官に降格された上、いきなり鞭で自室の家具やコレクションを粉々に叩き壊され「趣味が悪い」と罵られる。このことからドメルに対し強い反感を抱くようになる。第15話の次元断層でのヤマトとの初戦闘の後、第17話においてバラン星の原住生物バラノドンを生体兵器に仕立て上げて作戦採用をドメルに具申するも、指揮権を盾に却下されてしまう。その日の夕食時に悪酔いして従兵や侍女に酒瓶を投げて八つ当たりするが、懲りずにバラノドン特攻兵器を完成させ、予行演習ではヤマトのダミーの撃破に成功。勢いをかって独断でヤマトを攻撃するが波動砲の返り討ちに逢って失敗に終わり、再びドメルから叱責される(ただし、この時のヤマトはワープ直後に波動砲を使ったために機関部が損傷して航行不能になったのでバラノドンの攻撃は無駄にはなっておらず、ドメルはヤマトを撃沈する絶好の機会をみすみす逃してしまっている)。その後、第18話ではドメルと共に宇宙要塞13号破壊の報を受けた際、喫煙中のドメルにライターを差し出すが着火に失敗し、「要塞と同じく役立たず」と侮蔑されている。そして、第20話においてドメルの「ヤマトをバラン星地表までおびき寄せ、人工太陽を落下させてバラン星基地もろともヤマトを破壊する」という作戦が実行された際、ドメルから何も聞かされていなかったゲールはこの不条理な作戦をガミラス本星に密告する。そしてあと一歩というところでデスラーが中止命令を下したため、その隙に人工太陽を破壊され、ヤマトを取り逃がした上に基地も人工太陽の残骸によって壊滅してしまった。この作戦失敗の責任を問われてガミラス本星に召喚されたドメルを裁く軍法会議では、ゲールは総統への忠誠心を理由に自らの密告を正当化し、ドメルの死刑判決を見るも、デスラーの決断でドメルは恩赦され、ゲールは再びドメルの副官としてヤマトとの決戦に参加させられた。第22話での七色星団の決戦に敗れたドメルは自爆を決断するが、またしてもゲールに相談は無く、ゲールはただ呆然とするうちに巻き込まれ戦死した。もっとも、出撃前に万が一の作戦失敗の場合の方策を問うゲールに対し、ドメルは「総統への忠誠心こそが最後の武器」と答え、暗に自爆をほのめかしている。これは密告を総統への忠誠心ゆえと自己弁護したゲールへの皮肉になっている。ゲールとドメルの対立以後、「力(特に軍事力・科学力)はあれど「人の和」の無い異星人が内ゲバの果てに、非力だがチームワークと機転があるヤマトに敗れる」のはシリーズの定番となった。『宇宙戦艦ヤマト』(以降、「旧作」)のリメイク作品である本作では「グレムト・ゲール」というフルネームが設定されている。容貌に大きな変更はないが、年齢が地球年齢に換算して47歳と設定された。階級は少将と設定されている。旧作と同様に銀河方面軍作戦司令長官として登場し、旧作では無かった部下のシュルツたちと接するシーンもある。上司にはへつらい部下には横柄に接するという、典型的な中間管理職として描写されており、シュルツからは「日和見主義者」「部下の手柄を横取りする男」と忌避されている。また、二等ガミラス人であるシュルツたちを「劣等種族」と見下し、ヤマトがワープ(ガミラス側ではゲシュタムジャンプと呼ぶ)したという重要な情報を「夢物語」と一蹴するなど、旧作より傲慢になっている。また、国家元帥のゼーリックに媚を売り、銀河方面軍司令に推挙してもらった経緯があり、権力にすがる卑怯な人物にもなっている。その態度から、航宙艦隊総司令のガル・ディッツからは、第12話で「もみあげゼーリックの腰巾着」と揶揄されている。シュルツの重要な報告を一蹴したり、窮地に陥ると自分だけ助かろうとしたりなど、保身を第一に考えるため決して有能とはいえないが、友軍艦が密集隊形をとっている中へヤマトが突然現れた際には同士討ちによる友軍の被害拡大を避けるため散開するようゼーリックに進言したり、ゼーリックが謀反人となると即座に射殺したりなど、咄嗟の状況における頭の回転は速い。小説版の描写では、ガミラスの戦力は全て総統のものであると考えているため、部下に無理強いをしたり、窮地で部下を見捨てたりはするものの、最初から犠牲を前提とした作戦立案はせず、そういったことを推奨する者には否定的である。デスラーに心酔しており、その忠誠心は非常に高く、デスラー政権崩壊後も保身の観点から付くべき新体制側ではなく、圧倒的に不利なデスラー側に付くほどである。下品かつあからさまに媚びを売るその言動のためデスラーからは嫌われているものの、当人は気づいていない模様。反面ゼーリックに対しては崇拝や忠誠心の類はなく、保身や出世のために媚びへつらってはいるに過ぎない。また、旧作と比較するとドメルとの接点は少ない。旧作での初登場は中盤の第15話であり、ドメルよりも後だが、本作ではシュルツ達の直属上官として第4話(名前のみなら第2話)と、かなりの序盤から登場している。第10話において、シュルツが冥王星基地を失ったうえに、デスラー自ら立案したヤマト撃滅作戦をデスラーの眼前で失敗して敗死したことにより、ゼーリックから管理責任を問われ、自ら艦隊を率いて出撃する。そして次元断層に落ちこんだヤマトが二等ガミラスの軍人で構成された友軍艦「EX178」とともに断層から脱出したところを捕捉。ディッツの娘であるメルダがまだヤマトに乗っていると知りながら攻撃を開始してEX178を撃沈し、その罪をヤマトに擦り付けた上でヤマトの撃沈を狙う。しかし直後に次元断層の揺れ戻しに艦隊が巻き込まれて吸い込まれていったため、撤退指令も出さずに自艦だけワープして逃げ延びた。その後、第13話でドメルが銀河方面軍作戦司令長官に就任したのに伴い、副司令に降格されるが、第15話でのカレル163での戦闘後、ドメルが総統暗殺の容疑で出頭したため、暫定的に再び銀河方面軍の指揮を執ることになる。第18話のバラン星で執り行われた観艦式において、やって来たゼーリックにひたすら媚びへつらっていたが、ヤマトを攻撃する際にいかなる犠牲も厭わず、「歴史とは犠牲の上に成り立つもの」とまで言い切るその言動に辟易し始める。ゼーリックによる総統暗殺の陰謀については全く知らされておらず、総統の死を知らされたときは驚いており、その後総統の健在を知った時にはこの上ない喜びを見せた。一方でゼーリックがデスラー暗殺計画の首謀者であることを知ると、「逆賊」と見做して背後から射殺した。ゼーリックの死後、バランに沈んだと思われたヤマトが浮上して来た際、臨時に艦隊指揮を執るが、ヤマトの波動砲によってバラン星のコアとバラン鎮守府を破壊され、その余波に艦隊も巻き込まれそうになる。今度は一応撤退命令を出したため、艦隊は全滅だけは免れるが、それでも逃げ切れなかった艦隊は大損害を受け、さらに亜空間ゲートが破壊されたことでヤマトを追撃することもできなくなる。仕方なく残存艦艇3000隻を率いて通常のゲシュ=タム航法で本星を目指すが、到着には3ヵ月はかかる見通しとなり、本人の意気とは裏腹に何の役にも立たなかった。ヤマトのガミラス本星戦後、ガミラスの実権を握ったディッツの召還命令を無視し、艦隊30余隻を率いて離反。宇宙を放浪中、ガミラスから逃走してきたデウスーラII世に出会い、再びデスラーの下につく。その後、第25話において亜空間回廊内で待ち伏せするデウスーラII世にヤマトを接触させるため、バラン星の銀河側亜空間ゲートの作動維持とヤマトの追い込みを担当する。しかし、その最中にディッツにより派遣されたフラーケンのUX-01と交戦。無様にわめき散らしながらUX-01が放った魚雷の直撃を受け、乗艦は爆沈した。しかし、フラーケンがデスラーの存在を知らなかったためか、自身を囮としてヤマトの亜空間ゲート突入を援護したため、結果的にヤマトを亜空間ゲート内に追い込むという作戦は成功を収めた。上記のように亜空間ゲートが破壊されてバラン星の宙域に取り残された為、旧作と異なり七色星団の会戦には参戦しておらず、ドメルと運命を共にはしていない。初登場時期の早さも合わせ、劇中での出番が旧作からほとんど変更された人物となっている。なお、先行公開版第七章では第25話でのUX-01の件は省略されたため、ヤマトが亜空間ゲートへ入った後の動向は不明となっている。PS版『宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル』、PS2版『宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶』に登場。ドメルの死刑判決を嘲笑うように眺めていたが、デスラーにより死刑判決が覆された際、ヒスからバラン星陥落の共同責任者としてドメルと共に最前線へ向かう事を命令される。ドメルからドリルミサイルや瞬間物質移送機の説明を聞くのはゲールではなく一兵士であり、ドリルミサイルによるヤマト破壊が失敗した直後に特攻作戦を暗喩された後の出番は無いが、アニメ版同様ドメルと心中としたとされる。なお、アニメ版では上官のドメルに対し一応は敬語を使って接していたが、ゲーム版では上官に対するものとは思えぬほどの粗野な口調に変更されており、ゲールの狭量さとドメルへの反感が強調されている。また総統への密告に関しても、基地が破壊された際、アニメ版では呆然としているのに対し、ゲーム版ではドメルの作戦失敗を嘲笑っており、基地を安否を懸念したというよりも単にドメルの妨害のためということが主な理由となっている。『イスカンダルへの追憶』では回想ステージに登場する。当初の設定では「ゲーリング」や「ゲル」という名前になっていた。当初はヒス副総統と共にデスラー総統暗殺未遂事件を起こし、逆にデスラーに粛清される予定であった。この設定はひおあきらの漫画版で描かれている。ひおあきら版での名前は「ゲル」であり、髪型はオールバックで髭は無く、容姿がかなり異なる。松本零士の漫画版ではガミラス本星での戦いの後、脱出したデスラーに付き添っていたのはタランではなくゲールとなっている。『宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル コミックアンソロジー』(スタジオDNA、2000年)では、七色星団の戦いにおいて、最終的にはドメルに着き従って死んでいく好人物として描かれている。
出典:wikipedia
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