南海8000系電車(なんかい8000けいでんしゃ)は、南海電気鉄道の一般車両(通勤形電車)。4両編成13本の計52両が在籍。登場時のキャッチコピーは、「やさしいがうれしい」。本系列は老朽化が進んでいる南海線用の7000系を置き換える目的で導入された。走行機器類の基本設計や車内設備は1000系を踏襲しており、1000系編成との相互連結も可能である。2001年に旧8000系が車両機器改造により6200系に編入されたため、車両番号は空き番となっていた8000番台を使用することとなった。8001編成・8002編成は2007年10月に東急車輛製造で8両が落成し、同年10月30日から10月31日にかけて未装飾の状態で甲種車両輸送が行われた。そして同年11月3日に千代田検車区で開催された「南海電車まつり」において未装飾の状態で公開された。また、2009年には2次車の8003編成・8004編成も東急車輛製造で8両が落成し、同年3月2日から3月4日にかけて甲種車両輸送が行われた。その後、2010年には8005編成が4両で、2012年には8006編成・8007編成がそれぞれ東急車輛製造で、2013年には8008編成・8009編成が、2014年には8010編成~8013編成が総合車両製作所横浜事業所で落成し、甲種車両輸送が行われた。8001編成は装飾後の2007年12月4日から、8002編成は未装飾のままで同年12月中旬より、試運転を開始した。同編成は側面に広告ラッピングとして、2008年1月30日まで広告を募集していた。2008年のデビューから約半年間は、通常塗装の上に日立製作所「Wooo」の部分ラッピングを施していたが、同年10月には通常塗装に戻されている。8001編成は2008年3月26日、8002編成は同月31日に運行を開始している。2009年3月31日から8003・8004編成が、2010年12月からは8005編成がそれぞれ営業運転を開始している。運転開始から主に4両編成の普通列車の他、1000系2両編成との併結による優等列車運用を含めた6両編成、本系列を2本つないだ8両編成による優等列車や12000系と連結した特急「サザン」の自由席車両と幅広く使用されている。なお、特急「サザン」や空港急行で運用される場合には車内自動放送による案内がある。本系列には和歌山市寄りの先頭車に女性専用車両が設定されている。当初は8001編成と8002編成のみだったが、2014年4月頃から他の編成にも順次そのステッカーが貼られている。2014年9月中旬頃までなんば寄りの先頭車の連結器にはカバーで覆われていたままのため、8000系単独や1000系4両編成との併結による8両編成に組成される運用がなく、機能はしていなかった。その後、他系列の8両編成が検査入場などで本数が不足するときは稀に本系列による8両編成の営業運転が実現している。これにより、女性専用車両のみならず、長年使用されることがなかったなんば寄りに取り付けられている貫通幌も本格的に機能するようになった。そして、2014年10月のダイヤ改正後は様々な本系列の編成を入れ替えながら、本系列のみの8両編成が2本に増え、急行系等の本格的な運用に就いている。それを考慮してか、先述の連結器のカバーは編成ごとに順次取り外されている。車体は現存車両をベースとしながらも、東日本旅客鉄道(JR東日本)E231系の部品を一部取り入れた東急車輛製造(現:総合車両製作所横浜事業所)標準の20m級片側4扉のステンレス製軽量構造で、側面と屋根部分の構体は雨樋部分をスポット溶接で接合する設計が採用された。全体は無塗装とし、アクセントとして配されるブルーとオレンジの帯はフィルム張りでなく塗装とした。先頭車前面には1000系と同様に貫通扉が設置されている。前照灯は貫通扉上部に配されているが、2016年に入って一部の編成がそれまでの白熱電球からLED電球に交換されている。8003編成・8004編成では貫通扉がグレー塗装となり、さらに8005編成は前面貫通路の窓の大きさが若干大きくなった。車体幅・車体長は南海の在来車と同一であるが、客用扉の中心間隔は4,820mmに変更された。車体幅は2,820mmである。窓配置はdD2D2D2D1(d:乗務員扉、D:客用扉)または1D2D2D2D1であるが、客用扉間は客室側から見て右側が固定窓で左側が下降窓、車端部は固定窓としている。また、車端部の窓は1000系に比較すると横幅が狭くなっている。窓ガラスには紫外線 (UV) カットガラスを使用するが、客室側窓の巻き上げカーテンは存置されている。前面および側面の種別・行先表示器は南海では初めてフルカラーLED・白色LEDが採用された。側面表示器は日本語と英語を3秒サイクルで交互表示する。なお、特急「サザン」で運用される場合は前面もスペースの関係から種別表示側が日本語と英語による交互表示となり、側面では行先の横に(自由席)と案内される。英語では上段に行先、下段に「Non-reserved」と表示される。7000系(全廃)・7100系では「サザン」の横に南十字星の星マークが配されるが、本系列では星マークの代わりに縦書きで「特急」の種別を表示する。さらに、側面では関西空港行きに接続する場合は関西空港接続(泉佐野乗り換え)が行先と交互に表示される。定員着席促進のためのスタンションポールなど、車内には大型の手すりが多数設置されている。貫通路幅を775mmに拡張することや床面の高さを1000系の1,170mmから1,150mmに低くすることで駅ホームとの段差を縮小するなどのバリアフリー推進が図られている。編成定員は588名である。難燃性基準の改正により従来の樹脂製の蛍光灯カバーが使用できなくなったことに対して、カバーを廃止したため、客室内蛍光灯を露出した直接照明とし、本数も削減している(片側8本、両側合わせて16本で7000系などとほぼ同じ配置)。網棚はパイプで天井中央部の素材は繊維強化プラスチック (FRP) 製に変更された。ラインデリア(補助送風機)整風板は1000系のような車体全長への設置とは異なり、要所要所に設置されたタイプに変更された。8008編成からは、LED照明が採用され、8008編成と8010編成以降では直接照明、8009編成では間接照明となっている。バリアフリー対応として貫通路幅を775mmに拡張し、座席は車端部も含めてすべて片持ち式ロングシートで、南海では2000系1 - 4次車以来のオールロングシート車となった。座席端部の仕切りは大型FRP製である。座席モケットは茶色であるが、優先座席は青色として識別を図っている。1人あたりの座席幅は従来の455mmから460mmへと拡大した。クッション材はSバネ入りポリエステル綿である。7人掛け座席の中間部には2本ずつスタンションポールを設置した(1両につき中間車14本、先頭車両のみ12本)。つり革についても優先座席部分については他の部分の白色に対し、オレンジ色を採用することで識別を図っているが、つり革の形は従来車と同じ○型になっている。客用扉の室内側は化粧板を廃止し、ステンレス無塗装仕上げとされた。戸当たり部には黄色のマーキングテープが高さいっぱいに貼付されるとともに、床面部分は黄色とされた。またドアチャイムとドア開閉ランプも装備されている。車内案内表示器はLED1段スクロール式で、各車両に4基が千鳥配置で設置されている。車両間の貫通扉もステンレス製無塗装仕上げであり、傾斜式戸閉方式機構の引き戸を採用した。運転台の主幹制御器は1000系と同等の横軸2ハンドル式デスクタイプで、計器類は1000系6次車に準じたアナログ式である。冷房装置は冷凍能力23.26kW (20,000kcal/h) の集約分散式CU-732を各車2基搭載する。これは2300系と同一だが、冷媒に代替フロンを採用した点が異なる。冬期の暖房補助用として電気ヒーターを組み込んでいる。主回路システムは日立製作所製のIGBT素子によるVVVFインバータ制御装置、VFI-HR-1420Q形である。回生ブレーキおよび全電気ブレーキ機能を有し、両先頭車に各1基搭載される。1基のインバータ装置で4個の電動機を駆動する速度センサレスベクトル制御1C4M方式である。停止寸前の制御では三菱の逆相モード制御と日立の直流印加(直流励磁)モードとそれぞれ方式が違うため、日立製のものは停止寸前に「ブーン」という音が鳴る。これは同期に製造された泉北7020系電車のみならず、同じ東急車輛製造で製造された東急5000系電車 (2代)などにも同じ方式が採用されている。主電動機は三菱電機製かご形三相誘導電動機MB-5091-A2形で、定格出力は180kWである。パンタグラフはシングルアーム式の東洋電機製造製PT-7144-B形で、両先頭車の難波寄りに各1基搭載される。冷房装置などのサービス機器に電力を供給する補助電源装置はPWM制御2レベルIGBT静止形インバータを採用し、難波寄り先頭車のモハ8001形と中間付随車サハ8851形に搭載されている。台車は住友金属工業(現・新日鐵住金)製SS177M形(電動台車)およびSS177T形(付随台車)モノリンク式ボルスタレス台車で、ホイールベースは2,100mmである。基礎ブレーキ装置は従来通勤車のシリンダー式から片押し式ユニットブレーキに変更された。また、一部に空転防止のため、セラミック噴射装置が取り付けられている。ブレーキシステムは遅れ込め制御を有する回生併用電気指令空気式であり、1000系と共通である。空気圧縮機は南海で初めてスクリュー式を採用し、和歌山市・関西空港寄りのモハ8101形と中間付随車のサハ8801形に搭載される。凡例 南海電気鉄道が発表した(同社公式ニュースリリース)によると、2010年度までに省エネ型鉄道車両42両を製造予定とあった。本系列は、2008年度に8両が製造された。これらの編成は2009年3月2日から3月4日にかけて、横須賀線・根岸線・東海道本線・城東貨物線(おおさか東線)・関西本線・和歌山線・紀勢本線を経由した甲種輸送で和歌山市駅に搬入された。陸送を用いない、また同駅を経由した新型車両の輸送は、1000系1051編成以来8年ぶりであった。また、2010年以降の輸送経路は、横須賀線・根岸線・東海道本線・梅田貨物線・大阪環状線・関西本線・和歌山線・紀勢本線経由に変更されている。2013年度は16両が製造された。前半の4両編成2本8両がは2014年3月4日から6日にかけて、後半の4両編成2本8両は同年3月18日から20日にかけて、それぞれ総合車両製作所横浜事業所から和歌山市まで甲種輸送された。本系列は、足かけ7年に渡って製造が続けられたが、2015年度以降は近畿車輛製の8300系の製造へと移行し、同年10月8日より営業運転を開始している。本系列および8300系について、1000系と同様に高野線平坦区間および泉北高速鉄道線での運用が可能かどうかは明確に公表されていないが、検査時の千代田工場への入出場時に高野線を走行することがある。また、「サザン」で本系列および8300系と併結して使用されている12000系は「泉北ライナー」の代走で高野線および泉北高速鉄道線でも使用されることがある。公式外
出典:wikipedia
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