通報艦(つうほうかん;フランス語:';英語:')は、情報の伝達を主目的とする小型の軍艦のこと。通報艦の典型的な任務は、下記の2つである。これらの通報艦のサイズ・能力は、水雷砲艦やコルベット、スループと同等であることが多いため、通報艦という独立した艦種を設けず、これらの艦に通報艦の任務を担わせることも多かった。情報伝達手段が発達していなかった時代においては、通報艦の主流は艦隊通報艦であった。日露戦争の日本海海戦における仮装巡洋艦信濃丸の任務は艦隊通報艦の典型的なものであり、バルチック艦隊発見の第一報「敵艦見ゆ」を打電している。しかし、20世紀初頭より無線技術が発達したことにより、伝令任務については専任の艦艇を充当する必要性が減じた。哨戒任務については、艦隊の前衛たる駆逐艦が担う事となり、これによって艦隊通報艦という艦種は消滅することとなった。一方、植民地通報艦については、イギリス帝国、フランス植民地帝国、ポルトガル海上帝国などにおける任務の要請に従って存続することとなった。イギリス海軍ではスループがその役割を担っていたがフランス海軍では通報艦 () 、ポルトガル海軍では植民地通報艦()として整備し続けていた。1950年代、冷戦構造の成立と海外領土の縮小を背景として、フランス海軍は、通報艦に護衛駆逐艦任務を兼任させた護衛通報艦()の整備を計画した。これによって配備されたのがコマンダン・リヴィエル級フリゲートであり、またポルトガル海軍も準同型艦であるジョアン・ベーロ級フリゲートを配備した。これによって、純粋な通報艦の系譜はいったん途絶えることとなった。しかし1960年代後半、ポルトガル海軍の設計官によって設計されたジョアン・コーチニョ級コルベットは、通報艦の原点に回帰したものとして開発された。これはポルトガルの植民地戦争を背景に、南大西洋・インド洋海域において限定戦争・低強度紛争に投入できる低コストな二線級戦闘艦として開発されたものである。1,500トン未満と小型の艦体に最低限の砲熕兵器および対潜兵器、センサー・システムを装備しているが、魚雷発射管や対艦ミサイル、個艦防空ミサイル、C4Iシステムなど、強力だが手のかかる新型装備は搭載されなかった。コーチニョ級のコンセプトは成功したものと見なされ、同国海軍は引き続き発展型のバッティスタ・デ・アンドラーデ級コルベットの整備に入り、またスペインもデスクビエルタ級コルベットを開発した。また、フランスも同様のコンセプトによるデスティエンヌ・ドルヴ級通報艦を開発・配備した。さらに、これらのコンセプトは第3世界諸国においても支持されることとなり、デスクビエルタ級はエジプトやモロッコ、デスティエンヌ・ドルヴ級はアルゼンチンやトルコに輸出され、またアルゼンチンはドイツ製のMEKO 140型フリゲートをエスポラ級コルベットとして配備した。
出典:wikipedia
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