9mm拳銃(9ミリけんじゅう)は、1982年に自衛隊が制式採用した自動式拳銃。海外ではP9とも呼ばれる。自衛隊創設期よりアメリカ軍から供与・貸与されていた11.4mm拳銃の後継として、1982年に採用された自動式拳銃である。スイスのSIG社および当時傘下だったドイツのザウエル&ゾーン社が開発したSIG SAUER P220を、新中央工業(現ミネベア)がライセンス生産し、調達されている。生産はプレス加工を多用し、一丁あたりの価格は約10万円。陸上自衛隊向けの調達が再開された平成22年度予算では一丁あたり約20万円となっており、平成24年度予算では一丁あたり約22万円となっている。"P220の特徴についてはSIG SAUER P220を参照。また、専門用語の解説については銃の部品、拳銃の項目を参照のこと"自衛隊が採用したP220は、前方が角張って後部の滑り止めの溝が幅広となったプレス製スライドの中期型である。他には、マガジンキャッチはレバー式となっている。使用弾薬は9mm普通弾と呼ばれ、これは9x19mmパラベラム弾と同様の弾薬である。ライセンス元であるP220が、アメリカへの輸出を考慮して.45ACP弾を使用可能なサイズで本体やマガジンが設計されているため、口径9mmで弾薬が一列に装填されるシングルカラムマガジンを用いる拳銃としてはグリップの前後長が大きい。.45ACP弾より全長の短い9mmパラベラム用のマガジンは、後部にU字型のインサートが溶接されている。命中精度は50mの射程においても依託射撃で90%、立射で70%以上の命中率を出した。スライドには「9mm拳銃」の文字、シリアルナンバー、各自衛隊ごとのマークが刻印されており、これは自衛隊武器マークとも呼ばれる(Wはweaponの頭文字)。陸上自衛隊向けの調達は終了し、海上・航空自衛隊向けの調達のみが継続されていたが、2010年度予算から陸上自衛隊向けの調達が再開された。自衛隊での9mm拳銃での射撃訓練は、指揮官クラスで年30発、機甲科などでは年12発程度とされる。また、携行の際は薬室に装填状態でハンマーとファイヤリングピンを接触させ、引き金にストッパーを入れるなど、安全対策がなされている。このハンマーを戻す際にデコッキングレバーを使わず、ハンマーを指で押さえたまま引き金を引いてゆっくり戻す方法を用いると、ファイヤリングピンブロッキングシステムが外れるため、携行時に外部からハンマーに衝撃を受けると暴発する恐れがあり危険である。デコッキングレバーを用いてハンマーを戻すのが正しい方法である。銃を収納するホルスターは皮製のもの(警務隊は黒色)が使用されていたが、イラク派遣からはサファリランド社の「サファリランド 6004」とブラックホーク社の「オメガIVもしくはVI」の2種類のレッグホルスターの配備が開始されている。私物も多く使用されており、ブラックホーク社製のSERPA(セルパ)などが確認されている。また、脱落防止や敵に奪われることを防ぐためにブラックホーク社製ランヤードを取り付けている姿も確認されている。予備弾入れはマガジンが2つ入るタイプを1個もしくは2個、弾帯か防弾チョッキ2型に装着して携帯する。一般部隊用は迷彩が施されているが、警務隊は黒皮仕様を使用している。ホルスターと同じく私物も多く使用されている。陸上自衛隊において拳銃は幹部自衛官、戦車の車長(幹部または陸曹)、84mm無反動砲(A/B)手、01式軽対戦車誘導弾手、79式対舟艇対戦車誘導弾および87式対戦車誘導弾の操作手たる陸曹、警務官などが装備するが、2000年代に入ってからは、市街地戦闘訓練や海外派遣時に一般の隊員も拳銃を装備するようになった。中央即応連隊では大半の隊員が装備しているが、員数分配備されていないのが現状である。9mm拳銃以外にも、H&K USP(特殊作戦群)、特殊拳銃(ザウエル&ゾーン社製、機種・使用部隊不明)、大口径拳銃(機種・使用部隊不明)などが採用されている。幹部自衛官、護衛艦付き立入検査隊、陸警隊、警務官などが装備する。特別警備隊ではSIG SAUER P226を使用していることが公開訓練で確認されている。幹部自衛官、基地警備隊、基地防空隊、警務官などが装備する。使用する弾薬は9x19mmパラベラム弾(自衛隊での名称は9mm普通弾)であり、軍用であるため、ハーグ陸戦条約に準拠したフルメタルジャケット弾となる。弾頭先端は平たい形状になっている。普通弾以外に空包やフランジブル弾も採用されている。自衛隊と共に各メディアに登場している。
出典:wikipedia
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