『SEX発電』(セックスはつでん、)は、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ監督による1975年製作のイタリア映画である。ルキノ・ヴィスコンティ監督の『若者のすべて』(1960年)や『山猫』(1963年)の脚本を手がけた同監督による、2037年の未来世界を舞台にした、「イタリア式コメディ」の流れを汲む艶笑コメディである。1957年、初めて出版された自伝的小説『祖母サベッラ』 " がディーノ・リージ監督によって映画化され、1950年代後半から1960年代にかけて、リージ、マウロ・ボロニーニ、ルイジ・ザンパ、ルキノ・ヴィスコンティといった監督のシナリオを脚本家マッシモ・フランチオーザと組んで量産し、『つかの間の恋心』(共同監督マッシモ・フランチオーザ)で監督としてデビューしたパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレが、ふたたび書き始めた自らの小説の映画化作品である。プロデュースをしたシルヴィオ・クレメンテッリはカンパニーレの処女小説『祖母サベッラ』を発見し、リージに演出させて映画化したプロデューサーであり、当時在籍したティタヌス社でリージ作品を多く手がけ、その際にはカンパニーレを脚本家に起用した。1966年に独立して設立した映画製作会社「クレシ・チネマトグラフィカ」での第一回作品はカンパニーレ監督、カトリーヌ・スパーク主演のコメディ映画『結婚戦争』(1966年、日本未公開)であった。以降、カンパニーレはクレシ社の主力作家となり、スパーク主演『女性上位時代』(1968年)、ラウラ・アントネッリ主演『クロツグミの男』(1971年、日本未公開)とヒットを放ったが、本作は同社でのカンパニーレの最後の作品となった。共同脚本に参加したオッタヴィオ・イェンマは、ルチオ・フルチ監督のデビュー作『盗賊たち』(1959年)で脚本家デビュー、カンパニーレとの共同作業は、『女性上位時代』(1969年)以来たった6年で立て続けに6作目になる。撮影監督のフランコ・ディ・ジャコモは、ロベルト・ロッセリーニ監督の『ヴァニーナ・ヴァニーニ』(1960年)でルチアーノ・トラザッティ、ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の『大きな鳥と小さな鳥』(1966年)ではトニーノ・デリ・コリといった撮影監督の助手をつとめ、その後、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺のオペラ』(1969年)やダミアーノ・ダミアーニ監督の『シシリアの恋人』(1970年)を撮影監督として手がけたのちに、本作に臨んだ。美術・衣裳は、カンパニーレ監督の『クロツグミの男』やディーノ・リージ監督の『俺はフォトジェニック』のエツィオ・アルティエリである。本作の音楽のスコアを書いた作曲のフレッド・ボングストは、もともとはイタリアを代表するカンツォーネ歌手であるが、1960年代以降、カンパニーレ作品を中心に、アルベルト・ラットゥアーダ、ディーノ・リージといった監督の作品のために、多くの映画音楽を手がけている。原題 Conviene far bene l'amore は「愛に励むことには価値がある」といった意味で、英語タイトルは Love and Energyか、The Sex Machine (両方共に、配給シーモア・ボード・アンド・アソシエイツ社)だが、日本での公開時には『SEX発電』、VHSビデオ発売時には『セックス発電/男女1000人絶頂物語』という邦題が、配給会社(ヘラルド映画、1982年)やビデオメーカー(徳間ジャパン)によって命名された。原題と同名の原作が1975年に英語ほかに翻訳・刊行され、日本では『月刊プレイボーイ』での連載後、『オルゴン・ボックス SFセックス・エネルギー計画』(千種堅訳、集英社刊、1978年、現在絶版)として刊行されている。VHS発売時にはオリジナルに近い106分、映画公開時には後半25分をオミットした81分版で公開されている。日本ではDVDは未発売、イタリアでは "Conviene fare bene l'amore" の題でDVD発売されている。1982年の日本公開時、地方では『ブレードランナー』と二本立てで上映された。同年7月31日公開のウィリアム・ラスティグ監督の『マニアック』と2本立ての説もあり。1970年代に始まったエネルギー不足や環境汚染がさらに深刻化した地球では、1980年代に全エネルギーを使い果たしてしまい、21世紀に入ってからは人々は中世時代の様にローソクや薪を使用した生活を営んでいた。2037年、高度に発展した科学力を維持するために、科学者たちは必死で新しいエネルギー源を求めて研究をつづけていた。そこで開発されたのが、クリーンで地球に優しく、かつ効率的で、明らかに楽しくもあるという、きわめて平和なエネルギーである。それは女性のエクスタシーからエネルギーを採取して電気エネルギーに変換するというもの。より多くの善男善女の協力が必要なのだった。コッポラ教授(ジジ・プロイエッティ)は、ローマで一番の性豪ダニエレ(クリスチャン・デ・シーカ)と、ローマで一番の子持ちのフランチェスカ(アゴスティーナ・ベリ)を拉致して、協力を得て、性エネルギーの電気エネルギー変換に成功する。イタリアの政府首脳、識者が集まり、会議をするが、法王が難色を示す。コッポラ教授は言う。「姦淫を合法化しても、大罪はまだ6つ残ってます!」。かくして新エネルギーの実用化に成功し、イタリアはほんらいの繁栄を取り戻し、コッポラ教授はノーベル賞を受賞する。発電目的の姦淫は合法化され、むしろ愛のあるセックスは違法化される。あれほどセックスを好んだイタリア人たちは、産業化されたセックスへの関心を失い、恋人たちは、非合法の愛に走らざるを得なくなるのだった。
出典:wikipedia
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