大型ハドロン衝突型加速器 (おおがたハドロンしょうとつがたかそくき、Large Hadron Collider、略称 LHC) とは、高エネルギー物理実験を目的としてCERNが建設した世界最大の衝突型円型加速器の名称。スイス・ジュネーブ郊外にフランスとの国境をまたいで設置されている。2008年9月10日に稼動開始した。また、LHC実験はそこで実施されている実験の総称。LHCは2013年2月から停止していたが、2年間の改良工事を終え2015年4月5日に、以前に比べ約2倍(8兆電子ボルト(8TeV)から13兆電子ボルト(13TeV)へ)の高速エネルギーを備えて運転を再開した陽子ビームを7TeVまで加速し、正面衝突させることによって、これまでにない高エネルギーでの素粒子反応を起こすことができる。最大重心系衝突エネルギーは、14TeV付近。但し、陽子-反陽子型の実験装置ではないため、連続重心系衝突エネルギーは8TeV~10TeV程度の実験エネルギーになる予定。CERNが建設し、2000年に実験を終了した"Large Electron-Positron Collider" (LEP) の地下トンネルに、陽子-陽子衝突のための加速器を新たに設置して建設された。全周は約27kmある巨大なもので、日本のマスメディアは規模を山手線に例える事がある(山手線は全周34.5km)。LEP実験で用いられた、加速器(加速空洞)などは、全て超伝導型に置き換えられた。これは、電子に比べて陽子の質量が1836倍のため、強力な磁場を要することによる。陽子ビームの衝突点には、地下100メートルの地点に6階建てのビルに相当する観測点4箇所に観測装置5台を設置し、高エネルギー物理現象から生じる粒子を観測する。これまでLEPでは、標準模型の検証実験が行われてきたが、LHCではより精度の高い標準モデルの検証を行う。大統一理論および超対称性理論 を実験的に検証することが長期的な目的である。LHCで用いる陽子ビームの安定性をシミュレーションする目的でBOINCを基盤としたLHC@homeプロジェクトを2004年から開始している。既存の設備をより高輝度、高いエネルギー領域で実験ができるように、加速器(加速空洞)及び粒子誘導コイルは、ニオブ系の合金を用いた超伝導型になっている。LHC は陽子と陽子を衝突させる実験であり、陽子反陽子型ではない。反陽子を生成するためには、陽子シンクロトロンや陽子サイクロトロンで加速した陽子を、タングステンなどの金属に衝突させて生じる、反陽子を集めてそれを実験に用いる必要がある。実際に、CERNでもSPS実験(LHCのブースター加速器として活用)や国立フェルミ研究所のテバトロン実験などでも実施しているが、後述の実験の中にあるような、高輝度・連続衝突を要する実験には向かないため、陽子-陽子型実験とした。将来は、陽子-反陽子型の実験も行われる可能性もあるが、未定である。7TeVの陽子ビームどうしを正面衝突させることによって、14TeVの重心系衝突エネルギーを得る実験が行われる予定。全ての実験グループは、理論的かつ実証的なシミュレーション実験並びにデータ解析を行うCERN(欧州原子核研究機構)の支援部門からの支援を受けている。各国の研究機関の参加に関しては、欧州原子核研究機構理事会によって決定することになっている。
出典:wikipedia
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