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ワルキューレ (楽劇)

『ヴァルキューレ』()は、リヒャルト・ワーグナーが1856年に作曲し、1870年に初演した楽劇。台本も作曲者による。『ワルキューレ』の表記もある。ワーグナーの代表作である舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』四部作の2作目に当たる。『ニーベルングの指環』四部作は、ひとつのプロローグと3日を要する舞台上演と見なすことができ、その「第1日」に当たる本作『ヴァルキューレ』は、「序夜」(『ラインの黄金』)を除く「三部作」の実質的な幕開けに位置づけられる作品である。四部作はそれぞれ独立した性格を持ち、単独上演が可能である。そのなかで『ヴァルキューレ』は、もっとも人気が高く、上演機会も多い。感動的な愛情表現の場面や、ライトモティーフの使い方が自然かつ巧緻であるなど作曲技法の円熟を理由に、『指環』四部作にとどまらず、ワーグナーの全作品中でももっとも優れたもののひとつとも見なされている。とくに、第1幕でのジークムントによる「春と愛の歌」(「冬の嵐は過ぎ去り」)、「ヴァルキューレの騎行」として知られる第3幕の序奏、終盤で「ヴォータンの告別」からつづいて「魔の炎の音楽」で幕切れとなる部分はしばしば独立して演奏される。全3幕からなり、上演時間は約3時間40分(第1幕60分、第2幕90分、第3幕70分)。物語は、ドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』を始めとするドイツ英雄伝説や『エッダ』、『ヴォルスンガ・サガ』など北欧神話の物語を下敷きにしつつ、ワーグナー独自の重層的・多義的な世界が構築されている。直接引用されてはいないがギリシア神話の影響も多分に見られる。なお、ヴァルキューレとは、作品中に登場する、神々の長ヴォータンとエルダの9人の娘たちであるが、題名は定冠詞付きの単数形であることから、ブリュンヒルデひとりを指している。『ヴァルキューレ』の台本は1852年6月、音楽は1856年にそれぞれ完成された。1870年6月26日、バイエルン宮廷歌劇場にて初演。『ニーベルングの指環』四部作全曲の初演は、1876年8月13日から17日まで開催された第1回バイロイト音楽祭においてである。バイロイト音楽祭では四部作が連続上演される。内訳は以下のとおり。『ラインの黄金』同様、従来のオペラ作品に必ず用いられた合唱が本作では採用されない。『ラインの黄金』とほぼ同じ4管編成。主な違いは舞台上の楽器の有無である。弦楽は人数が指定されている。全3幕、11場からなる。『ラインの黄金』から『ヴァルキューレ』に至る間には、次のような経緯があり、第2幕第2場でヴォータンの長い語りによって明らかにされる。世界を支配する力を持つ「ニーベルングの指環」がアルベリヒのもとに戻ることを恐れたヴォータンは、神々の意志から自由な人間にファーフナーから指環を奪わせるという構想を思いつく。この構想は、『ラインの黄金』の終わり、神々のヴァルハルへの入場において「剣の動機」が現れることで象徴される。ヴォータンはまず、地下に降りてエルダのもとを訪ねる。ヴォータンとエルダの契りからブリュンヒルデが誕生する。ヴォータンは、ブリュンヒルデを含めた9人のヴァルキューレを育て、戦いに倒れた人間の勇士をヴァルハルに集めさせ、指環がアルベリヒに戻った場合に予想される闇の軍勢の襲来に備えた。他方、地上では人間の女との間に双生児の兄妹をもうけた。ヴォータンは兄妹に対してはヴェルゼと名乗ったことから、兄妹はヴェルズングと呼ばれる(ヴェルゼは身内への名乗りで、世間に対してはヴォータンはヴォルフェと名乗っており、第1幕でジークムントがフンディングに名乗る場面では一族をヴォルフィングと呼んでいる)。ヴォータンの構想では、兄のジークムントこそは、神々の束縛・掟から自由な英雄となるべき存在であった。ヴォータンは、英雄の条件としての剣(ノートゥング)をジークムントに授ける手はずも整えていた。しかし、第2幕でフリッカの登場によって「遠大な計画」は否定される。ヴォータンが必要としていたのは「自由な意志を持ち、自発的に行動する英雄」であったが、フリッカはその英雄に意志を吹き込み、けしかけているのはヴォータン自身だと見抜く。ここに決定的な自己矛盾があったことを知ったヴォータンは、フリッカの要求を呑んでジークムントを殺すことを誓約せざるを得なかった。ヴォータンは「私が作り出すものは奴隷ばかり」と自己嫌悪に陥る。こうしてヴォータンの構想は挫折し、物語は暗転する。この挫折によって、ヴォータンは楽劇全体の実質的な主人公でありつつも、第一線から退く形となり、代わって新たに主役にふさわしい存在となっていくのがブリュンヒルデである。この「遠大な構想」とその挫折が語られる第2幕第2場は、四部作の叙事的分水嶺ともいうべき箇所で、1855年10月3日付けでワーグナーがリストに宛てた手紙には、「(第2幕第2場は)四部作のドラマの運びにとってもっとも重要な場景」と記されている。『ヴァルキューレ』において、双子の兄妹ジークムントとジークリンデの近親相姦が物語のひとつの焦点となっている。このモチーフは、後述するように、後の文学作品に影響を与えた。近親相姦は獣性への逆戻りを示唆し、近代社会はもとより、未開社会でもタブーとされてきた。しかし神話においては、例えばエジプト神話のオシリスとイシスは母親の胎内で交わったとされ、神々のみはこれを許されている。ギリシア神話の最高神ゼウスと妃ヘーラーもまた姉弟にして夫婦である。ヴォータンは「遠大な構想」に基づき、このいわば「神話的特権」をジークムントとジークリンデの二人に認めることで、「選ばれた英雄」の貴種的性格を高め、さらにジークムントにフンディングを返り討ちさせることで、英雄としての最初の試練を乗り越えさせる意図があったと見られる。ブリュンヒルデは、そのための介添え役でもあった。近親相姦のモチーフは、『ヴァルキューレ』につづく『ジークフリート』においても、ジークフリートとブリュンヒルデ(甥と伯母)の関係として明確に現れる。また、直接的ではないが、心理的な側面では、孫のジークフリートを介した形でヴォータンとブリュンヒルデとの関係にも色濃く認められる。『ヴァルキューレ』第2幕のト書きには、父娘のほとんど性的な親密さが暗示されている。『ヴァルキューレ』の物語や人物設定は主として『エッダ』や『ニーベルンゲンの歌』などの北欧神話やドイツ英雄伝説に依っているが、ドラマの手法や展開的には、ギリシア神話とりわけギリシア悲劇の影響が色濃く見られる。第1幕においてジークムントとジークリンデが互いに兄妹であることを知る場面は、ギリシア悲劇に見られるアナグノーリシス(Anagnorisis、認知または再認)の手法である。ここではとくに、父アガメムノーンを殺された復讐に際して再会するエーレクトラーとオレステースの姉弟の物語と関連が深い。この題材に基づくギリシア悲劇には、アイスキュロス『供養する女たち』、ソフォクレス『エレクトラ』、エウリピデス『エレクトラ』がある。第2幕以降でブリュンヒルデがヴォータンの命に逆らい罰せられる物語は、ギリシア神話において、ゼウスの命に逆らって人間に火をもたらしたために罰せられ、カウカソスの岩山に縛り付けられたプロメーテウス(アイスキュロス『縛られたプロメテウス』)、あるいはテーバイ王の命に逆らってポリュネイケースを埋葬したアンティゴネー(ソフォクレス『アンティゴネ』)を彷彿とさせる。第3幕で登場するブリュンヒルデを除く8人のヴァルキューレたちは、ギリシア悲劇のコロスの役割を与えられている。また、幕切れでブリュンヒルデがヴォータンによって眠りにつく場面は、直接的にはグリム童話の『いばら姫』のモチーフと重なるが、ここでヴォータンはローゲを呼び出し、岩山に炎を縛り付けており、上述の『縛られたプロメテウス』との関連性に「火」のモチーフも重なる。ワーグナーは『ニーベルングの指環』四部作で、物語の登場人物、あるいは道具や概念などを短い動機によって示すライトモティーフ(示導動機)の手法を駆使している。フランスの音楽学者アルベール・ラヴィニャック(1846 - 1916)によれば、『指環』四部作中に計82のライトモティーフが数えられ、そのうち22が『ヴァルキューレ』に現れるとされる。『ヴァルキューレ』で示されるライトモティーフとして、とくに重要なものを以下に挙げる。基本的に、新たに示された動機は繰り返され、あるいは変容されて主題的な性質を示す。一方、『ラインの黄金』ですでに現れたものは、主として「想起動機」として扱われる。『ヴァルキューレ』の音楽は、ライトモティーフの駆使によって、詩=筋書きの内容をしばしば予告あるいは先取りするものとなっているのが特徴である。このことは同時に、ワーグナーが自身の中に認めていた男性的要素(詩人)と女性的要素(音楽)の関係としても働いている。「先取り」の例として挙げられるのが、第1幕のジークムントとジークリンデの関係である。二人は会ったばかりの時点で、ジークムントが水を飲む場面で早くも「ジークムントの動機」と「ジークリンデの動機」が絡み合って高揚し、「愛の逃亡の動機」と「ヴェルズングの愛の動機」へと発展している。この場面では、音楽が詩を先取りするとともに、恋愛についてもジークリンデが主導的な立場にあり、ワーグナーが著書で主張していた恋愛における女性主導との呼応が強く見られる。第3幕では、ブリュンヒルデがヴォータンに「火を燃やして」と嘆願する場面で、舞台上には炎は上がっていないにもかかわらず、音楽は「ローゲの動機」を示し、幕切れに至って舞台を埋め尽くす炎が視覚化されることになる。筋書きの先取りという点でもっとも時間が大きく隔たる例は、同じく第3幕で示される「愛の救済の動機」で、次次作『神々の黄昏』の幕切れにおいて初めて回帰し、劇的な効果を挙げる。この「愛の救済の動機」は、やわらかな順次進行を示し、確固とした長三和音の分散型と符点リズムからなる「剣の動機」と対比される。「剣の動機」は『ラインの黄金』の幕切れに現れるように、ヴォータンの「遠大な構想」を象徴しており、いわば「男性原理」(剣および遠大な構想)によって崩壊した世界を「女性原理」(愛)が救済する、という構図が見て取れるのである。『ヴァルキューレ』において、とくに重要なキャラクターは、ジークムントとジークリンデ、ヴォータンとブリュンヒルデの二組の男女である。彼らに次いで重要なのはフンディング、フリッカである。ヴァルキューレは北欧神話に由来し、「戦乙女」と訳されることもあるが、もともとはヴァル(戦場)とキューレ(選ぶ)という言葉から成り立っている。その名のとおり、戦いで死んだ男たちのなかから最強の勇士を選び、ヴァルハルに連れて行くのが彼女たちの使命である。言い換えればこれは「死体運搬」ということになる。本作は後世さまざまに演出されているが、有名な「ヴァルキューレの騎行」の場面はその多くに死のイメージが共通して認められる。『ヴァルキューレ』から主題など直接影響を受けている作品、あるいは設定など間接的に影響が認められるものを以下に示す。『ヴァルキューレ』第1幕は、独立した一幕ものとしてもしばしば上演機会がある。登場人物が3人と極端に少ないことや、ト書きの詳細な舞台指示など、写実的な散文劇の性格も備えていることから、ストリンドベリらのモダンな室内劇の先駆と考えることもできる。

出典:wikipedia

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