エノキアン協会(エノキアンきょうかい、)は、1981年に設立された経済団体で、家業歴200年以上の企業のみ加盟を許される老舗企業の国際組織。フランスのパリに本部がある。フランスのリキュールメーカーマリー・ブリザール社()が、何世紀にもわたって存続してきた伝統企業で、なおかつ、現在でも創業者の子孫が経営する企業を集めて団体を創設しようと提唱したことを発端とする。1981年、イタリアのベレッタ社が1年かけて164の商工会議所、25か国の大使館の協力を得て174社の会社とコンタクトをとり、加入を募った。協会への加入資格は、の4点である。174社のうち、この条件を満たしたのは15社であり、当初はそのうちの10社で協会が設立された。以上、会員がより良い友好関係を築くことによって、「伝統こそ活力」を世界に証明することを目的としている。多くの波乱を克服してきた伝統の技術、あるいは家族のぬくもりが欠かせないものであることを広く訴えるとともに、優れた職人的技術を有する若い企業との連帯もねらいとしている。エノキアンとは、エノク(Henok)に住む人びとという意味である。エノクとは『旧約聖書』に記された人物の名であり、また、世界初とされる都市の名でもある。人物としてのエノクはアダムの孫にあたり、365歳まで生き、ノアの大洪水の前の家長であった。多くの子孫を残し、神とともに栄えて、史上初の都市の名には彼の名が与えられたとされている。エノクには「始まり」という意味もある。協会名のエノキアンは、このような歴史と伝統、および繁栄にちなんでつけられた。1987年に開かれた「世界歴史都市博覧会」では「エノキアン歴史展」も催されており、会員企業(当時は13社)の歴史を示す史料や商品を紹介して互いの交流を深めた。現在、フランス・イタリアを中心にヨーロッパの伝統産業であるワイン、ガラス製品、宝石などの分野の企業40社で構成されている。国別の内訳は、イタリア14社、フランス12社、ドイツ3社、オランダ2社、北アイルランド1社、日本5社、ベルギー1社、スイス2社である。そのうち、最も創業の古いのが、石川県の温泉旅館「法師」であり、ヨーロッパにおける最古の企業は、1295年設立のイタリアのガラス品メーカー BAROVIER&TOSO である。日本企業5社の内訳は、である。また、各国の加盟企業は以下のとおり。エノキアン協会は不整形多重円のデザインをマーク(会章)としているが、これは年輪をあらわしている。また、協会ではいまも、伝統を有し、会の精神を共有できる企業の新規加入を歓迎している。エノキアン協会加盟の企業には、いくつかの共通点があるという指摘がある。それによれば、危機に対して柔軟で創造的な適応をなしうる点であり、また、オリジナル商品の品質に対するこだわり、後継者の育成への努力などである。これはまた、世代を越えて企業が存続する条件ともいえるものである。また、過度な成長やパワーを望まないという点も多くの加盟企業に共通しているとの指摘がある。野村進によれば、日本で200年以上の歴史をもつ企業は3,000軒を数え、中国9軒、インド3軒、韓国0軒と比べ突出しており、ドイツ800軒、オランダ200軒とくらべても多く、日本は世界の中でもずば抜けた「老舗大国」と言って過言でないとしている。
出典:wikipedia
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