Su-34(スホーイ34、スホイ34;ロシア語:)は、ロシア(ソ連)のスホーイ社によって開発された、Su-27の発展型の戦闘爆撃機である。ロシアにおいては、(多機能航空機)、あるいは、Su-24と同様(前線爆撃機)と呼ばれている。NATOコードネームはフルバック(Fullback、後衛・フルバックと呼ばれる、スポーツのポジションの一つ)。1980年代頃にソ連空軍は、Su-24の後継機となる戦闘爆撃機を求めていた。スホーイ設計局がそれに応じ、T-10Vの計画名でSu-27戦闘機の発展型として複座型のSu-34を開発した。名称内の末尾番号を4としたのは、Su-24との任務上の関連性を示すためである。ロシア空軍では、2000年代初頭まではスホーイ設計局名称のSu-27IBの名称を使用していた。また、海軍型はSu-32の名称が付けられていた。ロシア空軍向けのSu-34は1994年12月28日に量産型仕様の初号機が初飛行しており、1997年の初めに先行量産機4機が製造され、12機が発注されたが資金難を理由に一旦は製造が停止された。2000年9月には資金調達が可能となり製造が再開され、2005年4月に第1生産バッチ分の5機が製造され、2006年10月12日にその初号機が初飛行している。2008年にスホーイ社との間で量産型の第1次発注の18機の製造契約が結ばれ、2008年1月9日には、スホーイ社はSu-34のフルレート生産を開始したことを報告した。2010年に最初の連隊分の24機が空軍に引き渡される予定であったが、スホーイ社での作業に遅れが発生したため、契約分のそれらの飛行試験は2010年11月に始まり、最初の4機が2010年12月28日に空軍に引き渡されている。その後も空軍はスホーイ社との間で追加契約を行い、2015年までに58機を調達する計画としているが、この計画も遅れることが予定されている。海軍型のSu-34FNはロシア海軍の購入が決まらず、生産と配備の予定は立っていない。2008年5月9日、モスクワで行われた対独戦勝パレードにSu-34が参加した。Su-34を操縦したのは、リペツク飛行センター司令アレクサンドル・ハルチェフスコミー空軍少将であった。5月9日の対独戦勝パレード当日、Su-34はSu-24前線爆撃機と並んで飛行し、本機がSu-24の後継機である事を印象付けた。機首は先端のピトー管と思われるものに続き、側面にチャインの付いた大きな扁平の形状のレドームとなっている。機体前部はチャインの付いた側面がそのままストレーキとなって全遊動式の小さなカナード翼が付いている。コックピット部分は並列座席配置も相まって大きなキャノピーが胴体でも最も高い隆起部の前方上部を占め、隆起の後半部は機体中央に向かってなだらかに下っている。座席からの直接の後方視界は失われている。コックピット左外面には引き込み式の空中給油用プローブが隠されている。Su-27と同様にエンジンなどの後部胴体が機体前部に比べて低い位置にあるため、カナード翼から続いたストレーキは、幾分高翼配置に見える62mの主翼へ続く。主翼と尾翼はSu-27と同じものが使用される。Su-27の胴体後部にあったベントラルフィンは本機では備わっていない。Su-27の特徴でもあった最後端中央の長く延びたテイルブーム部は、ビーバーテイル状の薄いものからスティンガーと呼ばれる太い形状に変更された。重量増加に対応するため、前脚はSu-27の単車輪式から複車輪式に、主脚も同じく単車輪式からタンデム型の複車輪式に変更された。主脚が強化されているとの情報もあるが、詳しくは不明である。2名搭乗の複座座席は戦闘機形状の軍用機としては珍しいサイドバイサイド(並列型)となっており、左席が操縦士席で右席が兵装担当士官席である。操縦席はSu-24と同じくK-36DM射出座席が用いられ、乗員は個別に射出される。Su-24ではキャノピーが開いたが、Su-34は固定されており乗員は前脚後方にある乗降口から梯子を使い、床下ハッチから出入りする。乗員区画は17mmのチタニウム装甲で保護され、高度3万フィートまでは酸素マスクが必要ない程度に与圧される。左右席間に身を横たえることで交代で仮眠を取ることも可能だとされる。かつては「シートにマッサージ機能がある」「座席後方には電子レンジや冷蔵庫を備えた簡易キッチン(ギャレー)やトイレがある」といった情報が散見されたが、それらの情報は誤りで、実際には簡易トイレ(尿瓶)と保温ボトルが備え付けられているだけである。操縦士席前方の計器盤が大きく場所を占め、ヘッドアップディスプレイも左側だけに付いており、兵装担当士官席側の前方の簡素な計器盤と比べて左右が非対称になっている。計器盤は操縦士側に2つ、兵装仕官側に3つのカラーCRT多機能表示装置を備えており、ヘルメット装着式照準器を使用することもできる。エンジンはリュールカAL-31Fターボファンエンジン(ドライ出力74.5kN、A/B使用時推力が126.6kN)を2基搭載する。最高速度は777ノットの約マッハ1.13も可能で、高高度ではSu-27のマッハ2.35に対してマッハ1.8になるとされる。機体構造の変更と燃料の増量によって、最大離陸重量はSu-27の約30トンから約45.1トンにまで増加されているが機体の荷重制限はSu-27の9-10Gから7Gほどへ実用上昇限度はSu-27の18,000mから14,000-1,5000mに低下したとされる。機内搭載燃料はSu-27の9トン搭載から12.1トンにまで増やされた。増槽の使用によって燃料の総搭載量は最大で19.1トンまで増加できる。これにより航続距離は機内搭載分だけで約4,000km、増槽を含むと約7,000kmになり、Su-27の約3,700-3,900kmと約6,900kmより少し延びている。戦闘行動半径はHi-Hi-Hiで約1,100km、Hi-Lo-Hiで約600kmとする情報があるが、増槽の有無や兵器の搭載量が明かされていない。機首部にはB004多機能高解像度パッシブフェーズド・アレイ・レーダーを搭載する。B004はXバンドを使用するレーダーで空対地能力が強化されており、合成開口による高精細地上マッピングや地形追随レーダーモードを持ち合わせている。探知距離は目標のサイズに応じて200~250kmで、グランドマッピングモードは50km、ドップラービームシャープグランドマッピングモードは75km、地上移動目標識別(GMTI)モードは30kmである。戦闘機サイズの空中目標に関しては、90~120kmで探知できる。方位角と仰角は60度でありピーク出力は15kw。最大で10目標を探知して、最大4目標に攻撃が可能である。テイルブーム先端にも後方象限用のB005フェーズドアレイレーダーを装備している。赤外線捜索追跡装置(IRST)は装備していないが、空対地攻撃用に前脚格納庫の後ろにテレビカメラやレーザー目標指示装置を有する統合したプラタン電子光学照準システムを搭載している。自己防御器材としては、SPO-15"ベリョーザ"レーダー警報受信機、チャフ・フレア・ディスペンサを搭載するほか、R-73用のランチャーと交換する形で両主翼端にL175Vヒービヌィ-10Bジャミングポッドを搭載可能である。ヒービヌィの装備によりSu-34は電子戦機となり地対空ミサイルや航空目標から自身を守るだけでなく、味方の航空機を守ることができる。これとは別に胴体下にジャミングポッドを装備した機体(白48)の飛行が2009年に確認されている。通信システムとしては、Su-27と同様にTKS-2Mを搭載し装置を搭載したグループ内の航空機と地上を介することなく通信できる。またこのシステムは完全自動化され、電子妨害にも強いとしている。2011年からは新しい通信装置であるS-103(Su-35が搭載するものと同系列)が搭載され始めている。最大搭載可能重量は約8トンであり、日本製のF-2や米国製のF-15Eと同等である。ハードポイントを合計12ヶ所備え、ロシア空軍が現有し運用している空対地ミサイル・通常爆弾・レーザー誘導爆弾が搭載できるとされるほか、自衛用の空対空ミサイル(AAM)を携行することができる。固定武装はSu-27系列と同じ、GSh-301 30mm機関砲1門と150発の砲弾を搭載している。2010年には以下の改良が行われた機体が完成した。2011年9月にはテストを完了、2014年から運用が開始された。2015年4月6日、ヴォロネジの近くでSu-34がドラッグシュートの故障により滑走路をオーバーランし横転、深刻な損傷を受けたことを報じられた。
出典:wikipedia
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