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後生鰻

後生鰻(ごしょううなぎ)は古典落語の演目の一つ。元々は『淀川』という上方落語の演目で、明治期に東京へ移植された。別題は『放生会』。主な演者として、5代目古今亭志ん生、3代目三遊亭金馬、桂歌丸、桂文珍などがいる。なお下記のサゲは歌丸一門の上演バージョンであり、志ん生が十八番としていた本来のサゲの部分は鰻屋の女房はなく子供の赤ん坊である。さる大家の主人は超極端な信心家で、夏場に蚊が刺していても、つぶさずに必死にかゆいのを我慢している。ある日、浅草の観音様さまの帰りがけ、鰻屋の前を通ると、親方が鰻をまな板の上へ乗せて包丁を入れようとしているところに遭遇した。「何をする気だ!?」
「二階のお客様のご注文で、蒲焼に…」
「残酷じゃないか!!」隠居、早速、義憤を感じて、鰻の助命交渉を開始する。すったもんだの末、鰻を二円で買い取って、前の川にボチャーン。「あー、いい功徳(くどく)をした」スーッと帰ってしまう。翌日、また同じ鰻屋で、同じように二円…ボチャーン!「あー、いい功徳をした」そんなことが続くこと四・五日。隠居さえ現れれば、仕事もしないで確実に日銭が転がり込むんだから、鰻屋はほとんど何もしないで左うちわになっていた。
仲間もうらやんで、「どうでえ、あの隠居付きでおめえの家ィ買おうじゃねえか」。ところが…ある日を境に、この隠居がぱたりと来なくなった。吹っかけすぎたのが災いして、ほかの鰻屋へ流れていってしまったのだろうか。女房と心配していると、久しぶりに向こうから『福の神』がやって来る。「ウーン…。あれは具合が悪いんだな。ああいうのは、いつくたばっちまうかしれねえ。今のうちに、ふんだくれるだけふんだくっとこう」一儲けしようとするが、ちょうど鰻が切れて商売を休んでいるところで、商売は開店休業状態。「あの金魚…昨日死んだ? ネズミ…そんなに簡単には捕まえられないか。えーと…」生きているものならいいだろうと、自分の女房を拝み倒し、割き台の上に乗っけた。驚いたのは隠居だ。「おいおい、それをいったい如何する気だ?」
「へえ、蒲焼きにするんで」
「馬鹿野郎。なんてことをしやがる。これ、いくらだ」隠居、生き物の命にゃ換えられないと、かみさんを百円で買い取り、前の川にボチャーン!影から見ていた親父が「あー、いい功徳をした」

出典:wikipedia

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