ジェイソン・リチャード・ワース（Jayson Richard Werth, 1979年5月20日 - ）は、アメリカ合衆国イリノイ州スプリングフィールド出身の野球選手（外野手）。現在はMLBのワシントン・ナショナルズに所属している。右投げ右打ち。祖父のダッキー・スコーフィールドは元メジャーリーガーで、主に遊撃手として19年間メジャーでプレー、ダッキーの息子で叔父のディック・スコーフィールドも主に遊撃手で14年間メジャーでプレーした。また、継父デニスも元メジャーリーガーで、主に一塁手として、4年間メジャーでプレーした。6月17日に、ボルチモア・オリオールズにドラフトで指名され、プロ入り。入団当時は捕手だった。11月11日に、ジョン・ベイルとのトレードで、トロント・ブルージェイズへ移籍。から、本格的に外野手へ転向する。同年9月1日に、同球団からメジャーデビューを果たす。3月29日にジェイソン・フレイザーとのトレードで、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍。同年シーズンは、89試合の出場で16本塁打・47打点を記録。は正左翼手として期待されるも、102試合で.234・7本塁打・43打点の成績に終わった。は左手首の怪我でメジャーでのプレー機会はなかった。同年12月に、1年契約でフィラデルフィア・フィリーズへ移籍。から、2年ぶりにメジャーリーグにカムバックした。1月7日に、再びフィリーズと1年契約を結ぶ。開幕当初は4番目の外野手兼左打ちのジェフ・ジェンキンスとのプラトーン要員だったが、そのジェンキンスが打撃不振と故障に苦しんでいたため、右翼手のレギュラーポジションを完全に奪取した。終わってみれば、134試合で.273・24本塁打・67打点・20盗塁を記録、フィリーズのワールドシリーズ出場に貢献、さらにタンパベイ・レイズとのワールドシリーズでは全試合先発出場し、第4戦の8回裏にダン・ウィーラーから2ラン本塁打を放ち、世界一に貢献した。5月12日の対ロサンゼルス・ドジャース戦で1塁ベースから本塁まで1イニングに3盗塁した。これは大リーグで5月11日にピート・ローズがシンシナティ・レッズに対して1イニングに3盗した以来の記録だった。同年7月、自身初のオールスター出場を果たした。シーズン通じては、自己最高の36本塁打を放ち、99打点を記録。また、ポストシーズンではアンディ・ペティットからの2本塁打を含み、15試合で7本のホームランを放った。オフ、FAとなったワースは12月5日にワシントン・ナショナルズと7年総額1億2600万ドルで契約合意。、4月13日の金曜日、延長13回にサヨナラヒットを放った。これは1963年のウィリー・スタージェル以来だが、このときサヨナラのホームを踏んだのは、祖父のディック・スコフィールドであった。、129試合の出場で打率.318・25本塁打・82打点という好成績をマーク。2012年は規定打席に到達していないとは言え、2年連続での打率.300超え、OPSでは一時リーグトップに立つなど、自己最高の.931（リーグ3位）という数値を記録した。また、10盗塁に対して失敗は1度と、相変わらずの盗塁成功率の高さを見せた。、ライトのレギュラーで147試合に出場し、惜しくも3年連続での打率.300以上は逃したものの、.292という数値をマーク。ホームランは16本まで減少したが、得点圏で打率.338とよく打ち、2年連続で82打点を叩き出した。前述の通り、ホームランこそ減ったものの二塁打を大幅に増やし (37本・自己2位)、長打数は前年の49本から54本まで増えた。選球眼の良さも相変わらずで、自己2位の83四球を選び、出塁率は2年連続で.390を超えた。盗塁は2ケタに届かなかったが、成功率は90%であり、盗塁技術の高さは健在だった。は88試合の出場に留まり、3シーズンぶりに規定打席到達を逃した。バッティング面では、3年連続2ケタアーチとなる12本塁打を放ったが、打率.221・出場試合数とほぼ同等の84三振を喫し、打撃不振に落ち込んだ。また、メジャーデビュー以来、初めて0盗塁に終わった。守備ではレフトを76試合・ライトを14試合で守り、トータルでDRS - 11と、こちらも低調な成績に終わった。ナショナルズ移籍1年目こそ期待外れだったが、2012年以降は故障もあったものの好結果を出し、大型パッケージで移籍した実力を見せている。ポジションは主に右翼手だが、左翼手、中堅手も守ることができ、貴重なバイプレーヤーである。いずれのポジションも守備は堅い。一塁手としてもプレーした経験がある。2008年には20盗塁を決めたように足も速い。特に盗塁技術は非常に高く、通算100以上の盗塁を企図しているが、87%という高率を誇る（2013年シーズン終了時点）。選球眼は良いほうではなかったが、フィリーズ移籍後は出塁率が上昇し、改善されている。また、打席において特に辛抱強く球を待つことができる打者でもある。「打席ではより打ちやすい球がくるのをいつも待つようにしている。」と、ワース自身が言っているように、通算Pit/PA（1打席で何球投げさせたかを見る指標）は4.50と、MLB平均の3.83を大きく上回っている。2009年は4.51とMLB全体で最高であった。

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