ジェネリックプロダクトとは、無印工業製品。最近では特にデザイナーズ家具、とりわけ椅子で称される模造品の別名。他にリプロダクト製品などの名称がある。ジェネリックとは「ブランドに囚われない」という意味であり、先発メーカーや版権所有者以外による模造品である。同等品と称しながらも実際には素材・品質の違う様々な製品が市場に出回っている。いわゆるデザイナーズ家具のジェネリックプロダクトは、イタリアにおいて1980年代から生産され、その後は中国、タイ、ブラジルなどの諸外国においても生産されている。日本国内においての意匠権は、その保護が20年であるため、それを過ぎた製品は自由に複製することが可能で、いわゆる先発生産者以外の製造であっても合法であるという主張である。工業生産された家具は、日本の過去の判例で著作物の範疇には入っていないが、ジェネリックプロダクトと称して複製される製品は、先発メーカーも海外の企業が多いため、正規のライセンスを得ずに日本国内の意匠権だけを楯に、模造品を生産・販売することに全く問題がないのかは疑問が残る。しかしその一方で、合法的な期限が切れた製品の「意匠権」をさらに保護することは競争原理を排除する事に繋がる。ジェネリックプロダクト生産者の一部は、オリジナル生産当時よりも現代的な優れた素材を使用し、中国をはじめとした東南アジアで生産するため、優れたコストパフォーマンスを実現することで、ジェネリックプロダクトを広める啓蒙活動にも熱心である。「価格は先発生産者の半値以下のことが大半であるが、先発生産者による生産や販売も平行して行われているため、そのビジネスチャンスを奪っている」との考えもあるが、「価格が全く違うことで、選択肢が増え新たなマーケットできている」という考えもあり、消費者自身の価値観にゆだねられる。ブランド製品と違いデザイナーズ家具はブランド名ではなくプロダクト名で称されることが大半であり、その点でジェネリックプロダクトがブランド名を名乗らず通称と同一名称で販売されていることは、先発メーカーのデザイナーズ家具を求めるユーザーに少なからぬ混乱を巻き起こす可能性がある。特にインターネットオークションなどで、見た目が同じ製品が同名のジェネリックプロダクトとして販売されているケースも多い。先発メーカーの製品のごとく販売されるのは、その販売方法において違法である。

出典:wikipedia