キュステンディル州（キュステンディルしゅう、ブルガリア語:、ラテン文字転写:"Oblast Kyustendil"）はブルガリア南西部に位置するブルガリアの州。西にセルビアおよびマケドニア共和国と国境を接する。キュステンディル州はブルガリアの南西部に位置し、その面積は3,084.30 平方キロメートルで、ブルガリア全土のおよそ2.7%を占めている。人口は173,889人を数える。キュステンディル州はソフィア州、ペルニク州、ブラゴエヴグラト州およびマケドニア共和国、セルビア共和国と接している。州の政治・経済の中心は州都のキュステンディルである。州の地形的特長としては、険しい岩山や山脈によってそれぞれ隔てられたいくつもの肥沃な谷と渓谷がある。州の北部および西部は「キュステンディル辺境」（、Kyustendilsko kraishte）と呼ばれ、ミレヴ山脈（、Milevska Planina）、チュディン山脈（、Chudinska Planina）、ゼメン山脈（、Zemenska Pkanina）、コニャヴォ山脈（、Konyavska Planina）などの山々がある。「キュステンディル辺境」は南へはビストリツァ（ 、Bistritsa）川のドラゴヴィシュティツァ（、Dragovishtitsa）渓谷、およびリセツ（、Lisets）山まで伸びている。州南部はオソゴヴォ（、Osogovo）、ヴラヒナ（、Vlahina）、北西リラ山脈があり、その間にカメニツァ（、Kamenitsa）、キュステンディル、ドゥプニツァ平地がある。キュステンディル州は花崗岩、粘土、化石、鉱石が豊富に出土する。金属類を多く含む鉱石はオソゴヴォで、褐炭はボボフ・ドル鉱山で発掘される。粘土の堆積層はネヴェスティノ市チェテルツィ村（、Chetertsi）、ドゥプニツァ市ヤヒノヴォ村（、Yahinovo）、キュステンディル市ドラゴヴィシュティツァ村（）にある。しかし、州で最もよく知られているのは鉱泉であろう。キュステンディル、サパレヴァ・バニャ、ネヴェスティノ、チェテルツィ村には温泉がある。コチェリノヴォ市ストブ村（、Stob）には、ストブのピラミッド（、Stobski Piramidi、英語:Stob's Pyramids）とよばれる天然の奇岩群がある。キュステンディル州のほとんどの地域では内陸性の気候となっており、高地ではよりその傾向が強い。州の中心的な川はストルマ（、Struma）川であり、その支流にはトレクリャンスカ（）、ドラゴヴィスティツァ（）、ビストリツァ（）、スロコスティツァ（）、ノヴォセルスカ（）、ジェルマン（）、リラ（）といった川がある。地下水位は比較的高い。キュステンディル市カメニチカ・スカカヴィツァ村（、Kamenichka Skakavitsa）では、ゴレミ・ドル（Golemi dol、）川が落差70メートルの滝となって流れ落ちている。デャコヴォ（Dyakovo、）、ベルシン（Bersin、）、ドレノフ・ドル（、Drenov dol）、バグレンツィ（、Bagrentsi）の川と人造湖は主に灌漑に使用されている。森林の多くは落葉性であるが、針葉樹も存在する。ガブラ（、Gabra）自然保護区はヨーロッパクロマツ（"Pinus nigra"、）の原生林である。州都のキュステンディルは州南部のキュステンディル平地に位置している。キュステンディル市全域での面積は923平方キロメートル、人口は73,346人をかぞえ、うち51,300人はキュステンディル市街に住んでいる。キュステンディルへは、マケドニア共和国のスコピエとブルガリアのソフィアを結ぶスコピエ-ソフィア幹線道路が走っており、セルビアからはニシュからニシュ-ボシレグラード-キュステンディル幹線道路が、ドゥプレニツァとキュスティンデル間を結ぶ街道はイスタンブールとアドリア海地方を結ぶ歴史的な交易路の一部を形成している。キュステンディルは歴史、環境、文化遺産の保存に努めてきた。現在ではブルガリア28州のうちのひとつであるキュスティンデル州の中心都市となっており、今後は文化観光、および温泉保養リゾート施設の開発に力を入れる見通しである。キュステンディルは温泉の町であり、多くのレストランと5つ星のものを含む3つの大きなホテル、鉄道駅、バス・ターミナルがある。また、多くの店が地元の産品を売っている。冬季には雪が降り、町のすぐ近くでスキーを楽しむことが出来る。ソフィアから自動車で1時間という地理的条件にも恵まれた観光地となっている。周辺の地方でも自然環境はよく保存され、温泉リゾート、そして冬季にはスキー・リゾートを楽しむことができる。また、世界遺産に登録されているリラ修道院がある。

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