『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』(ファントム -ファントム オブ インフェルノ-)は、2000年2月25日にニトロプラスが発売した18禁ハードボイルド系アドベンチャーゲーム。2002年に全年齢対象のDVD-VIDEO GAME版、2003年にPS2版が発売された。2004年11月19日には、オリジナルに全年齢対象版で追加・修正されたシナリオ・グラフィック・楽曲をフィードバックし、ゲームエンジンをShockwaveからニトロプラスオリジナルのものに変更した『Phantom INTEGRATION』(ファントム インテグレーション)が発売された(18禁)。2004年に『Phantom -PHANTOM THE ANIMATION-』というタイトルでOVA化され、2009年には『Phantom 〜Requiem for the Phantom〜』というタイトルでTVアニメ化された。2012年10月25日、Xbox 360にてキャラクターデザインと声優をTVアニメ版に基づいた形で再リメイクされた。当初は2010年夏発売予定だった。なお、ニトロプラスにとっては本作が設立後初めてのコンシューマゲーム機ソフト単独開発作品となる。2013年8月30日、Xbox 360版を元にしたWindowsXP/Vista/7/8版が発売された。合衆国全土を震撼させた、マフィア幹部連続殺害事件。実行犯と目される謎の暗殺者「ファントム」は、現場に一切の物証を残さないためにその犯人像を特定できず、事件解決の目処は一向に立たずにいた。そんな中、観光で一人アメリカを訪れた日本人の少年が、とある事件を偶然目撃したために拉致されてしまう。目覚めると、目の前にアインと名乗る一人の少女がいた。少年は彼女から殺し屋となるよう告げられる。「声」については DVD-PG版・PS2版 / OVA / テレビアニメ・Xbox 360版 の順とする。なお、オリジナル版および『INTEGRATION』には声はついていない。この作品には、有名な映画を彷彿とさせる場面やシチュエーションが数多く含まれており、中にはそのままの形で引用しているものもある。虚淵玄は雑誌のインタビューでこれらの作品名を挙げ、オマージュであると語っている。当初は「幽霊もの」だったが、のちに「暗殺者」を主人公にした企画に変更される。関連書籍「Phantom PHANTOM OF INFERNO Perfect Graphics」によれば、本作自体は1996年にLeafから発売された『痕』の特異性(本作同様当時のアダルトゲームの流行ではなく、シナリオの方向性で完成されている点)に影響を受けている。開発は売れるかどうかも分からない状況で行われ、昼間は受託の仕事、夕方から本作品の開発という状態が1年半続いた。プロモーションも手探りで、美少女ゲームのユーザーが情報を集める手段を探した結果、銃の雑誌に広告を出すこととなる。ゲーム中の効果音はフリーの素材を加工して使っている。また、ロスでのロケハンはしておらず、あくまで「日本人から見たロサンゼルス」ということらしい。作中に登場するフェラーリF40だが、実はロスなどで販売されている北米仕様ではなく、ヨーロッパ仕様のもの。北米仕様ではフロントバンパーに黒いラバーが貼ってあり見栄えが悪いという理由で、ヨーロッパ仕様を登場させたとのこと。また、フェラーリF40のエンジン音はさまざまな車のエンジン音を合成して作成されており、実車の音は使用されていない。シナリオライターによると、社長の許可を得て好き勝手に書きゲームを出したが全く売れず、社長は頭を抱えシナリオライターは首を覚悟したという。この不振は、同社が元々一般向けのソフトウェア制作会社であり、18禁ゲームに関するノウハウやマーケティング戦略をほとんど持っていない事が原因であった。初期のスタッフは「今思えば、美少女ゲームの広告に"テキスト量は原稿用紙1000枚以上"や"銃器を3Dモデリングで再現"などとキャッチコピーを付けていたのは勘違いで的はずれな事だったが、当時はそれが格好良いと思っていた」と後に語っている。また、発売当初ニトロプラスがソフ倫に加盟しておらず、販買経路が限られた事も一因とされる。客層が被らないように思われるGun誌などのミリタリー系雑誌に本作の広告が掲載されていた時期もあった。後にアームズマガジンなどでは本作の武器特集が組まれる事となる。発売日には体験版を無料で配ったが、無名すぎてほとんど貰ってもらえなかったという(ジョイまっくす談)。DVD-PG版のCMは、ユーザー層が近いとされるテレビアニメ『ノワール』の宣伝枠で流された。なお、同作品と本作品は、設定やキャラクター、雰囲気に似ている部分があることを指摘されている。目標の2万本に対し受注は2千本で、初週で売上の70%が決まるとされる美少女ゲーム界においては「うなだれるしか無い数字」だったが、パソコン通信サービス「ニフティサーブ」や、出来たばかりの巨大掲示板群「2ちゃんねる」などネットで話題を集め、2万本近くを販売した。その後も小説、PS2、OVA、テレビアニメと他媒体にも広がっていった。DVD-VIDEO GAME版は2万8千本のヒットとなった。シリーズ累計では15万本を販売している(2009年1月現在)。芥川賞作家の長嶋有は、本作のシナリオを「志は大いに感じました」「(フェラーリ・F40に)あたかも試乗しているような臨場感があり、とても感情移入させられた」と評価している。発売の前年にコミックマーケットにおいても体験版を配布しているが(内容は製品版と異なる)、この体験版を受取った中に『ブラック・ラグーン』の作者広江礼威がおり、その内容に興味を持ったことから、2008年に同作品のノベライズを本作品のシナリオライター虚淵玄が担当することになった。
出典:wikipedia
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