仮設住宅(かせつじゅうたく)は、地震・水害・山崩れなどの自然災害などにより、居住できる住家を失い、自らの資金では住宅を新たに得ることのできない人に対し、行政が貸与する仮の住宅。日本の行政用語では「応急仮設住宅」。略称は仮設。大正関東地震(関東大震災)では多くの家屋が焼失したため、靖国神社などに仮設住宅が設置された。その後、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)、新潟県中越地震、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、福島第一原子力発電所事故でも設置されている。現在の日本では、主にプレハブ工法による、組立タイプとユニットタイプが用いられている。災害救助法の適用については、都道府県知事がその適用の適否を判断し、着工は災害の発生の日から20日以内としており、貸与期間は完成の日から2年以内と規定されている。避難生活初期には、集団で公共施設に寝泊りしている被災者は、隣人と毛布一枚・段ボール一枚で隔てられているだけの事が多い。これが長期に及ぶとプライバシーの問題やゆっくり休めない事から来る疲労が蓄積するため、これを予防するために応急的に建てられる。これら建物は、松杭の土台の上に組み立てられる。仮設住宅は公園や学校の校庭、その他様々な理由で生じている空き地に設けられ、いずれの場合も本来の居住地から遠く離れる事例も多い。2011年時点で、厚生労働省が災害救助法に準じて示している1戸あたりの標準仕様は、広さが29.7m²、価格が238万7000円となっている。それ以外の細かな仕様は、被災地の都道府県に委ねられている。1995年の兵庫県南部地震で神戸市は、被災者に対する制約軽減の一環として、ペットを連れての入居を禁止しなかった。2005年に動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)が改正され、災害時における動物救護対策の必要性が、国の方針に盛り込まれた。2011年の東北地方太平洋沖地震でも、被災地各県と地元獣医師会が連携して、被災動物の救援本部を設置した。一般的な仮設住宅は平屋建てだが、敷地不足問題や半恒久利用の面から、縦方向にも組む「コンテナ住宅」の提案も、複数の建築家から出ている。2011年6月、大島(気仙沼市の離島)などでは、アメリカ製のトレーラーハウスが、東北地方太平洋沖地震の仮設住宅の代わりとして使用されることが決まった(支援団体による20台の提供)。福島県二本松市では、ログハウスの仮設住宅が建設されている。岩手県大槌町では、ロフト付き木造仮設住宅も設置された。宮城県女川町では、平らな土地が少ない女川町に対応する為、海上コンテナを使用して日本の仮設住宅としては初の3階建構造を実現した。兵庫県南部地震では入居者が本来の居住地に関係なく割り振られた事からコミュニティが分断・消滅してしまい、高齢者を中心に孤独死も発生した。そこで、新潟県中越地震以降は元の居住地ごとにまとまって入居できるような配慮も行われている。壁や窓が簡素であることからプライバシーの問題も指摘されている。仮設暮らしは体育館などでの段ボールなどで仕切った環境よりは良いのだが、さりとて本物の一般的な住宅ほど快適というわけではなく、震災後の復興支援がうまくいかず仮設住宅暮らしが1~2年以上に及んでしまうと、仮設暮らしの環境の悪さによって健康に異常をきたす居住者の割合が次第に増えていく。だが、仮設から簡単に脱出できるかと言うと、災害で唯一の大切な住宅を失い、仕事も失い、さらにすでに高齢になっている人は、余生のために高価な住宅を新たに購入して長期のローンを組むわけにはいかず(実際にはたとえば70歳~80歳などでローン返済するために労働はできないので銀行などがローンを認めない)、結局なんら良い解決策や明るい未来が描けないままにあまり快適ではない環境である仮設住宅暮らしをつづけざるを得なくなり、精神的に閉塞感にさいなまれる人の割合が増えていく。また、年齢が若くローンを組むことができ新たな住宅を購入して仮設から出られた人でも、すでに失った住宅の分と新たな住宅の分と二重にローンを背負うことになり、過重な債務により家計が成り立たず、家庭が崩壊したり、離婚に追い込まれたりといった事態に陥るという問題も控えている。
出典:wikipedia
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