『ラストタンゴ・イン・パリ』(、)は、1972年のイタリア映画。1970年代前半の映画にして大胆な性描写(一般映画として、アナル・セックスの描写がある初の映画と言われる)が世界中に物議を醸し、本国イタリアに至っては公開後4日にして上映禁止処分を受け、日本でも下世話な話題ばかりが先行し、当時の興行成績は芳しくなかったという。反対に支持者も多く、ミッキー・ロークはこの映画の大ファンであり『ナインハーフ』を作るきっかけになったという。主演のマーロン・ブランドにとっては辛い映画であり「役者として拷問のような体験だった」と語っており、私生活でも泥沼の裁判劇の挙句敗訴という憂き目に遭った。ヒロイン役のマリア・シュナイダーに至っては波乱万丈の人生を余儀なくされ、この映画に出演した事を「人生最大の痛恨」と語っている。しかし両名の演技の評価は高く、特にブランドの中年男の悲哀感をたっぷりにじませた迫真の演技は圧倒的なものであり、本作でブランドはニューヨーク映画批評家協会賞を受賞している。当初はドミニク・サンダがヒロイン役として考えられていたが、妊娠のため降板した。映画冒頭ではフランシス・ベーコンの絵画が2点起用されており、主人公達のコスチュームデザインもベーコンの絵画から作られている。パリ・パッシーのアパルトマンの空室でうらぶれた中年男(マーロン・ブランド)とブルジョア系の若い娘ジャンヌ(マリア・シュナイダー)は単に部屋を探していた身であったが、間違って掛かってきた電話の男に刺激され、男はジャンヌを犯す。ジャンヌにはれっきとしたTVディレクターのトム(ジャン=ピエール・レオー)という恋人が居たものの、アパートで会う時は互いにただのオス・メスとして行為に更ける。やがて男には暗い過去が明らかになり、実は男には自殺した妻が居たという。男はジャンヌを牝の肉玩と見なしていたが、次第に2人の立場が逆転していき男が中年の醜い姿を晒した時、二人の間の肉欲の関係は終わりを告げる。ガトー・バルビエリが作曲、オリヴァー・ネルソンが編曲・指揮を担当した。1972年に録音、翌1973年にユナイテッド・アーティスツからリリース。 オールミュージックのリッチー・アンターバーガーは「スモーキーなサックス・ソロが1970年代のフュージョンの型にはまって少々鼻につくが、ガトー・バルビエリがベルトルッチの1972年の一流映画に提供した楽曲は、総じて大成功している。サスペンスに満ちたジャズ、メランコリックなオーケストレーション、躍動的なタンゴの調べが、エロティックな切望、憂鬱な欲望、不運な運命といった映画の空気に見事にフィットしている。」と評している。 1973年グラミー賞: 最優秀インストゥルメンタル作曲賞"全曲、ガトー・バルビエリによる作曲。"本国イタリアでは上映禁止になっただけでなく、猥褻映画だとして主演のブランドとシュナイダーの両名は出頭しなければならなくなり、ポルノ裁判に掛けられ有罪になってしまった。また本国では1987年になりようやく解禁され、ビデオソフトなども発売できるようになったという。『地獄のハリウッド(宝島社)』によると、この事件がきっかけでブランドは前妻に「こんな恥さらしなセックス映画に出た人に父親の資格がない!」と言われ、全面的に親権を奪われてしまったという。
出典:wikipedia
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