


『ファイアボール』は、2008年4月より放送されたウォルト・ディズニー・ジャパン制作による3DCGテレビアニメ作品。第2期は『ファイアボール チャーミング』のタイトルで放送された(以下の記述において特筆無き場合は基本的に第1期に関するもの)。外界から隔絶された屋敷の中で、先代が残した書物で外界の事を学んでいるドロッセルとその執事ゲデヒトニスの日常を描いたコメディ作品。ディズニーで初の、日本国内で日本人スタッフにより製作されたテレビアニメ作品。テレビ放送の他にも公式サイトやYouTube等を利用しインターネットにて無料配信された、ディズニーとしては前例のない実験的な作品である。フル3Dアニメであり、1話が約2分の短編である。2006年春の段階で声優のアフレコが既に行われ、同年秋には放送できる状態で完成していた。作中には幅広いジャンルからのパロディが多く見られる。聖書や荘子、銀河ヒッチハイク・ガイド、鉄人28号、オズの魔法使い、クラリネットをこわしちゃった、競馬、山口さんちのツトム君、ハエ男の恐怖、スパイダーマン、スター・ウォーズ、マイケル・ジャクソンなど、古典からSFまでその出典元は多岐にわたる。パロディ要素を二人の会話中に多数織り込みながら、無表情な二人のロボットが繰り広げる、どこか噛み合わない会話と3DCGの滑らかな動きが中心の作品である。1話の短さに加え、数少ない登場人物であるドロッセルとゲデヒトニスは顔に目以外のパーツが存在せず表情がない事などもあり、他のディズニー作品の多くに見られる大げさな表情や身振りで感情を表現するといった演出はない。舞台は屋敷の広間に限定されていて、OPとEDで “テンペストの塔” の外観が映る以外は他の場所が画面に現れることはほぼない。したがって視聴者は登場する二人の会話から外の世界を想像するしかない。それはお屋敷から外に出たことがない主人公ドロッセルの視点でもある。最終回はディズニーチャンネルではTOKYO MXより長いディレクターカット版が放送されている。ドロッセルはfigma、ねんどろいど、SR、超合金シリーズで商品化された。なお、公式ブログ(略称「イボログ」)のロゴやイラストのデザインは、横内なおきが担当している。2011年4月から6月にかけて『ファイアボール チャーミング』のタイトルで放送された。監督・脚本は前シリーズに引き続き荒川航が続投した。フルHD制作であり、画面の情報量を増やすためキャラクターデザインも変更されている。各話冒頭の年代表示や最終回の展開から前シリーズの前日談である事が示されている。メルクール暦48650年。地球ともそうでないとも明言されない惑星において、4万8千年以上前にイルカや猿、鳥といった野生動物とそれを含む自然環境は壊滅し、人類は自らの統治をロボットに委ねていた。しかしロボットはやがて貴族化し人類はそれに抵抗を見せ始め、人類の軍隊とロボット貴族との戦争はすでに2万年に及んでいた。ドロッセルの父である故フリューゲル公爵は人類との共存を望みながら道半ばにして没する。残された一人娘ドロッセルはお屋敷のデータベースと執事ゲデヒトニスから人類とは、生命とは、そして貴族としての矜持と使命とはなにかを学びつつある。しかしお屋敷の外に一歩も出たことのないドロッセルはそのどれにもはっきりとした答えを見つけることができない。
出典:wikipedia
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