『レッド』は、山本直樹による日本の漫画作品。1969年から1972年の日本を舞台に、革命を起こすことを目指した若者達の青春群像劇。連合赤軍およびその母体となった2つの新左翼団体をモデルにしている。2006年より講談社の漫画雑誌『イブニング』にて連載を開始。2013年23号の第86話をもっていったん連載を中断。2014年5号より『レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ』として新章をスタートさせ、2016年21号まで連載。最終章が、2017年新春に開始予定。単行本は『レッド』全8巻、『レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ』既刊3巻(2016年2月現在)。2010年、第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。1960年代末から1970年代初頭にかけての、日本の新左翼運動の中で起こった事件をテーマとした作品である。何人かの主要人物を軸に、時間的経過に沿って事件の進行や当時の時代背景を淡々と叙述していく伝記的な手法がとられている。また、登場人物のその後の運命を示す文章が頻繁に登場したり、人物が亡くなっていく順に1から15までの番号が付されるなど、あらかじめ物語の先には悲劇的結末が待ち受けることが強調されている。登場人物の名前は、姓については原則として山岳名にちなんでいる。名についてはモデルとなる人物の名と同じ読みで漢字を変えている場合が多い。雑誌上でのタイトルロゴには、大きな「レッド」の文字に重ねて、小さく「Red」の英字表記と、舞台となった時代を表す「1969〜1972」の文字があるが、単行本第1巻(初版)ではタイトルロゴから「1969〜1972」の文字は消えている(※第1巻2刷以降、及び第2巻は表記あり)。本作はフィクションであるとの注意書きが連載・単行本に書かれているが、山本は「基本的にはあったことほぼそのままを描いてこうとは思っています」と述べており、本作の内容は連合赤軍事件関係者の証言をかなり忠実に再現したものとなっている。1969年、東京大学安田講堂の陥落を境に全共闘運動は勢いを失いつつあった。同じ年の夏の終わり、青森の■■大学ではバリ封(バリケード封鎖(ストライキ))が盛り上がりに欠けるまま機動隊突入、立てこもり学生の退却という結末となる。ほぼ同じ頃、外相の訪ソ訪米阻止のため「革命者連盟」の若者たちは羽田空港に侵入、「反米闘争路線万歳」「毛沢東思想万歳」を叫びながらジャンボジェット機に火炎瓶を投げつけた。革命の退潮に抗うように、ダイナマイトによる非合法のゲリラ闘争へ傾斜していく革命者連盟のメンバー。しかしリーダーである筑波を始めとして多数のメンバーが逮捕されたことで組織崩壊の危機に直面することになった。彼らは筑波を奪還するために、交番を襲撃して拳銃を奪取する計画を立てる。この作戦を契機に革命者連盟はもう一つの急進的グループ「赤色軍」との同盟関係をうち立て、いっそうの武装闘争路線へと突き進んで行く。そして月日は流れ1972年1月、赤色軍と革命者連盟の幹部は榛名ベースにて「赤色連盟」の結成を宣言。それに伴い、ベースに集結した二十数名の同志たちに革命戦士となるため、それまでの言動に対する「総括」を要求する。しかしそこで展開されたのは、「総括の援助」と称した苛烈極まる暴力であった。12月31日未明、一人の同志が榛名ベースの寒さと同志からの暴力によって命を落としたが、彼らはそれを総括できなかったための「敗北死」と受け取るのであった。果たして彼らは、どこへ向かうのであろうか。作中の重要な要素である「山岳ベース」を意識してか、あるいはあさま山荘事件の犯人メンバーが山荘内でコードネームで呼び合う際に山の名前を用いたことを意識してか、実在の人物を強く意識した登場人物の作中仮名(特に姓)はほぼ、日本国内の著名な山の名前から採られている。以下、レッド最後の60日そしてあさま山荘へ第2巻までに描かれている時期(1972年1月まで)の内容に限定する。神奈川県を拠点に活動する比較的少数の新左翼グループ(日本共産党(革命左派)神奈川県委員会に相当)。毛沢東思想に基づきゲリラ闘争路線をとるが、警察による1969年末のリーダー筑波らの根こそぎ検挙で壊滅的な打撃を受ける。またあまりにも先鋭的かつエキセントリックなその闘争路線は、大衆からの孤立を懸念する他党派からしばしば顰蹙を買っていた。しかし、1970年末に都内での交番襲撃作戦を敢行し、(結果としては失敗に終わり大きな犠牲を払ったものの)この事件により一躍新左翼内部での注目と支持を集めることとなる。合法組織は「共闘戦線」(「京浜安保共闘」に相当)。機関紙として『革命の鐘』(『解放の旗』に相当)を刊行している。ヘルメットは無地に「革」。「革命者連盟神奈川委員会」が正式名称らしいが、赤城と谷川のアジトは茨城にあり、そのことを宮浦に揶揄されている。毛沢東思想に基づく反米路線をとっており、メンバーはピンポン外交のような米中の歩み寄りを理解できないでいる。新左翼党派の一つ(共産主義者同盟赤軍派に相当)。関西で大きな影響力を持ち、関西訛りで話すメンバーも多い。1969年秋から「大阪戦争」、「東京戦争」など先鋭的な闘争を主張するが、実態は不発であり、岩木の友人からは「言うことだけはデカイ」と言われている。その後1969年末の関東地方■■■峠での武装訓練中の大量逮捕、翌年3月のリーダー石鎚の逮捕、「国際根拠地論」による主力メンバーの国外脱出などで組織は混乱し「ほぼ壊滅」とすら言われている。内部でも方針を巡る中央と地方組織の対立が顕在化する中、革命者連盟の交番襲撃作戦を高く評価し、提携関係を模索、1971年初めには合法組織である「前衛連合」(赤軍派の大衆組織「革命戦線」に相当)が、革命者連盟の合法組織「共闘戦線」と初めての合同集会を開催。更に同年2月からは「G(ギャング)作戦」と称する金融機関強盗により活動資金調達を行う。東大・京大レベルの頭の持ち主でないと入れてもらえないと言われており、革命者連盟の宮浦からは「エリート主義丸出し」と揶揄されている。メンバーへの懲罰として「禁煙禁酒」が存在し、岩木や革命者連盟メンバーからは不評を買っている。機関紙は『赤色』(『赤軍』に相当)。
出典:wikipedia
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