『仮面ライダーV3』(かめんライダーブイスリー)は、1973年(昭和48年)2月17日から1974年(昭和49年)2月9日まで、毎日放送・NET系で毎週土曜19:30 - 20:00(JST)に全52話が放送された、MBS・東映制作の特撮テレビドラマ作品。「仮面ライダーシリーズ」の第2作で、前作『仮面ライダー』の直接的な続編。TVシリーズのほか、劇場版が「東映まんがまつり」の中で公開された。仮面ライダー1号・2号の後を継ぐライダー3号・V3と、ショッカーやゲルショッカーに続く第3の組織・デストロンの戦いを描く。前作の勢いを受け継ぎ、頂点を迎えていた変身ヒーローブームの大きな牽引役を果たした作品であり、主人公の強いキャラクター性とも相まって歴代シリーズ中でも知名度が高い。視聴率も平均で関東20.2%、関西27%を記録したほか、制作局である関西圏の毎日放送ではシリーズ最高視聴率である38%を記録し、その記録はいまだにシリーズでは破られていない。オープニングにおいて、他の東映作品(『変身忍者 嵐』や『超人バロム・1』)で主演俳優(あるいはヒーローのアフレコをしている声優)がタイトルバックで作品名を絶叫するのに影響され、本シリーズでも本作品よりそれが採用されており、次作『仮面ライダーX』と『仮面ライダーストロンガー』まで踏襲されることになる。ライダー3号の登場は、「少年仮面ライダー隊の発足」「ショッカーに代わる新組織登場」と併せ、前作2年目後半の番組強化策として検討されていたものであり、当初は前作で1号・2号に協力していたFBI捜査官・滝和也がライダー3号となる予定だった。だが、先に導入された少年仮面ライダー隊が好評を得たことから3号登場案は温存され、次番組の主人公として違う人物がライダー3号として登場することとなった。新番組として立ち上げられた『仮面ライダーV3』は、1号・2号の能力を併せ持つ仮面ライダーV3と動植物に機械を加えたデストロン怪人の対決という構図により番組の強化を体現し、「26の秘密」を巡る縦軸のストーリー展開や前後編形式の導入など、ドラマ性の拡大による前作との差別化にも重点が置かれた。その一方、前作に登場していた立花藤兵衛や少年仮面ライダー隊を継続して登場させることにより、前作からの連続性も維持している。プロデューサーの平山亨による企画案では『マスクライダー』『ライダー仮面』『ライダーマン』、その後の制作会議では『仮面ライダー3』『仮面ライダーX』などのタイトルが検討されていた。仮面ライダー1号・2号の活躍によって悪の組織ゲルショッカーは壊滅し、世界に平和が戻ったかに見えた。しかし、生きていたゲルショッカー首領は密かに新組織・デストロンを結成して再び世界征服に乗り出すと、目撃者を容赦なく抹殺していた。1号こと本郷猛の大学の後輩・風見志郎はある夜、デストロンの悪事を目撃したため、命を狙われるようになる。また、そのアジトを見つけた珠純子を助けたため、怪人・ハサミジャガーが風見家を襲撃し、両親と妹は志郎の目の前で殺害される。怒りに燃えて復讐を誓った志郎はそのための力を得ようと1号・2号に自分の改造を願うが、改造人間の悲哀を誰よりも知る彼らに拒否されたうえ、デストロンの罠に落ちた1号・2号を助けようとして瀕死の重傷を負う。1号・2号は志郎の命を救うために改造手術を施し、彼を第3の仮面ライダー「V3」として復活させる。こうして、V3とデストロンとの死闘の幕が切って落とされた。以下、作品の展開に合わせてストーリーを解説する。個別に項目の存在するキャラクターの詳細は各項目を参照。ゲルショッカー壊滅後にショッカー首領が新たに結成させた「最後」の組織。ゲルショッカーを遥かに凌ぐ戦力と科学力で世界征服を企む。怪人はゲルショッカーの合成怪人をさらに発展させた機械と生物を融合させた機械合成怪人となり、何度もV3を苦しめた。後半はキバ一族・ツバサ軍団・ヨロイ軍団といった世界各地の部族と手を結び、V3と死闘を繰り広げた。各部族が操る怪人たちはショッカー怪人同様に動植物の怪人たちで構成されており、機械合成怪人とともにショッカーやゲルショッカーの怪人はもちろん、(第1話・第2話・第33話・第34話の客演状況から)ライダー1号・2号でさえも確実に圧倒する能力を持つ。組織のマークはサソリをモチーフにしている。最終決戦でプルトンロケットによる日本壊滅をたくらむもライダーマンの捨て身の行動で阻止され、さらに最終作戦であるD作戦もV3に阻止される。そして、デストロン本部を急襲したV3により首領は倒されて本部が大爆発を起こし、デストロンは壊滅した。プロデューサーの平山亨による企画案では「デストロイヤー」という名称であった。「機械合成怪人」。ゲルショッカーの合成怪人をさらに発展させた怪人。生物と道具・武器を掛け合わせた能力を持ち、そのパワーはゲルショッカー怪人を大幅に上回っている。第13話以降は幹部であるドクトル・ゲーの指揮のもと活動を行う。平山亨による企画案ではラマ密教の秘法による外科手術が基になっていると記述されていた。派手な武器を持つ機械合成怪人は人気が高まっていったが、それに伴い怪人の武器や作戦が秘密結社らしからぬ過剰に派手なものへと変化していき、これを危惧した平山は初期のショッカーのようなシンプルなイメージへ方向転換した。「キバ族」とも。キバ男爵が率いる怪人軍団。全員がキバを持っているのが特徴で機械合成怪人を凌ぐパワーを持ち、V3や1号・2号を苦しめた。「ツバサ族」「ツバサ軍団」とも。ツバサ大僧正が率いる怪人軍団。ほぼ全員が飛行能力を持っているのが特徴であり、空中戦に慣れていないV3を大いに苦しめた。「ヨロイ族」「ヨロイ軍団」とも。ヨロイ元帥が率いる怪人軍団。強固な防御力とパワーを併せ持った怪人が多いのが特徴である。これまでのデストロン怪人以上の戦闘力を持ちV3やライダーマンを苦しめた。ヨロイ軍団の後はトゲ族の登場が予定されていたが、ヨロイ元帥の続投が決まり最後までヨロイ軍団が登場することとなった。カメレオンは軟体族の怪人としてデザインされていた。デストロンの主戦力である一般兵士。白いサソリ模様の黒い全身タイツ服と、ドクロをイメージした白い模様の黒いマスクを着用する。人間への変身能力もある。常人の5倍の体力を持ち、ゲルショッカー戦闘員以上の戦力を誇る。当時の児童書によれば「頭はあまり良くない」とある。。(第3話のエピソード。デストロン戦闘員が風見に倒されマスクを剥がされ戦闘員の人間の素顔が見えている場面が実際に存在する)ショッカー時代と同様、デストロンバックルにはショッカー同様、自爆機能が内蔵されている1話での本郷の模擬葬儀など、儀礼の際には黒ずくめの三角頭巾に長衣を着用するのが常である。ツバサ大僧正配下の戦闘員はこの装束の袖に長いフリンジをつけていて、空を飛べる。マスクの白い縁取りの目の部分が尖っていないタイプの戦闘員もいる。左肩の部分のデザインが通常と異なる(リーダ格)戦闘員も存在する。腰にはカッターナイフなどや毒矢、銃等の飛び武器を装着している場合がある。用済みとなった(もしくは古くなった)戦闘員は処刑されたり、怪人などの実験台にされたりする。青年・中年問わず能力のあるものはごく普通の男性が改造され、デストロンに拉致された男性が戦闘員に改造され・脳改造されるなどして洗脳されている。改造の際は改造液を体内に注射し戦闘員化させる(洗脳して戦闘員化させデストロンに服従させるパターンもあり。(第3話など))放送開始前の第1回撮影会では、ブーツが黄色であった。『V3』制作当時の生田スタジオは多数の作品を手がけるようになり、監督陣は流動的であった。メイン監督の山田稔は第31話・第32話と第41話・第42話も担当する予定であったが、実際には第27話・第28話を最後に『イナズマン』へと移動した。奥中惇夫は第3話・第4話を担当したのみで『ロボット刑事』へ、前半のローテーションを担った田口勝彦は『どっこい大作』へとそれぞれ移動している。後半は『ロボット刑事』を終えた内田一作がメインを務めた。第9話・第10話の脚本は、『不良番長』シリーズの監督である内藤誠とその助監督である佐伯俊道が共同執筆した。内藤は息子が仮面ライダーのファンであったことや、テレビドラマ『ゴールドアイ』で宮内洋がゲスト出演した回の監督を務めていたことなどから、プロデューサーの平山亨や阿部征司に執筆を申し出た。第49話の脚本は助監督の長石多可男が担当した。このストーリーは、長石が他の助監督らと生田スタジオに泊まりこんだ際に酒の席で挙がった話が基になっている。撮影の川崎龍治と照明の太田耕治は、記録の女性とセクハラ問題を起こしたとして謹慎となり、番組後半ではクレジットから外されている。この件について川崎は、事実無根のため当時は反発したが、後年では生田スタジオ所長の内田有作が休暇を与えてくれたものと考えるようになったという。※参考文献:『仮面ライダー大図鑑(3)』(バンダイ・1991年)、『仮面ライダーV3大全』(双葉社・2001年)オープニングとエンディング同様、作・編曲はすべて菊池俊輔。「デストロン讃歌」、「V3のマーチ」、「V3アクション」、「仮面ライダー讃歌」の冒頭には効果音とセリフが入っている。ライダーマンのテーマ「ぼくのライダーマン」は本作品の劇中でも使用されたが、『仮面ライダーV3』のLPレコード(KKS-4076)はすでに発売されていたため、次作『仮面ライダーX』のLPに収録された。各キャラクターの詳細などについては、登場人物の節や各登場人物の項目(風見志郎や結城丈二など)を参照。いずれも東映ビデオより発売。本作品が制作されていた時点で、原作者石森章太郎による漫画版『仮面ライダー』の連載はすでに終了しており、原作者自身による本作品のコミカライズ作品は存在しない。他方、放映当時から石森プロ所属の漫画家を中心に、多くの作家によるコミカライズは行われている。発売元は東映ビデオとバンダイナムコゲームス(旧バンダイレーベル、旧バンプレストレーベル)による。
出典:wikipedia
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