ハッド刑()とは、イスラーム刑法においてクルアーンに刑罰の内容が明記された(と法学者により解釈されている)刑罰のことをさす。このため固定刑とも呼ばれる。刑罰の内容が身体刑であることから「ハッド刑=手足の切断刑」と誤解されていることも多い。ハッド刑には以下のようなものがある。などを含む。そのため現代においてハッド刑を施行しているイラン、サウジアラビアなどいくつかの国は、国際社会から人権侵害として強い抗議を受けている。ただし、クルアーン第5章第39節を根拠として自首した者への減刑措置なども定められている。現在ではハッド刑の適用に厳格な規則が定められており、適用事例は極めて少数になっている。ハッド刑が適用されるには以下の条件を満たしている必要がある。イランでは法定刑罰として窃盗犯に対して初犯で4本の指の切断、2回目で左足の指の切断、3回目で終身刑、4回目で死刑が科されるとされると定められているが、実際に執行された事例は稀で、実際の窃盗犯にはタージール刑として5年以下の懲役刑が科されている。サウジアラビアでも同様の刑罰が法定刑罰として存続しているが、実際に腕の切断が実施されるのは年に数件であり、ほとんどの窃盗犯にはタージール刑として5年以下の懲役刑が科されている。ただし、厳格なイスラム的な法適用を行うことを自国民にアピールする目的で過激な刑罰を行うと主張されることが多く、欧米メディアで過剰に取り上げられることがある。2008年には海賊版ソフトなどの著作権侵害行為にもハッド刑が適用できるとするファトワーが出されたが、実際に刑罰が執行された事例は無い。12イマーム派などではハッド刑が行えるのは12イマームが健在だった時代までであり、現在では行うべきでないとする意見が主流となっており、ハッド刑を否定する宗派も多い。
出典:wikipedia
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