Microsoft IME(マイクロソフト・アイエムイー)は、マイクロソフトが開発したインプットメソッド(IME)である。MS-IME(エムエス・アイエムイー)と略されることがある。IMEは、Windowsのインプットメソッド全般の一般名称である。日本語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語など、入力できる言語ごとにMicrosoft IMEが存在するが、ここでは日本語入力システム(日本語IME)としてのMicrosoft IMEについて述べる。初代MS-IMEはエー・アイ・ソフトが開発した日本語入力システムWX2 for WindowsのOEMであり、Microsoft Windows 3.1(マイクロソフトから発売されたパッケージ版と日本IBM製以外のPC/AT互換機のプレインストールモデルのみ。セイコーエプソン製EPSON PC版は同仕様ながらエー・アイ・ソフト側の名称で「WXA-WIN」として添付)およびMicrosoft Office 4.2、Microsoft Word 6.0に標準添付されていた。また、WX2 DOS版をベースにしたものがMS-DOS 6.2/VならびにWindows 9x系にも添付された。その後、WX3をベースに開発された"Microsoft IME 95"がOSのWindows 95に標準搭載された。その後もオフィススイートのMicrosoft Office、Microsoft Wordなどに標準添付され、日本語入力システムにおけるシェアはこれらに伴って拡大した。WindowsやMicrosoft Officeのメジャーバージョンアップに歩調を合わせるかたちでMicrosoft IMEのバージョンアップが続けられており、辞書の改良やプログラムの開発・改良など、変換精度や操作性の向上が進められている。ただし、2007では変換エンジンの変更などから使い勝手に問題が生じ、「改悪されている」という不満の声も上がった(後述)。2010年6月には2007の後継版Microsoft Office Input Method Editor 2010が正式リリースされたが、マイクロソフトは2010年4月22日、この最新版IMEを家庭用Office 2010の発売される6月17日から、XP以降のMicrosoft Office正規ユーザー向けに無償提供することを発表した。Windows 7までは、標準で付属しているMS-IMEは、Officeに付属しているものに比べて若干機能が制限されていた。名称もOfficeに付属しているものとは異なり、Microsoft Input Method Editorとなっている。Windows 8からは、IME 2012が搭載され、機能と性能もOffice IMEを踏襲したものとなった。一度確定した文字列を未確定に戻したり再変換する機能が"Microsoft IME 98"から導入された。Windowsと緊密に連係したMicrosoft IMEならではの機能と言えるものだったが、その後ATOKなどの競合ソフトも同様の機能を搭載している。再変換機能はMicrosoft IMEだけでなくアプリケーション側も対応している必要がある。メモ帳などWindows 98以降のアクセサリやMicrosoft Office製品を始めとする大多数のソフトで利用できるが、依然として非対応のソフトも存在し、そうしたソフト上で再変換を行うと文字化けしてしまう場合があることが報告されている。"Microsoft IME 2002"以降から、新しい入力方法として「ナチュラルインプット」が導入され、文節の区切りなどを意識せずに入力できるようになった。また、マイクをパソコンに接続することで音声認識により日本語文字入力をすることも可能となっている。ただし、ナチュラルインプットの対応アプリケーションはMicrosoft Officeなど一部製品に限られる。またナチュラルインプットでは自動的に前後の文字列を未確定に戻して変換を行うため、再変換機能が前提にあって実現した機能である。なお、ナチュラルインプットに対して従来の入力方法を受け継ぐものは「IME スタンダード」という名称になっている。Officeアプリケーションを使用しているうちにIMEスタンダード・ナチュラルインプットが勝手に切り替わってしまう現象が多く見受けられる。これはデフォルトでは「Ctrl + Shift キー」が「入力方法を切り替える」ショートカットキーに設定されており、隣り合ったキーの組み合わせであることから誤って押してしまいがちなためである。これに限らずMS-IMEは、初期設定状態でショートカットキーに(それも多くのユーザーの利き手とは反対側に)各種の入力モード切替機能が割り振られているため、タッチタイピングに習熟していないとキー押し間違いによる意図せざる入力モード切替が多発する。これらは言語のプロパティ(Windowsのコントロールパネル)からショートカットキーを変更または無効にすることで対処できる。ナチュラルインプットの操作性になじまないユーザーが多い上、勝手に切り替わる現象によるストレスを味わう場合もあることから、ナチュラルインプットの評価は概ね低く、ナチュラルインプットは "Microsoft IME 2003" を最後に廃止された。MS-IME 97から導入された文字コード一覧からの選択、ソフトウェアキーボード、手書き入力などの拡張入力ツールの総称。当初から機能は大きくは変わっていない。Microsoft IMEの日本語変換精度に対する満足度は、必ずしも高いとは言えない。コンピュータの性能によっては入力時の反応が鈍いことや、導入されている全てのコンピュータ上で共通することとして変換効率の悪さなどが、問題として指摘され続けている。これらの問題は生産性の悪化につながることから、ATOK等の他の日本語入力システムを個人的または会社・団体で導入する例も見られる。なお、Microsoft Office 2003に初めて実装されたフィードバック機能を使えば、最新の流行語や時事関連用語などを一発で変換できるようにはなるが、前述の通り変換精度自体が向上するわけではない。マイクロソフトは、Office IME 2007に関しては不具合を認め、不具合を修正するプログラムを配布した。後継版であるOffice IME 2010は、寄せられた大量のフィードバックを基に改良を施し、安定性や実行速度、変換精度など基本性能の向上に注力したとしている。その後のWindows 8に標準搭載されたMicrosoft IME 2012にも、Office IME 2010の機能が受け継がれている。変換精度はバージョンアップごとに若干の改良はあるものの、学習機能に癖があり、特に2008年ごろ、誤変換の増加を指摘する声があった。これは、長文(連文節)の一括変換を重視しているためである(故に、長文一括変換の精度は高い)。とはいえ、著名な商用IMEで、長文(連文節)の一括変換志向が薄いのは、富士通のJapanistくらいしかないため、この点は特に不思議ではない。Microsoft IMEの傾向として、単語や単文節変換の多用と、それらに対するバックスペースによる変換候補の修正を多用すると、誤学習の傾向が強くなるというものがあった。特にOffice IME 2007はこの傾向が極端になっている。その理由として「IMEの開発の主体が中国にシフトしており、日本の開発陣が手を出せない」という噂があがったが、マイクロソフト側はそれを否定し、問題の原因は新規開発されたエンジンのチューニング不足に起因するものと説明している。
出典:wikipedia
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