供託(きょうたく)とは、提供寄託の意味で、法令の規定により、金銭、有価証券、その他の物件(供託物)を供託所(法務局、地方法務局等)その他の者に寄託すること。供託の手続は供託法等に定められており、司法書士がその専門職である。弁済供託(べんさいきょうたく)とは、弁済者(債務者又はこれに代わって弁済をすることができる者)が、債権者のために弁済の目的物を供託することによって、債務を免れるための制度。民法第3編第1章第5節第1款第2目「弁済の目的物の供託」に定められている。弁済供託をすることができる場合(供託原因)は、次の2つの場合である。なお、商事売買における特則についてに定めがある。また、荷受人を確知することができない場合の運送人の供託権についてに定めがある。弁済供託の内容は、本来の債務と同一内容でなければならないから、債権額の一部の供託では、供託した部分についても弁済供託の効力を生じない。弁済供託は、債務の履行地の供託所にしなければならない(1項)。供託所となるのは、金銭及び有価証券については法務局・地方法務局等であり()、それ以外の物品については法務大臣の指定する倉庫営業者又は銀行である()。供託所に供託することができない場合は、弁済者は、裁判所に供託物保管者の選任を請求することができ、その供託物保管者に対して供託することができる(民法495条2項)。供託所の指定及び供託物の保管者の選任の事件は、債務の履行地を管轄する地方裁判所の管轄に属する(非訟事件手続法94条1項)。供託者は、供託をしたときは、債権者に対して、遅滞なく供託を通知しなければならない(民法495条3項)。実際には供託の際に供託通知書を添付してその発送を請求する(#供託の手続)。有効な弁済供託がされると、債務が消滅する(民法494条)。担保供託(たんぽきょうたく)又は保証供託(ほしょうきょうたく)とは、後の支払を確保するための担保としての供託をいう。営業保証供託とは、営業者の営業活動により生じる債務ないし相手方の損害を担保するために、営業者が行う供託である。営業保証供託は、法令の規定(宅地建物取引業法、旅行業法7条、割賦販売法16条等)により担保を供すべきものとされている場合に限り許される。裁判上の保証供託とは、訴えの提起、強制執行の停止若しくは続行、仮差押え・仮処分の執行又は取消し等、当事者の訴訟行為や裁判上の処分により相手方に生ずる損害を担保するための供託である。裁判所の裁判(命令)によって担保の額、期限等が定められ、これに基づいて供託をする。裁判上の保証供託がされたときは、被供託者は、供託物の上に質権者と同一の権利を有する(、2項、2項)。担保取消決定(、民事執行法15条2項、民事保全法4条2項)がされたときは、供託者は供託物の取戻しを請求することができる。税法上の保証供託とは、国が、後の税の納付を確保するために担保を提供させるものをいう。これらの場合に国債、地方債、社債等の有価証券、金銭を担保とする場合には、これらを供託すべきものとされる(国税通則法施行令16条1項)。執行供託(しっこうきょうたく)とは、民事執行手続において、執行機関又は当事者が執行の目的物を供託することをいう。保管供託(ほかんきょうたく)とは、他人の物を直ちに処分することができないときに、一時保管する供託をいう。没取供託(ぼっしゅきょうたく)とは、一定の場合に供託物に対する供託者の所有権を剥奪して国又は地方公共団体に帰属させることを目的とする供託である。供託の手続については、主に供託法及び供託規則(昭和34年1月17日法務省令第2号)に定められている。供託の申請をするためには、所定の書式によって供託書を作成し、供託物(金銭又は有価証券)を添えて供託所に提出する(供託法2条、供託規則13条)。弁済供託、裁判上の保証供託、選挙供託など、被供託者(供託の相手方)が供託時に決まっている供託の場合は、供託書に被供託者の住所・氏名を記載しなければならない(供託規則13条2項6号)。一方、営業保証供託、第三債務者の行う執行供託など、最終的には被供託者(還付請求者)が確定するものの供託時には確定していない供託や、保管供託など、被供託者が存在しない供託の場合は、被供託者の記載をする必要はない。弁済供託など、供託者が被供託者に供託の通知をしなければならない場合には、供託者は、供託官に対し、被供託者に供託通知書を発送することを請求することができる(供託規則16条1項)。現金取扱庁の場合、供託官は、供託を受理した時点で被供託者に供託通知書を発送する(供託規則20条2項)。非現金取扱庁の場合、供託官は、日本銀行から供託物受領証書の送付を受けた時点で、被供託者に供託通知書を発送する(同18条3項)。供託がされたときは、供託の種類によって、供託者又は被供託者が、供託所に対し、供託物の払渡し(はらいわたし)を請求することができる。このうち、供託者が払渡しを求めることのできる権利を供託物取戻請求権(きょうたくぶつとりもどしせいきゅうけん)といい(供託法8条2項)、被供託者が払渡しを求めることのできる権利を供託物還付請求権(きょうたくぶつかんぷせいきゅうけん)という(同条1項)。払渡しを受けるためには、供託所に供託物払渡請求書を提出する(供託規則22条)。これには、取戻請求権又は還付請求権を証明する書面を添付しなければならない(同24条、25条)。供託官は、供託金の払渡しの請求を理由があると認めるときは、供託物払渡請求書に払渡しを認可する旨を記載して押印し、小切手を振り出して交付する。小切手に代えて、日本銀行を通じた隔地払い、預貯金振込み又は国庫金振替の方法で払渡しを受けることもできる(供託規則28条)。供託者は、次の場合に供託物を取り戻すことができる。被供託者は、供託物の取戻しがされるまで、その権利を証明することによって、供託物の還付を請求することができる(供託法8条1項)。ただし、執行供託で配当が行われる場合には、裁判所が供託所に支払委託書を送付するとともに、債権者に証明書を交付するので、払渡しを受けようとする債権者は供託物払渡請求書にこの証明書を添付しなければならない(供託規則30条)。
出典:wikipedia
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