キレる17歳(キレるじゅうななさい)とは、2000年およびその前後に相次いで発生した凶行を起こした、17歳前後(1981年から1985年生まれ)の少年を指した語。特に1982年生まれの少年凶悪犯がこう呼ばれた。また、この「キレる17歳」と同世代の者が「キレる17歳世代」「理由なき犯罪世代」「酒鬼薔薇世代」などと呼ばれることがある。2000年に相次いで発生した世間で注目された凶行の犯人が17歳前後で、1998年の栃木女性教師刺殺事件以後に青少年に浸透していた「キレる」という語からマスコミが流行らせた。1982年生まれのある女性は、酒鬼薔薇事件が起きた際、学校で「同級生の犯罪」について作文を書かされたという。また、1982年生まれが中学生の時は、いじめが社会問題となっていた。2000年に世間から注目される少年事件が多発したことにより、少年犯罪の厳罰化を意図した少年法改正案が2000年11月28日に成立して2001年4月1日から施行された。2000年の流行語大賞候補に「一七歳」がノミネートされ、トップテン入賞となった。また、2001年にはこの年代にスポットを当てたテレビ朝日系ドラマ「R-17」が放送された。18歳未満の犯罪は少年法第51条において、死刑に該当する犯罪は無期刑への減刑にしなければならず、無期刑に該当する犯罪は10年から15年までの有期刑への減刑ができると規定されている。2001年3月31日までの少年法の規定では、18歳未満に無期刑に該当する犯罪は懲役15年までの有期懲役に減刑しなければならなかった。その後、2008年に発生した秋葉原通り魔事件、2012年に発生したパソコン遠隔操作事件、2014年に被疑者が逮捕された栃木小1女児殺害事件で、被疑者が1982年生まれであったことが注目され、メディアに取り上げられた。実際には未成年による殺人事件などの重犯罪発生件数及び10歳から20歳未満の少年人口10万人当たりの殺人事件などにおける少年刑法犯検挙人員比率を年次別の統計で観た場合、2000年に目立った少年犯罪の増加は見られない。新潟青陵大学大学院の碓井真史(犯罪心理学)も「統計を見ても、82年生まれに犯罪者が多いというわけではない。殺人など凶悪犯罪の件数は年々減っているわけで、82年世代の事件に、たまたま印象に残るものが多いというだけ」と語っている。碓井真史は1982年生まれの犯罪が注目されやすいことについて、「82年世代は高度成長期が終わり、豊かで合理的な時代に生まれた人たち。容疑者に共通するのは、もともとは優秀だったこと。優秀な人たちが合理的な時代に適合できず、何らかの理由で挫折し『こんなはずではなかった』という思いが、犯罪に走らせている」と分析し、1982年生まれの犯罪が注目されることが多いことについて「犯罪心理学の調査で、猟奇殺人や快楽殺人、親殺しなどは教育水準の低い貧困地域ではなく、先進国の中流層で起きることが分かっている。合理的で豊かな社会環境だからこそ、一般には理解しがたい凶悪事件が起きている」と語っている。臨床心理士の矢幡洋は「犯罪傾向を持った人はどこの世代でもいる」としつつ、「同じ年ということで、他の世代よりも酒鬼薔薇事件を意識せざるを得ない。西鉄バスジャック事件の取材をした際、元少年は『あんな風に騒がれてみたい』と日記につづるなど、悪い意味でライバル心を持っていた。いざ犯罪を起こすときに、史上まれに見る大事件を比較対照にして、自己顕示欲が強まり、あれよりももっと派手に騒がれてみたい、巧妙にしたいと、必要以上に事を大きくしてしまう可能性がある」と、1982年生まれは酒鬼薔薇事件の影響を大きく受けていると指摘している。また、パソコン遠隔操作事件の被告の弁護士も、「被告は酒鬼薔薇事件や秋葉原通り魔事件に関心を持っていた様子だった」と話している。さらに、土浦連続殺傷事件で死刑を受けた元死刑囚も、秋葉原通り魔事件の模倣犯とされている。豊川市主婦殺人事件と岡山金属バット母親殺害事件と宇治学習塾小6女児殺害事件の加害者はアスペルガー症候群、神戸連続児童殺傷事件の加害者は注意欠陥・多動性障害である。こうした脳の発達障害が事件の直接の原因となったか否かは意見が分かれるが、いずれの障害にも情緒面の発達の遅れや自制心の弱さという特性がある。特別支援教育が必要な子供たちへの早期からの適切なケアが必要とされている。ただし、発達障害の人における有意な犯罪率の上昇は認められておらず、個々のケースでは事件に何らかの影響を与えた可能性はあるかもしれないが、特定の事件を取り上げて「発達障害だから事件を起こした」とする論調は大変危険である(広汎性発達障害#犯罪との関係も参照)。
出典:wikipedia
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