『バンパイヤ』は、手塚治虫が『週刊少年サンデー』(小学館)及び『少年ブック』(集英社)に連載した漫画作品。特撮テレビ番組化もされた。第1部は『週刊少年サンデー』にて1966年第23号から1967年第19号まで連載された。手塚治虫本人がこれまでになく重要な登場人物となっているという特徴がある。第2部はテレビドラマ放映開始時にメディアミックスとして、『少年ブック』にて1968年10月号から1969年4月号まで連載されたが、掲載誌の休刊により未完に終わった。主人公の少年である立花特平(通称トッペイ)は、月が出ている時に感情が高ぶると狼に変身する「狼男」であった。木曽の山奥の集落でバンパイヤの「夜泣き一族」として母と弟のチッペイと暮らしていたが、行方不明の父親の探索とアニメーターになりたいという夢を持って村から抜け出し、手塚治虫の下(虫プロダクション)で働くことになる。だが、ある夜手塚治虫に正体がばれてしまう。手塚は、親友で怪奇現象の研究家でもあった熱海教授に相談するが、教授はトッペイを研究しようと無理やり狼に変身させ、逆にトッペイに追われてがけから落ち、事故死してしまった。悪魔のように知的で冷酷な少年ロック(間久部緑郎)は、その様子を目撃し、世界を支配しようという野望のために事件を楯にトッペイを利用しようとする。トッペイとロックの確執。さらに、動物に変身するという理由だけで化け物扱いされ、人間たちに迫害され続けてきた一族の復讐を果たし、新たにバンパイヤの支配する世界を作るため蜂起するバンパイヤたち。そこにロックが絡み、事実上の主人公として描かれていく。ロックは、3人の老婆の占い師から、「世界の支配者になれる。人間にも動物にも倒されることはない」と予言され、それを信じて悪事を重ねたのである。トッペイは変身してロックを襲うが、古井戸に落ちてロックに助けられ、いやいやながら命の恩人ロックの命令を聞く羽目になってしまった。ロックは、なんと孤児であった自分を引き取ってくれた恩人である大富豪大西氏の娘ミカを誘拐して身代金を強奪することを計画、トッペイにミカの誘拐を手伝わせる。ロックに命令され、警視庁の下田警部の追跡も振り切って身代金を奪い、指示された寺院に逃げ込んだトッペイは、そこで父とその助手の岩根山ルリ子に出会う。父の立花博士は、世界中のバンパイヤを結束し、人間からの不当な抑圧から解き放つための「バンパイヤ革命」を計画していたのだった。トッペイを追って来た警官隊の銃撃を受け、父はトッペイの身代わりになって死に、トッペイとルリ子は脱出する。手塚治虫はロックが山口県の秋吉台で大西ミカを殺害するのを目撃するが、逆にロックに追われて鍾乳洞に逃げ込み、バンパイヤたちの集会場に迷い込む。バンパイヤたちが革命のために会議を開いていたのだ。ちょうどルリ子に連れられてきたトッペイのおかげで手塚は釈放されるが、途中で再びロックに出会い、自動車に乗せられたまま谷底へ落とされる。さらにロックは、自分が大西家の財産を譲られることを知り、大西夫婦を交通事故に見せかけて殺害してしまった。その上、彼をバンパイヤだと信じる岩根山ルリ子を通じてバンパイヤたちをも味方に付け、自分の屋敷を改造して彼らの基地に提供する。トッペイは、そんなバンパイヤたちの行き方に反対し、ロックを下田警部に告発するが、ロックは警部をも殺してしまった。警部の死に際にロックのことを聞いたおじのヒゲオヤジは、早速ロックを追い始める。ロックは、丸薬状で飲み込むと体内で爆発する丸薬爆弾で政府要人を爆殺し、いよいよ野望の成就に乗り出した。彼の悪事に気付いた唯一無二の親友の西郷は監禁されてしまう。だがヒゲオヤジはロックを追って海外にまで飛ぶ。一方、死んだと思われた手塚治虫が生還した。死ぬ直前にバンパイヤに助けられ、「マッドPA(パー)」という、熱海教授が発明した謎の薬品のありかを尋ねられたというのだ。手塚はトッペイと共に廃屋となった熱海教授の屋敷に行き、マッドPAの資料を探し出した。そしてテレビでバンパイヤ革命の秘密を明かす。その存在を知られてしまった日本のバンパイヤは、ついにバンパイヤ革命を開始した。バンパイヤ革命で日本全土がバンパイヤの支配下に落ちたある日、手塚治虫はトッペイらの協力で極秘にマッドPAを完成する。それは、変身したバンパイヤを本物の動物に変えてしまう作用があった。本心ではバンパイヤを支配して世界の王者になろうともくろんでいたロックは、手塚たちからマッドPAを奪おうとするが、ヒゲオヤジとの戦いに敗れて捕らえられる。ヒゲオヤジはバンパイヤの幹部たちをマッドPAで全滅させた。計画が挫折したロックは脱走し、監禁していた西郷の下に走るが、西郷の諫言にカッとなり西郷を射殺、彼に変装して逃げようとするが、トッペイたちに追われ、さらに無数の幽霊や妖怪の幻覚に襲われて海に飛び込み、姿を消した。そして全ては終わる。第1部で姿を消したと思われていたロックがウェコ(人間に変身する猫のような姿をした動物)を利用し、再び世界征服をたくらむ。江戸時代に現れた化け猫(ウェコ)の逸話やトッペイとウェコの出会い、インドの山猫少年(正体は人間の姿になったウェコ)などのエピソードを織り込みながら展開する。ロックはウェコを大富豪の桧山家の息子に変身させ、本物とすり替えて財産を乗っ取ろうとする。しかし、正義感に目覚めたウェコにロックが洞窟の奥の池に引きずり込まれそうになるところで物語は未完に終わる。1968年10月5日から1969年3月29日までフジテレビ系で全26話が放送された、実写とアニメの合成のモノクロ作品。バンパイヤの変身シーンと変身後の動物形をアニメーションで描いている。水谷豊の事実上のデビュー作である。パイロット版の制作は放映前年の1967年春から開始され、約8分半のカラー版パイロットフィルムが作られたが、予算の関係でモノクロ制作に変更され、同年5月ごろから第1話の撮影が始まった。しかし、放送局やスポンサーの獲得に難航したことや、バンパイヤの故郷「夜泣き谷」の設定にテレビ局側からクレームが付き、第1話が三度にわたってリテイクされることなどの騒動に見舞われ、全26話完成から半年後にようやく放映が開始された。原作者の手塚治虫も実名で登場するため、当時の虫プロダクションの様子がうかがえるのも見どころである。原作では秋芳洞でロックに殺されてしまう大西ミカや心を入れ替えたバンパイヤ同盟及び岩根山ルリ子がテレビドラマ版では最後まで生き残り、下田警部の最期が夢の国のバンパイヤの仕組んだ罠にはまる、原作では結末で起こるバンパイヤ狩りがテレビドラマ版ではロックのために物語中盤で起こり、日本政府によるバンパイヤ弾圧が描写されてトッペイが囚われる、西郷が登場しないなど、設定が原作とは若干変更されている。また、撮影が予定より延びたため、俳優との契約上のことや上記のようなテレビ放送上の制約から、変更された部分もあった。さらに、脚本監修の福田善之の降板によって第19話からは上記のように人間と和解したバンパイヤたちと、生き延びていた熱海教授と手を組んだロックとの対決に主軸を置いた勧善懲悪劇に路線を転換した。上記4曲とも作詞は福田善之、作曲は林光がそれぞれ担当。オープニングは「バンパイヤの歌」。エンディングは次回予告と一体化しており、その予告の内容に合わせて上記4曲のどれかが使用された。歌なしのインストゥルメンタルや、途中で別楽曲に切り替わる場合もある。
出典:wikipedia
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