『Dolls』(ドールズ)は、北野武監督作品、2002年10月12日公開の日本映画。配給は松竹、製作はオフィス北野他。第59回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門正式出品作。キャッチコピーは「あなたに、ここに、いてほしい。」松本は、結婚を約束していた恋人・佐和子を裏切り、ある社長令嬢との結婚を決めた。結婚式当日、友人から佐和子が松本と別れてから精神を病み、ついに自殺を図り、それが原因で記憶喪失になり松本の事すらも全くわからなくなり、子供のようになってしまった。佐和子は松本が買い与えたおもちゃが壊れるまで遊び、デコトラの光に喜び、トラックの前に満面の笑みで立ち尽くすなど、松本の手を焼き、佐和子の元に戻りお互いの体を赤い縄で結び付け、あてどない放浪の旅に出る……。人気絶頂のトップアイドル・春奈。そんな春奈に心酔している温井は、彼女のことばかりを思い続ける毎日を過ごしていた。だがある日、春奈は交通事故に遭い片目を失う。それと同時にトップアイドルの座からも転落し、ファンの前から姿を消した。それでもなお春奈に会いたいと強く願う温井が取った行動とは……。毎週土曜日になると、公園のベンチで昔の恋人を待ち続ける良子。老いを理由に、闘争の世界から身を引くことを決めたヤクザの親分。一見何の接点もない二人が、まるで引かれ合うように出会い、ベンチに並んで座るとき……。北野武が「あの夏、いちばん静かな海。」以来11年ぶりのラブストーリーに挑戦した作品。これは3組の全く別々の男女たちが物語で交錯し、それぞれの人生に希望を持とうとした刹那に死へ直面するという無情さを描いた作品であり、武は「これまで一番、最も暴力的な映画である」と発言している。インタビューで北野は「これはすごく個人的な映画だから。当たるとかいう問題じゃなかったね。喜んで絵描いてるみたいなもんだよ。そういうときべつに評価とか一切関係ないから、下手すりゃ人が見なくたっていいわけで。自分で撮って、しまっちゃうような映画でもあんのよ、ほんとは」「引っかかってたから、こういう映画ね。一回はやりたいって」。と当作品について語っている。パンフレットによれば、劇中の「繋がり乞食」は、北野が幼い頃実際に何度も目撃した夫婦が元となっているという。この作品を最後に、『あの夏、いちばん静かな海。』以降長年音楽を担当してきた久石譲が北野映画に参加しなくなっている。この理由について、北野の弟子の浅草キッドは「(中略)久石さんの音楽がすごく評価されて、そしたら次回から久石さん切ったんですよ。音楽がいいんじゃないって」と説明している。作中で、深田恭子がアイドル「春奈」役として出演したが、劇中に歌っている曲は深田本人が実際にリリースしている楽曲「キミノヒトミニコイシテル」である。「キミノヒトミニコイシテル」は歌詞中に「"深田も最近綺麗になったと…"」というフレーズがあるが、劇中ではその部分は除かれている。ロシアでは大ヒットし、およそ2年に及ぶロングランとなった。この作品でロシアにおけるステータスを確かなものとし、後のロシア向けCM出演につながった。佐和子役の菅野美穂は、この作品で第40回ゴールデン・アロー賞映画賞を受賞。2002年度は山田洋次監督、真田広之・宮沢りえ主演の「たそがれ清兵衛」が映画賞を総ナメにしていたが、同賞の常連である北野作品から菅野が選出された。なお武が審査委員長を務める東京スポーツ映画大賞では、主演女優賞に菅野ではなく宮沢りえを選出している(菅野は助演女優賞受賞)。
出典:wikipedia
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