大腸癌(だいちょうがん、英:Colorectal cancer)は、大腸(盲腸、結腸、直腸)に発生する癌腫である。肛門管に発生するものを含めることもある。正式には部位別に盲腸癌(もうちょうがん、Cecum cancer)、結腸癌(けっちょうがん、Colon cancer)、直腸癌(ちょくちょうがん、Rectum cancer)と称される。日本では女性のがんの死亡率の1位、男性では3位を占め、2015年には男性でも2位に上昇すると予想されている。アメリカ合衆国においては、3番目に多い癌で、癌死の原因として2番目に多く、生涯に大腸癌に罹患する確率は約7%である。日本でも胃癌を追い越し肺癌についで2番目に多くなっている。以下のものが報告されている。多くの大腸癌の発生に関する機序については大きく以下の2つが論じられている。大腸癌で最も多く見られるものは腺癌で、全体の95%も占める。他についても様々に存在する。一般に早期大腸癌であれば自覚症状はなく、健康診断や人間ドックで発見される。まったく症状が現れない場合も少なくない。進行大腸癌でも環周度が1/4以下ならば症状はほとんどない。1/2周を超えると腸内容の通過障害を起こす場合がある。左側結腸に存在すると便通異常、腹痛、腹部膨満感などがあり、血便を伴うこともある。しかし、右側結腸ではこれらの症状は乏しく貧血、体重減少、腫瘤触知などの症状となる。これは上行結腸では内容物がまだ液体であるからであると説明されている。左側結腸の全周性病変になると排便困難、便秘、イレウスを起こすこともある。大腸癌は早期に発見できれば完全治癒の可能性が大きくなる。集団健診では普通「便潜血反応」が行われる。潜血反応が陽性であった場合、貧血などの異常がある場合、その他の大腸癌のハイリスクの場合は、癌をはじめとする大腸疾患の確定のため大腸内視鏡検査が行われる。大腸癌の病期分類は主に局所浸潤の度合い、リンパ節浸潤の度合いあるいは遠隔転移の有無によって決定される。今日においては、日本では「大腸癌取り扱い規約」に基づく独自の病期分類を行っている。国際的にはTNM分類が病期分類に使用される。あるいは医者によっては以前から使用されていたデューク分類(Duke's system)を使用する者もいる。UICCのTNM分類の定義を次に示す。例えば患者が癌に罹患していなければT0N0M0となる。まずは肉眼的分類として以下がある。という分類がある。これは胃癌の分類とまったく同じである。大腸癌取り扱い規約によると壁深達度(いわゆるT)がTNM分類よりはるかに細かくなる。上記以外の有名な分類をあげる。どの分類を用いるか悩むときはなぜ分類するのかを考える。結局、治療の選択をしたいことが多いので自分がベストと思う治療法を選択する根拠となる分類を用いればよい。なお腸壁とは固有筋層までのことである。他の癌の治療と同様に、治療方針は癌の病期によって変わってくる。主に以下にあげられる治療を集学的に行っていく。また、近年では臨床診断が進み、大腸ポリープ・大腸癌を含めて「大腸腫瘍」として一括に取り扱うことで評価・治療を行っていく。本稿では大腸癌(進行)について主に記述。主に大腸ポリープ・早期大腸癌(進達度が粘膜下層(sm)の浅層にとどまり、=リンパ節転移の無いと思われる病変)に対し、内視鏡を用いてEMR・ESDによって病変切除による根治治療が施行される。内視鏡治療は原発巣の切除は可能であるが、リンパ節郭清は外科的手術でしか行えないため、リンパ節転移の無いと思われる病変に対し選択される。大腸ポリープの項目記述を参照。旧来より、外科手術による癌病変切除・リンパ節郭清は根治術の根幹である。個々の術式に関しては消化器外科学を参照。他の悪性腫瘍と異なり、大腸や胃等の管腔臓器の癌は、癌による消化管閉塞(腸閉塞)・出血を生じることが多く、遠隔転移等も認める進行癌であっても、比較的全身状態良好なうちに食事摂取困難となる場合も多くあり、根治的ではなく対症療法的に原発巣切除・バイパス術施行等が行われることも多い。以下の種類があり、単独または複合し投与する。抗癌剤分子標的治療薬従来、アスピリンの作用としてシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の活性阻害作用を持つことが知られていた。この事から、大腸癌予防効果が期待されていた。
米マサチューセッツ総合病院のAndrew T.Chan氏らよる2009年5月の米国消化器学会で発表された臨床研究報告によれば、約17万人を対象としステージⅠ~Ⅲの大腸癌患者1279人を約12年間調査したところ、大腸癌と診断された後にアスピリンを定期的に服用した患者は、服用していない場合に比べ死亡率が29%低下した。また、診断前から定期的に服用していた場合は死亡率が47%低下した。特に、COX-2が過剰発現している大腸癌患者では大幅な減少があった。としている但し、研究者自身が「データが不足しており、より規模の大きな検証が必要とされる」ともしている。大腸癌の多くは腺癌であるため、あまり施行されない場合が多いが、必ずしもそれは正しくなく、術前化学療法において局所再発率を下げるLancetで報告がされている。(経験則として扁平上皮癌には放射線が有効であり、腺癌には効かないとされている。)
出典:wikipedia
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