チョウザメ目(チョウザメもく、)は、硬骨魚類の分類群の一つ。約2億5千万年前の三畳紀には既に出現していたことが知られ、条鰭魚類の中でも原始的な一群である。2科6属で構成され、高級食材キャビアの原料として漁獲されるチョウザメなど、淡水魚あるいは遡河性の魚類27種を含む。チョウザメ目は硬骨魚類の中ではポリプテルス目に次いで系統の古い魚類で、しばしば古代魚として扱われる。上位分類である軟質亜綱には全部で11の目が置かれているが、現生種を含むのはチョウザメ目のみで、他の10目はすべて絶滅している。分布は北半球に限られ、生涯を河川で送る淡水性の種類と、産卵時のみ遡上する遡河性の種類がある。キャビアと呼ばれる卵の塩漬けが高級食材として珍重され、乱獲により資源量は著しく減少した。かつては石狩川や天塩川など日本の河川にも遡上したが、現在ではまったくみられなくなっている。本目は硬骨魚類に属してはいるが、骨格の大半は軟骨で構成されている。尾鰭は二又に分かれているが上下の大きさは均等ではなく、上方が長く伸びた異尾・歪尾と呼ばれる形態をしている。現生の硬骨魚では唯一、顎ができる前の鰓孔の痕跡である噴水孔が開口しており、これらの特徴は軟骨魚類のサメ類と共通する。体側に並ぶ大きな鱗と共に、本目が古い系統の魚類であることを反映している。現生のチョウザメ目は1亜目2科6属の下に、27種が記載される。チョウザメ亜目 Acipenseroidei は2科6属27種。主鰓蓋骨がなく、下鰓蓋骨が鰓蓋を覆うことが共通する特徴である。チョウザメ科 Acipenseridae は2亜科4属25種からなる。すべて北半球に分布し、淡水魚あるいは産卵のために河川に遡上する遡河性の魚類である。体の両側に菱形の硬鱗が5列並んでいることが特徴である。口は下向きについており突き出すことが可能で、周りには4本のヒゲがある。成魚には歯がなく、浮き袋は大きい。同定の難しい種が多い。絶滅属として "Protoscaphirhynchus" 属が知られる。ヘラチョウザメ科 Polyodontidae は2属2種で構成される。吻(口先)が長く伸び、へら状になっているのが大きな特徴。チョウザメ科と異なり大型の硬鱗はなく、小さな鱗状の構造が尾鰭など一部にみられるのみである。口ひげと歯はごく小さい。ヘラチョウザメ "Polyodon spathula" はミシシッピ川に生息し、プランクトンを主に食べている。ハシナガチョウザメ "Psephurus gladius" は長江に住み魚食性で、最大で体長3mに達する。ヘラチョウザメ科で最も原始的な一群とされる "Protopsephurus" 属をはじめ、4属の絶滅属が記載されている。チョウザメ目にはすでに絶滅した分類群として2科が含まれる。Peipiaosteidae 科はジュラ紀後期に存在したと思われる科で、少なくとも2属を含む。本科の分類上の位置はなお不明確で、いずれの亜目にも所属していない。ジュラ紀の化石が知られており、チョウザメ亜目の姉妹群と考えられている一群である。1科のみを含む。Chondrosteidae 科は少なくとも2属を含む。
出典:wikipedia
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