『悪魔くん』(あくまくん)は水木しげる著の漫画および、それを原作として作成された特撮テレビドラマ、テレビアニメ、並びにこれらの作品の主人公のニックネーム。本作品は、水木しげるの漫画が数シリーズおよび特撮、アニメとあるがそれぞれ内容が異なっている。これらの諸作品は大別すると救世主(メシヤ)悪魔くんについての物語と、妖怪を退治するヒーロー悪魔くんの物語とに分かれる。さらに後者は主人公、基本的設定の違いから2つに分けられる。全ての漫画『悪魔くん』で共通する点を以下に記す。それ以外の設定は各作品ごとに異なっている。漫画はまず1963年に貸本劇画として発表され、その後1966年から1967年の間「週刊少年マガジン」などに連載。「悪魔くん(悪魔くん 千年王国)」、「悪魔くん」、「最新版悪魔くん」と主人公の異なる三種類のシリーズに大別される。詳しくは後述。特撮ドラマは1966年(昭和41年)10月6日から1967年(昭和42年)3月30日までNET系の毎週木曜日19:00 - 19:30で全26話。当時のマガジン編集長である内田勝の著書『「奇」の発想』によると内田と渡辺亮徳によるゲゲゲの鬼太郎の企画がテレビ局に受け入れられていないことからまず制作費の安い実写により悪魔くんを作成しそのヒットにより鬼太郎の企画を進めることを目的とした旨の記述がある。各話プロットなどに水木自身が参加しているという。平山亨の初プロデュース作品であり、後の『仮面ライダー』などの東映特撮作品の原点となった。東映製作。モノクロ。1986年9月15日にフジテレビの月曜ドラマランド枠で単発のドラマとして放送された。浦沢義雄が脚本を手がけている。東映製作。日本テレビでも、実現しなかったが、大泉洋がメフィスト役、共演が蒼井優で、2008年4月から連続テレビドラマ化する企画が検討されたことがあったと報道された。アニメ版は1989年4月15日から1990年3月24日までテレビ朝日系で全42話が放送。アニメ版には『千年王国』や『世紀末大戦』、少年マガジン版のキャラクターやエピソードも登場した他、実写版のプロットが流用された話もあった。千年王国版の悪魔ベルゼブブと世紀末大戦(貸し本版)の悪魔ロソンがいずれも登場している他、貸し本版で名前のみ登場した東方の三賢人も登場している。また、他の水木作品(ゲゲゲの鬼太郎や、そのアニメ第2,3作に流用済みのものも含む)からの流用エピソードもある。東映動画製作。アニメ版を元にした劇場用映画も2回製作されている。映画2作はビデオ化されているもののテレビアニメ放送版は長らくソフト化に至っていなかったが、アニメ生誕20周年という形で2010年3月17日に『悪魔くん コンプリートBOX』が発売された。悪魔くんの名前は松下一郎。ストーリーの骨格は「人類が平等に幸せな生活ができる理想社会『千年王国』の樹立を目指す悪魔くんが現代社会に戦いを挑む」というもので、社会問題を扱う作風でもある。悪魔くんの名前は山田真吾。悪魔退治を主題としたストーリーとなっている。2010年のテレビドラマ『ゲゲゲの女房』のオープニング(月曜版)とラストシーンには、この版の悪魔くん(山田真吾)とメフィストが登場した。悪魔くんの名前は埋れ木真吾。山田真吾版と似た作風で、悪事を犯す「黒悪魔」を退治する物語。原作漫画では最終話に初代悪魔くん(詳細は不明)が登場し、2代目である事がわかる。なお、『最新版悪魔くん』は通称ではなく連載時および初刊(ボンボンコミックス)の正式タイトルであるが、後に扶桑社文庫で刊行された際には「最新版」なしの『悪魔くん』になった。アニメ版では味方側も敵も魔物は全て「悪魔」と呼ばれている(十二使徒や三賢人まで悪魔と呼ばれる、例外は妖怪と呼ばれた油すましと小豆とぎのみ)。漫画版の序盤では、悪魔くん陣営側の使徒と思われる名称不明の悪魔が数柱居たが、中盤にかけていつの間にかいなくなり、アニメ版同様の使徒に説明無く置き換わっていた。当時の怪獣ブームを受け、ゲストキャラクターは妖怪のみならず怪獣や未来人などバラエティ豊かなものとなっている。水木しげるの大ファンでもあった東映プロデューサーの平山亨は当初、貸本漫画版を実写ドラマ化するつもりであったが、貸本版はグロテスクな内容であったため平山の同期のプロデューサーである宮崎慎一はテレビには向かないとの判断を下した。しかし平山は偶然尋ねた少年マガジン編集部で発売前の少年マガジン版『悪魔くん』を目にし、児童向けの内容となっていたこの作品を原作として企画を進めることとなった。1話完結形式にしたのは、原作者の水木しげるの「毎週視聴者をテレビの前に捉まえるためには、この方式のほうがよい」とする意見があったためで、平山はテレビ業界を知らないはずの水木の卓見に驚いたと語っている。水木しげるも、「古い文献から百目の絵を採ってきてガンマーという妖怪をこしらえたり、貸本漫画から化烏を持ってきたり、平山プロデューサーと二人で妖怪のアイディアをいろいろ考えました」とコメントしている。水木の妻の武良布枝によれば、水木は原作の貸本漫画の作風にはこだわりを持っておらず、テレビ向きに作り直したほうがいいと考え、平山に対して自ら番組のためのアイディアを出していたという。平山によると「東映だって巨大特撮をやれるところを見せよう」という気概と「映画の方をリストラされてきた人達」の情熱があわさり「今じゃ劇場用映画本編だってやれないくらいもの凄い凝りよう」の作品になった。この結果、予算の3倍を越える制作費となり、平山は「会社を潰す気かぁっ!」と怒鳴られたという。第1話の脚本は坪井久智の推薦により高久進が担当した。伊上勝と桂真佐喜(辻真先)は、平山が渡邊亮徳と懇意であった朝日ソノラマ編集長の坂本一郎から紹介を受け参加した。この後、両者とも平山のプロデュース作品の多くに参加している。前年の『ゲゲゲの鬼太郎』に引き続き月曜ドラマランド枠で放送された。フィルムで製作された『ゲゲゲの鬼太郎』と異なり、VTRで撮影された。真吾の家庭環境が一般的なサラリーマン家庭になるなど現代的なアレンジがなされている。物語は真吾の姉(ドラマオリジナルキャラ)の学校「キューピー学園」のキューピー像に妖怪ストレス(人間界での生活中にメフィストが溜め込んだストレスが実体化した存在)が憑依して巨大化し、メフィストの魔力で出した温泉でストレスを解消させて倒すなど、脚本の浦沢義雄のカラーが強いものとなった。一度もソフト化されていない。※放送日時は1990年3月終了時点(青森朝日放送については本放送終了後に放映された日時)、放送系列は放送当時のものとする。『悪魔くん』。1989年7月15日より東映まんがまつりの一編として上映された。上映時間は40分。同時上映は『ドラゴンボールZ』、『ひみつのアッコちゃん 海だ! おばけだ!! 夏祭り』、『機動刑事ジバン』。『悪魔くん ようこそ悪魔ランドへ!!』。1990年3月10日より東映アニメまつりの一編として上映された。上映時間は25分。同時上映は『ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ』、『魔法使いサリー』。『悪魔くん 魔界の罠』というタイトルで1990年2月24日に発売。機種はファミリーコンピュータ。定価は5800円。メーカーはバンダイ。ジャンルはRPG。保存方法はパスワード制(平仮名61文字(清音・を・ん・濁音)と数字の組み合わせによる)。世界征服を目論む東嶽大帝を倒すことが目的であり、舞台は全世界となっている。登場キャラクターはアニメ版に準じたものである。プレイヤーキャラクターは悪魔くんと12使徒で、移動中は悪魔くんの他に3使徒までしか連れて歩けないが、戦闘中にはCP(コントロールパワー)を消費して他の使徒も魔界から呼び出すことができる(魔界へ返すこともできる)。また、自動的に駆けつける場合もある(機嫌(後述)のいい場合)。使徒は自動で戦ってくれるが、悪魔くんが行動を命令することもできる。なお、悪魔くん自身はタロットカードか魔法で攻撃する。使徒には「機嫌」のパラメーターがあり、笑った顔・無表情・怒った顔の3パターンで表される。機嫌が良い場合は戦闘中に駆けつけるなど悪魔くんに協力的であるが、機嫌の悪い時には悪魔くんの命令を聞かなかったり、戦闘中なのに何もしなかったりする。この機嫌は、「ソロモンの笛」を吹くことで回復することができる。悪魔くんと12使徒はそれぞれ魔法を使うことができるが、その仕組みが多少異なる。悪魔くんの場合、事前に「魔文字」(○、△、□、*、流水形、三日月形の6種類)を店で購入し、研究所で実験料を支払って「魔文字」を魔方陣に並べる実験を行い、新しい魔法を見つける必要がある。その実験に成功すればその魔法を覚えたことになる。また、レベルアップで覚えるものもある。そして戦闘中に魔法を使う際には「魔文字」を必要分消費する。12使徒の場合はレベルアップで覚えていく。戦闘中、自動的に魔法を発動させた場合はCPを消費しないが、悪魔くんが命令をして魔法を使わせた場合はCPを消費する。各シリーズ別に比較的入手しやすい書誌を記載。(一部、絶版含む)
出典:wikipedia
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