『夕陽のギャングたち』(原題:"Giù la testa"、英題:"Duck, You Sucker")は、1971年製作のイタリア映画。セルジオ・レオーネ監督作品。メキシコ革命の動乱を舞台に、アイルランド人の革命家とメキシコ人の山賊の友情を謳いあげた叙事詩である。本作品と同じくレオーネの監督作品である『ウエスタン』と『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を併せて、前期の「ドル箱三部作」と対比して「ワンス・アポン・ア・タイム三部作」と呼ぶこともある。レオーネは『夕陽のギャングたち』の製作に最初から深く関わってきたが、あくまで脚本の執筆など裏方の仕事のみに徹し、自身で監督するつもりはなかったとされる。当初レオーネは本作品の監督としてピーター・ボグダノヴィッチや、レオーネ作品で長く助監督を務めてきたジャンカルロ・サンティを考えていたが、主演のロッド・スタイガーとジェームズ・コバーンがレオーネが監督しない限り降板すると言い張ったため、止む無くレオーネ本人が監督することになった。配役の混乱、監督の変更など多くの困難を乗り越えて完成した『夕陽のギャングたち』だが、これまでの「ドル箱三部作」や前作の『ウエスタン』と比べて本作品は興行的にも批評的にも失敗、以後レオーネは次の監督作品で遺作でもある『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年公開)まで10年以上に渡り雌伏することになる。公開当時からしばしばレオーネの他の監督作品に埋もれて省みられることの少なかった本作品だが、近年DVDが発売されるなど再評価の機運が高まってきている。舞台は革命の混乱の最中にあるメキシコ。山賊一家の頭目フアン・ミランダと元IRAの闘士であるジョン・マロリーが出会うところから物語は始まる。爆発物のエキスパートであるジョンを仲間に引き入れて、かねてからの夢だったメサ・ヴェルデの国立銀行を襲撃しようとするフアン。最初はてんで相手にしていなかったジョンだが、革命計画を成就する手立てとして、フアンの計画に協力するふりをする。ジョンの助力を得て意気揚々と銀行を襲撃するフアンとその一味だが、そこには現金の代わりに、現政権に反抗する政治犯が収容されていた。ジョンに騙され、心ならずも革命の英雄となってしまったフアンはジョンとともに革命の渦に巻き込まれ、その代償としてすべてを喪うはめになる。本作品は多くの異称があることでも知られる。当初レオーネは『Once Upon a Time... the Revolution』というタイトルを考えていたが、ベルナルド・ベルトルッチの『革命前夜』(英題:Before the Revolution)と紛らわしかったため断念した。次にレオーネは映画中でしばしば使われる台詞である『Duck, You Sucker』にタイトルを変更するように主張した。レオーネ本人はこの台詞をアメリカで頻繁に使われる言い回しだと(アメリカ人俳優のジェームズ・コバーンとロッド・スタイガーがそのような言い回しを聞いたことがないと反対したにも関わらず)思い込んでいたと言われている。本作品の興行収入が冴えなかったのは、映画の重厚な雰囲気にそぐわないこの軽薄なタイトルの所為だったとも指摘されている。映画公開数ヵ月後に、低調な興行成績を危惧した製作会社によって、ジェームズ・コバーンの演じる革命家が爆発物のプロであることから『A Fistful of Dynamite』にタイトルを再変更された。映画公開後のタイトル変更という異例の事態を迎えた『夕陽のギャングたち』だが、元々イギリスでは『A Fistful of Dynamite』のタイトルで公開されていたため、当初の予想よりも混乱は少なかったという。現在北米でリリースされているDVDでは『Duck, You Sucker』と『A Fistful of Dynamite』の両方が併記されている。
出典:wikipedia
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