フォッサ（"Cryptoprocta ferox"）は、マダガスカルマングース科フォッサ属に分類される食肉類。本種のみでフォッサ属を構成する。マダガスカル固有種体長61-80センチメートル。尾長65-90センチメートル。肩高37センチメートル。体重オス6-12キログラム、メス5-7キログラムとマダガスカルに分布するネコ目では最大種。体形は長い。頭部はやや短く、角張る。全身は短く柔らかい体毛が密生する。背面の毛衣は赤褐色や暗褐色、腹面の毛衣は淡黄色。眼は大型で、顔の正面に位置する。耳介は丸みを帯びる。口髭は長い。歯列が門歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上下6-8本、大臼歯が上下2本の計32-36本の歯を持つ。臼歯（裂肉歯）が発達する。四肢は太く短い。足裏には体毛がなく、樹上での生活に適していると考えられている。指趾には小型の爪があり、爪を収納する鞘がないものの自由に出し入れができる。指趾の間には水掻きがある。胸部には臭腺が発達する。肛門周辺の臭腺（肛門腺）が発達し、肛門が隠れる。属名"Cryptoprocta"は「隠れた肛門」の意。染色体の数は42。出産直後の幼獣は体重0.1キログラム。毛衣は白や灰色。オスは陰茎骨があり、陰茎は長く亀頭表面に刺が並ぶ。乳首の数は6個で、脇の下や胸部、腹部に左右に1つずつある。陰核は大型で、陰核骨がある。子宮は左右に完全に分かれる（重複子宮）。標高2,600メートル以下の熱帯雨林やサバンナなどに生息する。樹上棲。夜行性で、昼間は木の又や洞窟などで休む。単独で生活する。足裏全体を接地して移動する（蹠行性）。食性は動物食で、哺乳類、鳥類、爬虫類、カエル、昆虫などを食べる。獲物を前肢で捕らえ、後頭部や喉に噛みついて仕留める。大型の獲物を2頭で協力して捕らえることもある。繁殖形態は胎生。9-11月に交尾を行う。妊娠期間は90日。地上の穴、蟻塚などに、1回に2頭（まれに3-4頭）の幼獣を産む。授乳期間は約4か月。幼獣は生後15-25日で開眼する。飼育下では3-4年で性成熟した例がある。寿命は20年。和名や英名はマダガスカルでの呼称に由来する。生息地では食用とされることもある。民家やテント、家禽小屋に侵入し、家禽を襲うこともある。狩猟により生息数は減少している。日本では唯一恩賜上野動物園がフォッサを飼育展示している（2014年現在）

出典:wikipedia