サーキットブレーカー制度(サーキットブレーカーせいど、Circuit Breaker)とは、株式市場や先物取引において価格が一定以上の変動を起こした場合に、強制的に取引を止めるなどの措置をとる制度である。株式市場などでは、売りが売りを呼んで下落が止まらなくなることがあり、値動きが一定の幅になったら取引を強制的に止めて、投資家に冷静になってもらう目的で設けられた制度である。電流が流れ過ぎた時に、発熱などを食い止める電源を落とす電気回路の遮断器(サーキットブレーカー)と似ている制度であるため、このように呼ばれる。1987年10月19日に、米国市場最大規模の暴落となった「ブラックマンデー」をきっかけに、ニューヨーク証券取引所で始まった。このときは1日で株価が22パーセントも値下がりしたため、行き過ぎた下落を防ごうと考え出された。日米欧や韓国などの先進国の株式市場は一般的に導入している。ただし日本のサーキットブレーカー制度は、先物とオプションにのみ適用され、現物株式は対象外とされる。東京証券取引所・大阪証券取引所では、1994年2月14日から導入されている。東京商品取引所におけるCB制度は、設定した幅外で対当した限月ごとにCBを発動させる運用である(2011年12月30日までのCBの運用については、6限月のうち1限月でも設定した幅外で対当した場合、全限月でCBを発動(限月間連動)させていた)。先物価格が毎月設定される一定の変動幅を超えて上昇または下落した場合、取引を5分間中断する。なお、商品ごとに変動幅が異なって設定されている。なお規定回数は、小豆が1回、大豆・とうもろこし・粗糖が2回、左記以外の商品が3回である。サイドカー(Side car)は、サーキットブレーカー制度の一種だが、取引を完全に中断するのではなく、一部の取引に制限を加えるもの。中華人民共和国では、サーキットブレーカー制度を2016年1月4日から導入した。2015年夏に上海株式市場が急落したことを教訓に、中国証券監督当局が導入を決めた。中国の代表的な株式指数の1つである「CSI300」の変動幅が前日比で5パーセントを超えると全ての株式と先物の売買を15分間止める。同じく変動幅が前日比で7パーセントを超えると、その日の売買は全て停止される制度である。日本のサーキットブレーカー制度が先物とオプションのみに適用され、現物株式については対象外となっているのに対して、中国の制度は現物株式についても適用される点で特徴的である。「取引が止まる」と焦った投資家が株を売ることにより、余計に値下がりがしやすくなったとも指摘がある。中国におけるサーキットブレーカー制度は、制度導入の初日である2016年1月4日に「CSI300」が7パーセント下落したため、早速発動がされるという世界的にも異例の事態となった。さらに中国株式監督当局は、この前年の2015年7月に株価の下落を食い止めるため上場企業の大株主に持ち株を売ることを半年間禁じていた。この期限が2016年1月8日に切れるため、「大量の株が売りに出される」と市場の不安要因になっている。中国証券監督管理委員会は1月5日の取引開始前に、大株主による株売却について「市場への打撃を避けるため、規制を今作っている」との緊急声明を発表し、市場心理を落ち着かせることを狙った。しかし、5日の市場では上海総合株価指数が対前日比で0.26パーセント下落し、3営業日連続で下落した。さらに1月4日に引き続き、1月7日にも同制度が発動された。しかし、7日深夜中国の証券当局は、サーキットブレーカー制度発動の一時見合わせを発表した。2015年以降中国の株式市場は混乱が続き、同年前半は急騰したのち同年6月以降急落し、証券監督当局は強引な株価の下支え策を繰り出したが、逆に市場の信頼を失う結果を招いた。そののち、2016年1月に株価の急変を防ぐために本「サーキットブレーカー」制度を導入したものの、すぐに制度の撤回に追い込まれた。中国政府は中国証券監督管理委員会のトップである肖鋼・主席を更迭した。本制度の撤回をはじめとする一連の事態により、指導部内で肖主席の手腕に対する不満が高まり、異例の更迭に結び付いた。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)では、S&P 500先物が前日終値よりも12ポイント以上下落した場合、プログラム取引に基づく成り行き注文の執行を5分間停止する。韓国証券先物取引所では、総合株価指数(KOSPI)及びKOSDAQ指数の先物が基準価格から1分間以上にわたり5%以上乖離した場合に、プログラム売買を5分間停止する。
出典:wikipedia
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