『.hack』(ドットハック、まれにゲーム版.hack、.hack//Games)とは、サイバーコネクトツーが制作し、バンダイ(後のバンダイナムコゲームス)が発売したテレビゲームである。.hackのプロジェクト(Project .hack)の中心となるコンテンツになっている。なお、.hackのゲームには大別して3つのシーズンがあるが、特に断り書きがない限り2002年から2003年にかけて発売されたvol.1〜vol.4までの四部作および発展させた.hack//fragmentを指し、本記事ではこちらを取り扱う。また、2006年以降に発売されたゲームは、旧シリーズと区別する意味で.hack//G.U.を2ndシーズン、.hack//Linkを3rdシーズンとして呼ばれる。これらは、メディアミックスコンテンツの総称としての「.hack」と混同されることがままある。小説やアニメも含めた.hackのタイムテーブル上では、小説.hack//ZEROに続く物語が展開されている。架空のオンラインゲーム「The World」内でストーリーが展開し、主人公らはThe Worldをプレイしているという設定である。この設定を活かした演出が随所でなされているのが特徴で、ゲームを起動すると最初に架空OS「ALTIMIT」のデスクトップ画面が表示され、そこからオンラインゲーム「The World」にログインすることでゲームの開始となる。このデスクトップは現実さながらに壁紙の変更が可能で、BGMの変更も可能である。他のプレイヤーとのメールのやり取りやニュースの閲覧もでき、ゲームの進行具合に同期する形で情報が追加される。ログイン後は主人公のPCであるカイト(開始時に名前の変更可)を操作することになる。4部作を3カ月おきという短期間で発売するゲームとしては珍しい連続ドラマ的な構成と、ゲームと同時期の現実世界での出来事を描いたOVA『.hack//Liminality』のDVDビデオと同一のパッケージでセット販売するという前例の無い販売方法が話題を呼んだ(.hackを参照)。この商法はそれなりの成功を収めたらしく、他社からも同様にゲームと関連するOVAをセット販売するソフト(『機甲兵団 J-PHOENIX』、『GUNSLINGER GIRL』等)が登場することとなった。後に出た廉価版(Play Station the Best)では4部作を2作ずつセットにした代わりにOVAは収録されていない。ストーリーを最後まで進めた状態でセーブすると、セーブデータに「クリアフラグ」が表示され、次作でデータのコンバートができるようになる。コンバートすると、その時点での仲間のレベルや所持アイテム、メール履歴などが引き継がれる。なお、コンバートしなくてもプレイは可能であるが、その場合はvol.ごとに決まったステータスから始まることとなる。また、クリアフラグが表示された状態で同じvol.のトップページを見ると「パロディモード」が追加されている。パロディモードではゲームの進行自体は変わらないものの、本編の台詞がほぼ全面的に差し替えられている。ごく普通の中学生である主人公は、友人のヤスヒコ(PC名:オルカ)に誘われて、“カイト”という名のPCを作成し、有名なオンラインゲーム(MMORPG)・「The World」に参加することとなった。オンラインゲーム自体不慣れなカイトは、オルカのレクチャーを受けつつ初めての「The World」を楽しんでいたが、初めて行ったダンジョンで白衣をまとった少女のNPCが追われている姿を目撃する。オルカは何かを知っている様子であったが、少女のNPCから“何か”を託された直後、追撃者の手によって倒されてしまう。カイトはその際、オルカが託された“何か”を受け継ぐこととなり、それは『腕輪』に姿を変えた。カイトが少女のNPC(アウラ)と追撃者(八相の第一相スケィス)、および『腕輪』の力を知るのはもう少し後のことである。「The World」でオルカが倒されて以降、その影響はリアルでも現れた。ヤスヒコが意識不明になり、入院したのである。「The World」が何らかの原因となっているのではないかと考えた主人公は、情報を求めてBBSに書き込むものの、短時間で削除されてしまう。不審に思う主人公であったが、自らで情報収集をすべく「The World」を続けることにした。ちょうどその頃、カイトは“ブラックローズ”というPCと出会う。ブラックローズに促されるまま「Δ隠されし 禁断の 聖域」に行くが、そこで倒すことの出来ないモンスターと遭遇する。高いレベルのモンスター相手に苦戦するカイトだが、危ないところをバルムンクに救われる。その際にカイトは『腕輪』の力(データドレイン)を発揮するが、それはデータを改ざんする能力であり、不正規を嫌うバルムンクからは敵対視されることとなる。実はこのバルムンクは、オルカと共に『フィアナの末裔』と称される名プレイヤーであり、オルカの相棒であった。意識不明となったオルカを案ずるカイトとバルムンク、この2人は敵対することとなってしまった。バルムンクとの一件以来、カイトの元にはヘルバからのメールが届くようになる。ヘルバは名の知られた凄腕のハッカーであり、本来管理者しか知りえない情報や、不正規アイテムであるはずの『腕輪』の情報などを主人公に与えた。ヘルバの手助けもあり、オルカを意識不明にした張本人である第一相スケィスと対峙することができたものの、カイトの目の前でアウラはデータドレインされてしまう。カイトとそのパーティはスケィスを倒すことに成功したが、直後にスケィスとは比べ物にならない強敵クビアと遭遇、ヘルバの助けにより事なきを得るが、同時にこの事件が簡単には解決できないことを知ることとなる。クビアと遭遇したエリアに行ってみるものの何もなく、途方にくれたカイトとブラックローズは「意識不明者を回復させるヒントを持つ」という匿名の情報提供者に呼び出される。呼び出したのは管理者・リョースで、不正規なアイテムである『腕輪』をアンインストールするのが目的であった。ヘルバが介入しその場は収まるが、カイトらはリョースの調査に協力させられることとなる。最初はおとなしく従うカイトらであったが、“意識不明者はハッカーのばら撒いたウイルスが原因であり、管理者は関係ない”との姿勢を崩さないリョースに嫌気がさし、意識不明者を救うキーワードとなるであろう『黄昏の碑文』の情報を持つワイズマンと独自にコンタクトをとる。ワイズマンの勧めでヘルバを頼り、カイトは彼女が管理するネットスラムを訪れるが、リョースにネットスラムの場所を知られてしまう。ネットスラムごと「システムが不安定になる温床」を消そうとするリョースであったが、第三相メイガスが現れネットスラム自体が崩壊してしまう。時を同じくして影響はゲーム全体に広がり、今まで特定エリアのみであった侵食は、他のエリアや果てはルートタウンまで及んだ。侵食の影響は他プレイヤーにも広がり、倒せないモンスターの存在や、本来手に入らないはずのウイルスコアの話題がBBSでもされるようになっていた。独自でウイルスと侵食について調べていたバルムンクだったが、事態解決の為にはカイトの持つ『腕輪』の力が必要不可欠であるという考えに至り、ダンジョンで苦戦していたところを助けたことをきっかけに協力するようになる。それでも未だリョースとは敵対関係にあったカイトらであったが、事件解決にはCC社内部の情報も必要との考えからリョースに協力を持ちかけ、上層部に不信感を抱き始めていたリョースはこれを承諾する。ヘルバ・リョース・ワイズマンの協力のもと、カイトらは第五相ゴレの潜むエリアを突き止めこれを撃破することに成功する。作戦の成功を喜ぶカイトらであったが、同時に開発者ハロルド・ヒューイックが仕掛けた「The Worldの本当のルール」に気づくのであった。The World内の侵食の影響はリアルにも通信回線の麻痺という形で及ぶようになり、また医療機器の不具合という形で未帰還者の近辺にも忍び寄っていた。カイトらは今後の対策のため、公開されたばかりのΩサーバに呼び出されるが、非常に不安定であったためヘルバの立ち上げたミラーサーバへと誘導される。ヘルバの作成したワクチンと、リョースの部下らの協力で「波」の行動を制限し、カイトらはそのエリアに駆けつけるが、そこに居たのはカイトの仲間、ミアとエルクであった。ミアはこれまでにも奇妙な言動が目立っており、ここでカイトらの前に第六相マハとして対峙することとなる。カイトはやむなく撃破するが、ミアを親愛するエルクはワクチンを持って持ち場を離れてしまう。これによって「波」の包囲は崩れ、リョースの部下らは病院へ搬送されてしまった。そこで新たにカイトの仲間が協力し、第七相タルヴォスを撃退することに成功する。その後の「波」の追撃によりカイトらはハロルドの残留意識と遭遇、カイトはアウラからクビアと腕輪は表裏一体でありクビアを倒せば腕輪もなくなることを告げられる。直後にクビアに遭遇、苦戦するカイトらは腕輪を破壊することを決意する。その結果、クビアを撃破することに成功するが、その代償として「波」に対抗する唯一の手段である腕輪を失ってしまう。Ωサーバに戻り対策を練るカイトらであったが、第八相コルベニクはそこに現れた。苦戦を強いられるカイトらであったが、アウラと共に駆けつけたオルカ・カズ・楚良ら未帰還者らの助けによりコルベニクを追い詰めることに成功する。しかし、あと一歩のところでコルベニクはドレインハートを発動、バルムンク・ブラックローズがデータドレインされてしまう。カイトにもデータドレインが迫った時、先の自分勝手さを悔いたエルクにより庇われる。仲間らがデータドレインされていく様に決死の覚悟を決めたカイトは、単身コルベニクに特攻する。コルベニクにとどめを刺そうとしたその時カイトの目の前にアウラが現れる。腕輪とクビアの様にアウラもまた八相と表裏の存在、ハロルドの求めた『究極のAI』であるアウラは、最も人間らしい思考「自己犠牲」によってThe Worldを救うのであった。数ヵ月後、八相全てを倒したことでThe Worldは正常を取り戻し、未帰還者は意識を取り戻した。再生したアウラに呼び出されたカイトとオルカは、アウラから『黄昏の腕輪』と同等の力を持つ『薄明の腕輪』を託される。この頃、BBSではカイトとそのパーティは一躍有名になっており、人はいつか彼らのことを『.hackers(ドットハッカーズ)』と呼んだ。デスクトップ上には、以下のメニューが存在する。The Worldには複数の並立するサーバが存在しており、ユーザはそのサーバ間を行き来することができる。これらのサーバには、必ず拠点となるルートタウン(Root Town)が設けられている。プレイヤーがログインする際やフィールドから帰還する際には、必ずルートタウンへ転送される仕様となっており、仲間とのパーティ編成、武器・防具やアイテムの売買、プチグソ(後述)の育成、セーブなどもルートタウンで行うことができる。本作のサーバと、それぞれのルートタウンの名称は以下のとおり。ルートタウンからエリアへ移動する際には、ルートタウン内に存在する転送ポイント「カオスゲート」に対し、エリアワードを入力する必要がある。エリアワードは前半Aパート・中盤Bパート・後半Cパートに区切られており、各々に数十種類設定された文節を組み合わせることで、生成される。それぞれのパートのワードには、敵のレベル・属性・天候などに影響するものも含まれている。無数に存在するエリアの中には、特定のワードで到達できる特殊なエリアも存在しており、多くの場合レアアイテムが隠されている。BBSなどでプレイヤー同士が情報交換を行っていることも少なくない。なお、エリアワードは全てのサーバに共通しているが、使用するサーバによって異なるマップへと転送される。そのため、表記の際はΔ 萌え立つ 過越しの 碧野などのように先頭にはサーバ名を付与することで区別できるようにするのが一般的となっている。プレイヤーは仲間と3人までのパーティを組んで、エリアへ赴くことになる。エリアは、地上フィールドと地下3階程度のダンジョンで構成されており、ダンジョンの最下層にはアイテムを祀る「アイテム神像」が置かれている。特殊なマップでは階層が深くなっていたり、奥にボスキャラクターが存在することもある。エリアマップには黄色い円状のシンボルが点在しており、プレイヤーが近づくと宝箱またはモンスターとして実体化する。実体化したモンスターは、基本的にプレイヤーに向かい襲いかかってくる。フィールドではモンスターから遠ざかることで戦闘から逃げることも可能だが、閉鎖空間となるダンジョン内では逃げる手段は無い。戦闘はややアクション要素を持つものとなっており、モンスターに近づいての直接攻撃、またはスキル(技や呪紋)やアイテムを使用して戦うことになる。プレイヤーは、他の仲間に対して行動指針(作戦)を提示したり、指定したスキルやアイテムを使うよう指示することができる。ただし、サーバの異変によって発生したウイルスバグは、データ自体が通常の敵と異なっており、ダメージを与えることができない。黄昏の腕輪の「データドレイン」(後述)を使ってデータを書き換えなければ倒すことはできない。ゲーム開始後間もなく主人公が手にすることになる黄昏の腕輪には、『The World』にとってイリーガルな機能が秘められている。ストーリー上の扱いに関しては#黄昏の腕輪を参照。主人公にアウラが託した仕様外の得物。通常のプレイヤーでは見えない。ある程度ダメージを与えたモンスターの内部からウイルスコアを除去してデータを書き換え弱体化させる力(=データドレイン)と、システムによって封鎖されたエリアを解放する力(=ゲートハッキング)を持ち、事実上禍々しき波への唯一の対抗手段である。その他にもカラーエディットの変化や、八相のデータドレインによる意識障害からパーティを保護する能力、全魔法耐性向上などの恩恵を受けると同時に、使い方によってはプレイヤー自身に危険が及ぶ可能性もある。また、イリーガルプログラムである性質上、主にシステム管理者からの敵愾心もを受けることは避けられない。なお、腕輪はクビアと表裏一体の関係にあるため、片方が消えればもう片方も消えることとなる。.hackに登場する重要な語句を50音順に記載する。各vol.にてゲームクリア後にプレイ可能となるモード。本編の台詞、メール等がギャグ調に差し替えられたものであり、本編同様フルボイスで進行する(サブイベントなど本筋以外の台詞はそのまま)。サクサク進行出来るように初期レベルが本来よりも高い状態から開始する。本編のシリアスさをブチ壊しにする展開や下ネタ、電波系の台詞の数々が特徴だが、終盤で伏線を回収する形にもなっており、一つのストーリーとしてもまとまっている。脚本は本編と同じく伊藤和典。また、作中の用語が別の名称で定着している場合もある。例を挙げれば「データドレイン」は「奥義暗黒吸魂輪掌破」。「ゲートハッキング」は「超次元・霊界航法」。「ウイルスバグ」は「Uノザワシン」。「ネットスラム」は「ゴミ溜め」など。2005年11月23日発売。本編の時間軸のどこにも属さないパラレルワールドを舞台とし、第1期シリーズのゲームやアニメ等で登場したキャラクターと共に冒険することができる。また、オンラインモードを搭載しており、全国のプレイヤーとの冒険を楽しむことができる。メーカーサイドではオンラインプレイ用のサーバーを用意せず、メーカーが提供するフィールド製作用フリーソフトウェア(パソコン用・無料)を用いて一般のプレイヤーがゲームマスターとなり、ゲームマスターのパソコンをサーバーとして使用するため、プレイヤーはパッケージ料金のみでオンラインモードをプレイすることが可能である。2006年11月末日をもってオンラインモードサービス終了の予定だったが、『.hack//G.U. Vol.3 歩くような速さで』の発売予定日である2007年1月18日まで延長していた。
出典:wikipedia
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