ブルドーザー (Bulldozer) とは、土砂のかきおこしや盛土、整地に用いる建設機械のこと。ブルドーザともいう。トラクターの前面に可動式のブレード(排土板)を装着していて、進行方向に土砂を押しだす。中には後部に土砂や岩盤を掻き起こす爪(リッパ)を装着する車両もある。現在、ブルドーザーを生産している主な会社は、アメリカのキャタピラー社と日本の小松製作所(コマツ)であり、2社で世界市場をほぼ寡占する状態となっている。概して開発途上国ではブルドーザーの需要は高く、先進国では低い。1923年にアメリカ合衆国のカミングスとマクロードにより発明されたのが最初。黎明期のブルドーザーは車輪を用いていたが、後にキャタピラー社が無限軌道(クローラ)を装着した製品を生産するようになり、不整地で活躍する性質から無限軌道が一般的な形態となった。現在では、車輪を用いる機械をホイールローダー、無限軌道を用いるものをブルドーザーとして分けている。日本のブルドーザーは戦前から京都帝国大学で研究されていたが、動く事がほとんどなかった。最初の使用は鉄道省(国鉄)信濃川発電所(現:JR東日本信濃川発電所)のうち、千手発電所関連の工事であり、1940年(昭和15年)頃から使用された。現地責任者であった国鉄の技師三好新八は米国キャタピラー社から何台かのブルドーザーを輸入し工事に使用した。当時、米国と日本は緊張状態にあったが、米軍の制式に指定されたモデル以外は輸入が可能であった。最初の運転は三好本人が行い、マニュアル記載の手順通り行ったところ、一発でエンジンが掛かったことが印象的であったとのことである。太平洋戦争突入以降に軍から技術者が派遣され、現地で本輸入機のスケッチが行われたこともあった。戦争初期に日本海軍がアメリカの拠点を占領した際、米軍が乗り捨てて行ったブルドーザーを発見。何に使うものか見当がつかない所を、捕虜にされた米軍の工兵隊が動かしてみせたのがブルドーザーと日本人の本格的な出会いである。この際日本軍側は米軍捕虜に200-300人の労働力提供を申し入れたが、何を行うのかと聞かれ、飛行場の修理だと伝えると、それなら10人程度で大丈夫だと答えたと言い、実際にそれをやってのけた。当時機動部隊の参謀長であった草鹿龍之介によれば、国産のブルドーザーはパワーもなく、しかも無理をすると無限軌道が切れてしまうような代物であり、詳しい事はわからないがとにかく比較にならない性能差があり、これでは戦争も難儀であろうと言う感想を抱いたと言う。またこれまで肉体作業でやって来た土木工事を、短時間で大量にやってしまうブルドーザーを見て、海軍の関係者は「これ程技術と作業速度に差があるなら、日本はアメリカとの戦争に負けるだろう」と悟ったと言われている。このブルドーザーは小松製作所に送られ、国産化する為の研究が行なわれた。開発期間を短縮するため既に存在していたG40型ガソリン牽引車に油圧ドーザーブレードを追加したものが「小松1型均土機」として海軍設営隊に採用され、1943年から約150台が生産された。小松1型均土機は、コマツテクノセンター(静岡県)に一台が保存されており、日本機械学会の認定機械遺産となっている。なお、陸軍は火砲牽引車にドーザーを付けたトイ車を採用し、終戦までに80台が生産された。なお、終戦後の復興に際し、GHQの指示で旧日本軍戦車を改造した即席のブルドーザも製造され、復興作業に従事活躍している。現在製造している会社(日本国内)は以下の通り。過去に製造していた会社は以下の通り(日本メーカーのみ)。などブルドーザーは軍用でも用いられる。陣地や塹壕の造営といった任務だけでなく、敵の築造した塹壕やバリケードといった障害の排除にブルドーザーが有効だからである。イスラエル国防軍は、米国キャタピラー社ののキャビン・エンジン、その他を装甲し、機関銃・発煙弾投射機・擲弾発射機などを取り付けたものを多数保有し、新規入植地など紛争地帯で敵対勢力の立てこもる家屋を壊す一種の兵器として使用している。2003年にはガザ地区で抗議活動を行っていた米国人女性レイチェル・コリーが同車に轢かれて死亡する事件が起こっており、このため米国内ではD9のイスラエル向け輸出に対する反対運動が起きている。D9装甲ブルドーザーのように民生品を改造したブルドーザーがある一方で、最初から軍用として開発されたブルドーザーもある。一般的にブルドーザーの最高速度は遅いが、アメリカ軍のM9ACEは戦車と同等の速度と航続距離を持ち、最前線に進出して塹壕を兵士ごと埋める戦法を行った。陸上自衛隊が保有する75式ドーザは、砲煙弾雨の中で作業できるように弾片や小銃弾に対する装甲が施されている。また、ブルドーザーを保有せずとも、工兵車両や戦車などの装甲戦闘車両にドーザーブレードを装備して、整地や塹壕掘り、バリケード破壊などに用いられる事も多い。この他、イラン・イラク戦争における第5次ヴァル・ファジュル作戦では、イラン側が日本製ブルドーザーを投入、ドーザーブレードで銃弾から歩兵を守る盾となった。ブルドーザーの建設現場に於ける活用方について順序立てて解説するための短編映画が2本制作されている。何れも建設技術教育映画製作委員会の企画の下につくられた「建設技術教育シリーズ」の一作品としてラインナップされている。2本ともニッポン報道映画社が制作にあたったが、制作に際し建設省(現・国土交通省)の監修を受けているほか、建設広報協議会や全国工業高等学校長協会などからの後援を、そして小松製作所からの協賛を、それぞれ得ている。現在は2本とも科学映像館(NPO法人・科学映像館を支える会)のWebサイト上に於いて無料公開されている。
出典:wikipedia
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