ナイキアディライト () とは日本の元競走馬である。2003年に羽田盃、東京ダービーの南関東三冠のうち二冠を制したほか、日本テレビ盃、かしわ記念とダートグレード競走の統一GIIで2勝を挙げる(格付けは当時)など重賞12勝を挙げた。馬名は冠名「ナイキ」+「a Delight」=「歓喜」である。デビュー戦は2002年9月20日。船橋のダート1000メートルのJRA認定競走の新馬戦で石崎隆之騎手鞍上で後続に4馬身差をつけ、デビュー勝ち。続く特別戦でも連勝、ここで中央競馬の交流競走に出走、中山の芝1600メートルの特別戦に2走するが、6着、8着とそれぞれ敗れる。1月の重賞ブルーバードカップを後続に5馬身差をつけ逃げ切り、重賞初勝利を挙げると、続くトライアルの京浜盃で後続に4馬身、南関東三冠の羽田盃、東京ダービーで後続に5馬身差をつけ逃げ切りダートでは無敗のまま二冠を達成。続くジャパンダートダービーで三冠を狙うが、ビッグウルフ、ユートピアとの壮絶な死闘の上、3着に敗れる。秋はJBCスプリントから始動するが、7着に敗れ、続く京成盃グランドマイラーズでも1番人気に支持されるものの、トーシンブリザードやノムラリューオーに早めに競りかけられ、エスプリシーズの7着に敗れる。1月の報知オールスターカップでもエスプリシーズに9馬身半離される5着に敗れ、更に報知グランプリカップでも3着に敗れるが、一息入れ、テレビ埼玉杯を叩いて挑んだかしわ記念で追いすがるトーシンブリザードを振り切って逃げ切り。ダートグレード競走初勝利を挙げる。帝王賞でも逃げて、単勝1.3倍の圧倒的1番人気のアドマイヤドンとのマッチレースに持ち込むが、わずかハナ差さされて2着に敗れる。このとき、実況の及川暁アナウンサーは「ナイキアディライトも頑張った」とその健闘を称えた。秋は日本テレビ盃でこの年の東京ダービー馬のアジュディミツオーをマッチレースの末退けダートグレード競走2勝目を挙げるが、JBCクラシックではユートピアにハナを叩かれ9着に大敗。久しぶりの中央挑戦となったジャパンカップダートでも大敗した。4月のマイルグランプリから始動。これまで騎乗していた石崎隆之騎手が負傷のため、息子の石崎駿騎手に乗り替わったものの、楽に逃げ切って重賞勝ちを収めると、この年から統一GIとなったかしわ記念で再び石崎隆之騎手に戻り連覇を狙うが、序盤サクラハーンに、3コーナーから4コーナーにかけてメイショウボーラーやアドマイヤドンに絡まれて直線失速、3着に敗れる。更に帝王賞に。1番人気に支持されたものの、再びサクラハーンに絡まれて直線失速、3着に敗れる。秋は日本テレビ盃から始動するがサカラートに完敗の2着。更にJBCクラシックはゲートインにてこずり(後述)9着と惨敗すると、東京大賞典でも11着と大敗した。2月の報知グランプリカップは勝ったものの、マイルグランプリ、かしわ記念と結果を出すことができず、放牧。その間に同じ船橋の川島正行厩舎に移籍した。移籍初戦の埼玉新聞杯は内田博幸騎手鞍上で快勝するが、JBCマイル、東京大賞典はいずれも大敗した。主に南関東のローカル重賞を中心に使われ、内田博幸騎手が乗った京成盃グランドマイラーズ、日本テレビ盃(この年は馬インフルエンザの影響でダートグレード競走ではなく、ローカル重賞扱いだった)、テレビ埼玉杯と重賞3勝を挙げるが、内田博幸以外の騎手が乗ったレースではJBCスプリント6着をはじめ勝つことができなかった。8歳になると春、秋ともに、逃げて失速のレースを繰り返し、遂に、12月24日、浦和競馬のオーバルスプリントを最後に現役を引退した。引退後は優駿スタリオンステーションで種牡馬入りし、2009年より供用開始。しかし2年目には早くも種付け頭数が3頭になり、2010年限りで新冠町の太平洋ナショナルスタッドに移動する。2005年11月3日のJBCクラシックで他馬がすべてゲートインしたにもかかわらず、全くゲートに入ろうとせず、遂にはゲートの前でしゃがみこんでしまった。そのため、係員が何とかゲートに入れようとしたが、立ち上がろうとせず、係員は尻の部分を足で蹴ることで立ち上がらせようとした。この様子が全国放送でオンエアされたために問題となり、翌日には地方競馬全国協会公式WEBサイトに名古屋競馬の開催執務委員長名で関係者及び競馬ファンに対するお詫び文が掲載された。ゲートインに手間取った結果、既にゲートに入っている馬も一度出してゲートインがやり直しとなり、予定されていた生ファンファーレが2回目は行えず、事前に録音されたものが使用された。また、発走が大幅に遅れたため、放送予定枠に収まりきらず、全国放送がレースの途中で途切れるという珍事となった。

出典:wikipedia