『お荷物小荷物』(おにもつこにもつ)は、1970年10月17日から1971年2月13日まで、朝日放送(ABC)製作でTBS系列で放送されていたドラマである。シュールなブラックユーモアをちりばめ「脱・ドラマ」「脱・ホームドラマ」と呼ばれたアバンギャルドなテレビ番組と評される。「脱ドラマ」であるため、ドラマ中に、主演の中山がハンドマイクを持って、共演者やスタッフにインタビューする場面もあり、プロデューサーの山内久司が顔出しして、中山からインタビューを受けたことがあった。また沖縄県の基地問題・アイヌ問題・天皇制などを題材にするなど社会派作品としての面も持つ。テレビドラマの約束事を打ち破る手法で人気を博したが、有識者からは有害番組と評された。フランス映画『彼女について私が知っている二、三の事柄』から影響を受けているとされる。脚本を担当した佐々木守は、「脱・ドラマ」を意識していたわけではなく、脚本を制作側で膨らましていったため、自身もエスカレートしていったことを述べている。各話のサブタイトルは、1話を除いて、2話から11話が運送業界に於ける専門用語を交えたもの、12話から18話(最終回)までが、3つの単語を並べたもの(単語はいずれもストーリーに関連したもの)になっている。収録は大阪のABCセンターで、行われていた。最終話では、滝沢家の倒壊シーンで実際にセットを引き倒しており、これをラストシーンとしている。横浜の放送ライブラリーで、最終回が閲覧できる。義役の浜田光夫は、本作品で初めてテレビドラマでの手応えを感じて、脚本を手がけた佐々木守を敬愛するようになり、後に佐々木が脚本を担当する『アイアンキング』への出演につながった。東京の下町にある「滝沢運送店」は、滝沢忠太郎を頭とする男7人家族が営む男尊女卑をモットーとする運送店である。この店に米国統治下の沖縄から上京した「田の中菊」が、住み込みのお手伝いとして働き始めた。菊は実は「今帰仁菊代(なきじん・きくよ)」という名であり、4年前に滝沢家でお手伝いをしていた「洋子」の実妹である。洋子は仁と恋に落ち、結婚の許しを仁と忠太郎に請うのだが、一方的に捨てられてしまった。失意のうちに沖縄へ戻った洋子は、仁との間にできた子供(仁一)を産むとすぐに死んでしまった。菊代(菊)は姉の復讐を果たすとともに仁一を滝沢家に認知させるために、素性を隠して滝沢家に潜り込んだのだった。菊は男たちのしごきに耐え、得意の空手を駆使しながら、男たちを手玉にとり、次第に彼らを懐柔していくのだった。本作の劇中音楽は、アメリカから帰国して間もない新進気鋭のジャズピアニストにして作曲家の佐藤允彦によるもので、中でもオープニングに流れるテーマ曲は、小西康陽などと言った有名なアーティストに少なからず影響を与えた。後に小西康陽はNHKの「トップランナー」と言う番組で「小西康陽とGroove Room Orchestra」としてこの曲を演奏し、さらにワックワックリズム・バンドもこの曲をカバーした。なお、このテーマ曲は2012年7月25日に発売された「『お荷物小荷物』音楽編」で聴く事が出来る。
出典:wikipedia
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