『ママトト -a record of war-』(-ア レコード オブ ウォー)とは、1999年7月1日にアリスソフトが発売した18禁のシミュレーションロールプレイングゲーム(以後、SRPGと略す)である。当時の定価は8500円(アリスCD付属)であったが、これはすでに生産を終了した。ただし、その後2003年9月26日に廉価版(定価2800円)として再発売された。本作は全20章で構成される章クリア型のSRPGである。各章の始めに戦闘があり、その後内政、アドベンチャーモードと続き、これらが繰り返されてゆく。これら戦闘・内政・アドベンチャーモードの各場面で発生したことが、それぞれに影響し合ったりもする。そして、それによってエンディングも変化する。数百年前に、城ごと移動して敵の城に横付けして攻め込むことを目的に開発された移動要塞。この移動要塞同士が戦いを続ける世界。各国とも自国の勢力拡大のために戦争を続けているのである。さらに今では国家だけではなく、モンスターの中にも移動要塞を操る者が出てくるほど移動要塞は一般的なものになっている。敵の要塞に横付けするための接城橋の高さが世界共通規格になっていることからも、移動要塞がいかに一般化しているかがうかがえる。そんな中に、国土すら持たず小さな移動要塞1つだけが全ての「ママトト」という国があった。当初は移動要塞ママトトの性能(主に機動力の高さ)と、カカロやストーリン達の力により優位に立っていた。他国を侵略して略奪を行うことにより、ママトトは必要な物資を調達したのである。しかし、延々と続く戦いは徐々にママトトの力を弱めていった。今や脆弱なこの国は、ママトトの卓越した移動速度と、智将と謳われる若き将軍ナナスの手腕で生き延びているに過ぎなかった。しかしある日ナナスは、キッズという魔法生物の開発に成功する。すでにママトトは大陸の南東に追い詰められていたが、新開発の「キッズ(説明後述)」を少ない武将に加えて利用し、大国に挑もうというのである。本作の戦闘は、用意された各マップをタクティクス風の戦闘でクリアする形式である。大きく分けて20章に別れているが、それぞれの章に複数のマップが用意されているため、実際の戦闘の回数はもっと多い。それぞれのマップには個別の勝利条件があって、敵を1体見逃しただけでゲームオーバーになるマップもあれば、必ずしも敵を倒す必要のないマップ(中には1体の敵も倒さずに撤退しても良いマップ)まで存在する。また勝ち方も1通りではなく、ゲームオーバーになる条件にさえ当てはまらなければ、各々のプレイヤーの流儀で戦闘を進められる。このゲームでは、幾つかのマップが組み合わせてられていて、最終的にゲームオーバーにさえならなければ良い(負けなければ良い)ので、どのように勝つかについては自由度が高いのである。例えば、初戦(1つ目のマップ)で敵を全滅させても良し、2つ目のマップで敵を全滅させても良し、移動要塞ママトトの耐久力を下回らない程度に敵を見逃しても良しと様々な勝ち方がある。他にも武将にはそれぞれ個性があり、キッズも数種あって能力が違う上に、さらに育て方によってパフォーマンスが変わってくるため、それらの組み合わせ方は色々考えられ、これが勝ち方のパターンをさらに増やす。かと思えば、使用できるキッズや武将は有限なので、各章での用兵のペース配分の他にも、20章全体を見通した用兵のペース配分まで必要な奥深さもある(ただし、20章全体のペース配分に関しては、番外編のシナリオに当るモンスター討伐を行うことで資材の補給が可能という救済措置が講じられている)。このように、本作の戦闘は一言では言い表せない面がある。なお、相対する武将の組み合わせによっては、特別なイベントが発生する場合などもあり(わかりやすい例では、戦闘マップで特定のイベントを発生させてはじめて仲間になるキャラクターがいたりすることなどもあり)、これがその後の戦闘などに影響を与え得る。また、各章の戦闘の前に与えることができる「ナナスポイント」で、ナナスポイントを与えた武将の必殺技の使用可能回数を増やすことができるのだが、どれだけのナナスポイントを誰に与えたかがアドベンチャーモードにも影響を与え、エンディングまでも左右するなど、どのように戦闘をこなしたかによる影響が出るのも本作の戦闘の特徴である。ママトトの内政では、移動要塞ママトトのメンテナンス(ダメージの回復)、武将のための武器開発、キッズの生産環境の調整(プラントの調整)、そしてママトトの武将の装備変更や状態確認などを行う。このうちママトトの武将の装備変更や状態確認は、基本的に戦闘の準備の時に行うこともできるのだが、不測の戦闘が発生した場合などでは戦闘の準備の機会なくいきなり戦闘に突入する場合もあるので、比較的重要な作業と言える。また、キッズの生産は自動的に行われてしまうのでここでのプラントの調整は重要だし、移動要塞ママトトのダメージの回復を怠ってママトトが破壊された場合はゲームオーバーになってしまう。なおこの他に、戦闘によって獲得したカード(キッズや武将の武器の作成、召還魔法の使用によって消費されるカードで、敵を倒すとランダムに手に入る。ただし、何の役にも立たないカードも存在する)の鑑賞、各種イベントの時に見たCGの鑑賞、音楽(BGM)の鑑賞が行える。ただし音楽の鑑賞にだけは、最低一度は最終戦までクリアしていないと入れない(ちなみにCD-DAでしか用意されていない曲があるので、MIDIでBGMを再生している時は全曲を鑑賞することができない)。また武器研究所を作っていない場合、武器の開発も不可能。本作のアドベンチャーモードは、ナナスとカカロが女性キャラクターと話をすることで進められる。しかしどちらか片方のみ進めていても、話が進行しない場合しばしばがある。つまり全てのキャラクターを攻略するには、ナナスとカカロが同時にイベントを進めなければならない(本作では、ナナスの立場でイベントを進めるモードを「ナナスモード」、カカロの立場でイベントを進めるモードを「カカロモード」と呼ぶので、以後それに従う)。ナナスモードは純愛シーン中心となり、カカロモードはハードな鬼畜シーンが中心である。ここで、例えば純愛シーン中心のナナスモードだけを進めようとしても、キャラクターによってはカカロモードが進んでいることが条件となっている場合があるので、必然的に鬼畜シーンを見なければならないことがある。また逆に、カカロモードを進めようとしても、キャラクターによってはその前段階として途中までナナスモードで進めなければならないようになっている。もちろんキャラクターによっては、カカロモードとナナスモードが互いにほとんど影響を及ぼさない場合もある。それとは別に、他のキャラクターの進行度合いが影響を及ぼす場合もある。さらに、先述の通りナナスポイントが影響を与える場合もある。なお、カカロモードとナナスモードはともに実行回数に制限(各章につき2回ずつという制限)があり、このためそれぞれのモードを進めようにも実行回数制限で進められなくなる場合もある。本作には、アリスソフトの別な作品にも登場する人物が登場している。しかし、マニュアルの「あいさつ」(マニュアルの3ページ目)に書かれてある通り、本作はパラレルワールドの形式を取っているため、他の作品とは特別な関係は無いものとして解説する。キッズとは、ナナスが新たに開発した魔法生物である。キッズは大きく分けて7種類ある。なお、キッズにはグレードというものが存在し、グレードが上がると強さや動作などが変わる。ただ、いずれのキッズも耐久力以上のダメージを受ければ死亡するし、1度出撃するとエネルギーを使い果たして寿命を迎える。また先述の通り、キッズを作るためには必ず専用のカードが必要であり、無限にキッズを生産できるわけではない。さらに、キッズが正常に動作しない場所もあるなどの理由で、全ての局面でキッズを使えるわけでもない。したがって、ママトトはキッズの開発に成功したことで人材不足を補えはしたが、キッズだけで人材不足が解消するわけではないのである。それでも兵力を比較的容易に補充できるので、ママトトは反転攻勢に出ることが可能になった。なお、何体のキッズを同時に率いることが可能か(部下数)は武将によって違い、これも武将の個性の1つである。それから、キッズを作り出すプラントは移動要塞ママトトの中に作らないとならないわけだが、ママトトは小型の要塞であり、プラントを設置できる場所も限られている。キッズのグレードを上げるためにはプラントの増設が必要なのだが、増設するにつれて狭い場所にどうやって配置するか考えなければならず、その意味で本作にはパズルの要素もあると言える。キッズの用法・グレードアップの仕方も1通りではないので、これが本作における戦略の立て方の自由度を上げる要素の1つになっている。以下、各キッズの解説。
出典:wikipedia
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