『ビーファイターカブト』は、1996年(平成8年)3月3日から1997年(平成9年)2月16日までテレビ朝日系列で毎週日曜8時00分から8時30分(JST)に全50話が放送された、東映制作の特撮テレビ番組、および主人公が変身するヒーローの名称。「メタルヒーローシリーズ」の第15作にあたる。前作『重甲ビーファイター』の好評を受け、本作品はその正式な続編として制作された。タイトルのヒーロー名を引き継いでの続編は、シリーズ中では本作品が唯一である。主人公が高校生であり、「若さ」や「青春」といった要素、正義側の日常生活や学校生活が物語に描かれている点もシリーズの中では特徴的となっている。前作で「ビーファイター」とは集団ヒーロー名を指す言葉だったが本作では個人ヒーローの名前になっている。本作は集団ヒーローであるがそれを指す言葉は特にない。前作のビーファイターのスーツが、随所にメカを織り交ぜた左右非対称のデザインなのに対して、本作品に登場するビーファイターは、複雑な造形を廃したシンプルでよりヒーロー然としたデザインとなっている。敵に対しては前作の敵が比較的人間性を帯びていた者が多かったのに対し、本作品の敵であるメルザード一族はいずれも冷酷で非情な存在と、徹頭徹尾悪役として描写されている。その他、各ビーファイターや武器の名称に日本語が使われていたりと、子供に分かりやすく、前作以上に低年齢層向けとしての側面が強調されている。中盤からは前作の初代ビーファイターと老師の登場、敵味方を問わず登場した新たなビーファイターの攻防戦、巨大ロボットの総力戦で、物語の展開を盛り上げた。一方で連続性が強くなり、ゲスト怪人の登場頻度は少なくなっている。しかし商業的には前作に及ばず、次回作では従来のバトルアクション路線からの大きな方向転換を余儀なくされた。プレックスのデザイナーによると、後番組は本作の続編の「シーファイター」が提案されその時点では本作までと同様バトルアクション路線だったもののスーパー戦隊シリーズとイメージが重なり、視聴率が頭打ちになっていたこともあってその話も立ち消えとなり、最終的にはコメディ路線のカブタックになったとのことである。ちなみに、中盤に登場した「カブテリオス」の売り上げは、好調な売れ行きを果たした。前作『重甲ビーファイター』の1996年2月終了から5年後という事から本作の時代設定は2001年であるが、放送当時の1996年の趣もある。広義の「メタルヒーロー」としては後続番組の『ビーロボ カブタック』や『テツワン探偵ロボタック』も含まれるが、本作品が最後のメタルヒーローとする見解も存在する(メタルヒーローシリーズ#概要を参照)。プロデューサーは堀長文が『刑事追う!』を担当するためにシリーズを降板、正式に日笠淳がチーフとして就任した。ライターの宮下隼一や鷺山京子は前作から続投だが、鷺山は本作品を最後に東映特撮から卒業している。他のローテーションライターも、扇澤延男、小林靖子など前作と同じ顔ぶれが揃った。監督陣は前作から引き続き続投の三ツ村鐵治と金田治に加え、スーパー戦隊シリーズより移動した東條昭平が『特警ウインスペクター』の序盤以来6年ぶりにシリーズのメイン監督として指揮を執る。このうち東條、三ツ村の両名が、本作品を最後にテレビ作品の演出から退くことになった。また前作まで助監督兼任だった石田秀範が本作品より正式にローテーション入りを果たし、最終話を担当するなどの活躍を見せる。音楽は前作にて主題歌・挿入歌の作編曲の殆どを手がけた石田勝範が起用され、本作品では主題歌の編曲を手がけた川村栄二と入れ替わる形となった。また本作品の主題歌はそれまでスーパー戦隊シリーズに参加していた樫原伸彦が手がけた他、挿入歌には前作の主題歌を担当した石原慎一や遠藤正明が担当している。また『宇宙刑事ギャバン』からメタルヒーローシリーズで一貫してメインの撮影技師を務めてきた浄空(瀬尾脩)は本作の第41話を最後にシリーズを降板し、後進に道を譲っている。次作『ビーロボカブタック』のオリジナルビデオ作品『クリスマス大決戦!』では、ビーファイターカブトが『ビーファイター』のブルービートと共にゲスト出演しており、声も本編同様に中里栄臣が担当している。ただしビーファイターカブト本人が登場した訳ではなく、同じく顔出しで出演している中里も、「鳥羽甲平」役としての出演ではない。第6話から、同時期に放映された『激走戦隊カーレンジャー』と共にファインネガビデオシステムが採用され、送出マスターもフィルムからVTRに変更された。それと同時にOP・ED・予告のみ、シリーズ初のステレオ放送となった。『宇宙刑事ギャバン』以来、長年最終回のEDは通常と同じものだったが、本作品では最終回のEDを本編と一体化させており、曲もOP曲のフルコーラスが使用された。スーパー戦隊シリーズでは既に定着していた方式であるが、本シリーズでは初の試みである。地球侵略を企んだ異次元侵略軍団ジャマールがビーファイターの活躍によって壊滅し、地球が平和を取り戻してから5年。ジャマールに代わる新たな悪の軍団メルザード一族が2億年の眠りから覚め、絶滅した生物を怪人として甦らせ、侵略を開始した。一方アースアカデミアから発展したコスモアカデミアの日本支部では、この時を予兆していたかのように新たなインセクトアーマーを開発、装着者に選ばれた橘健吾と鮎川蘭を戦線に向かわせる。そして最強の力を誇るカブト型アーマーの装着者となったのは、メルザードの攻勢の中、勇敢にも彼らに立ち向かった高校生・鳥羽甲平だった。地球上に生きる命を守るため、今また新たな3人のビーファイターが誕生した。やがて彼らは2億年に渡る光と闇の戦い「超次元昆虫伝説」に導かれ、光の戦士たちが結集する。初代ビーファイターの戦いの後、アースアカデミアはコスモアカデミアに発展拡大し、未知の敵に備えさらに強化された3人のビーファイターが誕生した。初代同様、ネオインセクトアーマーは命と心を持ち、ビーファイターとなるべき人間を自ら選ぶ。異次元侵略軍団ジャマール壊滅から5年後に現れたマザーメルザードとその子供たちで構成される悪の超軍団。2億年の眠りから目覚め、地球の全生命を抹殺すべく、地上を侵略する。超巨大要塞・メルザードスを本拠地としている。かつて自ら生まれ出でることを拒んだマザーメルザードの子たちが、新ビーファイターと同様のインセクトメダルのパワーを元にして誕生した邪悪な昆虫戦士。初代ビーファイターの装備については、重甲ビーファイター#ビーファイターの装備・戦力を参照。初代ビーファイターが使用していたインセクトアーマーをベースにしてコスモアカデミアが開発した次世代強化服。人間と一体化することで起動する外骨格生体甲冑であり、キチンを元に作られた疑似甲殻細胞にチタン、タングステン等の金属イオンを吸着させ、特殊硬化させたインセクタイト・マテリアルに、ジルコニューム、珪素をコーティングして強度を高めたネオインセクタイトが外装甲として用いられている。動力源はアーマー肩部のグリッドから吸収した大気中のイオンエネルギーが内部でプラズマ化して使用されている。また、過去のメタルヒーローシリーズ(レスキューポリスシリーズ、『ブルースワット』)同様にヘルメットが着脱可能なものとなっているが、実際の描写は第1話でのカブトのみ。初代ビーファイターにあった、敵を分析するビートスキャンも健在。新ビーファイターたちが使用するのは、コスモアカデミアの各支部が開発したプロトタイプアーマーに、異次元から飛来した4つのインセクトメダルに秘められた昆虫の精を注入して完成させたネオインセクトアーマーTYPE-IIである。ネオインセクトアーマーを装着するための変身用デバイス。下部のスロットにインプットカードを挿入し、音声コードを入力することで、超重甲、ネオビートマシン、ロードビートルの発進等を行う。ネオインセクトアーマーは内部に縮小圧縮されて封入されており、超重甲コードを入力すると声紋識別装置で着用者かどうかを確認し、展開した角が空気中のイオンエネルギーを吸収。アーマーは元のサイズに膨張し、0.1 - 0.15秒で着用者の体を包む。戦闘後は内部でアーマーを自動的に修理する。通信機としても使用可能。ジャドーマザーラ打倒後、光の意思の力によって消滅した。初代ビーファイターのメカニックについては、重甲ビーファイター#ビートマシンを参照。他の特撮作品での巨大ロボットに相当する戦力。超次元昆虫伝説とは、永きに渡る光の陣営と闇の陣営との戦いの記録である。ビーファイターとメルザードの戦いの背景とされ、そして初代ビーファイターとジャマールとの戦いの発端ともなっている。遥か昔、高次元に生命と誕生を司る光の意志と、全てを破壊し無に帰す闇の意志の2つの意思があった。この2つの意思は2億年もの長きに渡って戦い続け、幾多の星がその犠牲となった。最終的にはカブテリオスとクワガタイタンが闇の意思を倒し、宇宙に平和がもたらされた。だが闇の意思は死に際に、自らの遺志を継ぐ破壊の存在として子孫を残していた。それが初代ビーファイターの仇敵ガオーム、そしてマザーメルザードである。一方で光の意志の陣営の子孫が現代に生きる昆虫たちとされ、そして光の意思を受け継ぐ現代の光の戦士が、老師やビーファイターなのである。また、カブテリオスは闇の意志を倒した後、悪用を防ぐために光の意志により封印されたが、この封印として用いられたのが8つのインセクトメダルである。初代ビーファイターがジャマールを倒した際に次元が割け、そこから地球上にもたらされたメダルによって、4人の新ビーファイターと4人のビークラッシャーが生み出された。従来のメタルヒーローシリーズに存在していたナレーターは本作品ではキャスティングされておらず、本編及び次回予告のナレーションを小山内勝役の山口良一が担当していた。前作では劇伴曲を川村栄二が、主題歌の編曲を石田勝範が担当したが、本作では逆転している。本作ではシリーズで初めてサウンドトラック・アルバムが第2巻まで発売された。これに伴い、シリーズ初の劇伴全曲の商品化を達成しているが、挿入歌のインストゥルメンタル版の一部が未音源化となっている。重甲ビーファイターと同じく、『ビートルボーグ・メタリックス』として編集されアメリカで放送された。日本版と違い、前作の少年たちが引き続き登場する。また、日本では発売されなかった「ボロン(クワガタイタン)」の玩具も売り出された。この他、後年制作された『パワーレンジャー・ワイルドフォース』において、ビーファイターシリーズの着ぐるみが意外な形で再登場している。
出典:wikipedia
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