足利 義維(あしかが よしつな)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての人物。室町幕府第11代将軍・足利義澄の次男(※実際には12代将軍・足利義晴より年長で長男とされる、後述参照)。第10代将軍・足利義稙の養子。第14代将軍・足利義栄の父。堺公方・平島公方と呼ばれた。一般的には「足利義維」の名で広く知られているが、生涯の間に数回改名している。※以下、本文中では原則、記事題名となっている「義維」で統一する。永正6年(1509年)、足利義澄の次男(※実際には長男とされる、後述参照)として生まれる。阿波国守護・細川之持の庇護の下で成長する。大永7年(1527年)、桂川の戦いで三好元長・細川晴元らと共に、兄の第12代将軍・義晴を擁する細川高国を打ち破って近江国に放逐し、堺に居ながら京都および山城国・摂津国を実効支配した。義維は将軍には正式にならなかったが朝廷から同年7月13日に従五位下・左馬頭に叙任されており、次期将軍として約束されていたため堺公方(または堺大樹)と呼ばれるようになる。しかし、天文元年(1532年)に後見人の三好元長が細川晴元により自害に追い込まれ、自身も自殺しようとするが、晴元に制止され、堺公方は崩壊する。とは言え、この5年間の義維は、実質上幕政の中心にいたと考えられるという説もある。その後、阿波国へ渡り、阿波守護・細川之持に庇護された。阿波では、西光寺にまず入り、天龍寺の荘園平島荘に遷って行った。阿波では3千貫の所領を得るが、天文22年(1553年)、三好実休が之持の子・持隆を謀殺した事件に激怒し、天文24年(1555年)4月に阿波国を去って周防大内氏の下へと移るが、永禄6年(1563年)頃に三好長逸らの手引きにより帰国する。またこの頃、中風になる。永禄8年(1565年)、松永久秀らによる永禄の変で甥の義輝が謀殺され、永禄9年(1566年)に三好三人衆に「松永対治の御教書」を出した。のち久秀に擁立されて将軍となった嫡子・義栄を後見する。ついで織田信長に擁された足利義昭との決戦を摂津国にて用意するも、その最中に義栄が病死し、再度阿波国に引き上げた。天正元年(1573年)10月8日に死去した。享年65。野史では、義維と義冬とで別人の扱いとなっている。木像は、京都の足利家が所持し、それを模造した像が、阿南市立阿波公方・民俗資料館に所蔵、養父足利義稙、長子足利義栄の像とともに常設展示されている。義維は義晴より年上とされているが、嫡男扱いも兄の扱いもされずに次男とされている。これに関しては諸説がある。まず、義晴の出生が永正8年(1511年)であることは間違いなく、多くの史料によって立証されている。これに対して義維の出生年に関しては諸説がある。義晴と同年の兄とされていれば、1歳上の兄ともされてもおり。ただし永正6年(1509年)生まれの説もあり、播磨の下向に関しては高代寺の記録にもある。また義維の家臣だった者の子孫の記録、義維の孫にあたる義種の記録によると、「義維は65歳で天正元年十月八日に没した」と記録されており、この年齢を逆算すると永正6年となる。最も義種は義維死去の翌年(天正2年(1574年))の出生で、この記録も前者は寛永2年(1625年)に、後者は寛永6年(1629年)9月に記されたものであり、信頼性に関して疑問が持たれているのも事実である。このため義晴が嫡男扱いされているのは、生母の違いがあるためではないかとする説もある。歴代の将軍正室に迎えられた日野家の所生たる義晴に対し、足利一門で最高の家格を持つものの、足利氏の分家に過ぎない斯波氏を生母とする義維。義維の母(斯波氏)の位置付けが、日野氏の上に成るとは考えにくく、そこから年齢の順に関係なく義晴・義維の序列が決まってしまったというものである。ただし、義澄正室の日野永俊娘(安養院)は、永正2年(1505年)に義澄と事実上離縁(出家)しており、年代的に安養院が義晴生母とは考えにくい。さらにそもそも義晴生母は阿与という御末(雑仕女)であったという説もある。また義晴が義澄の継室とされる六角氏の所出(「武衛娘」とあるので斯波氏娘と同一人物ともされる。この場合、義晴と義維は同母兄弟となる)であったとしても、義維の生母(とされる)である斯波氏の方が家格は高い。このように生年からも生母の身分からも義維のほうが遥かに嫡出の男子と言えるため、結局のところ義晴と義維の年齢差に関しては不明である。また、佐竹系図によると、義晴は、「今出川(義稙)ノ爲猶子。義高ノ御息。」とあり、義稙の意思で義晴が将軍襲位したとも考えられる。ただし、平島公方側の史料『足利家系譜』には、「実は、義維は、十二代将軍義澄の長子なり」と有り、『平島記』には、「義晴を将軍襲位させるために高国が、兄弟順を偽って襲位させた」云々とある。『足利将軍列伝』(秋田書店)
出典:wikipedia
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