海技士(かいぎし)とは、船舶職員及び小型船舶操縦者法で規定する、主に大型船舶の船舶職員が有さねばならない国家資格の総称である。 海技士の保有を証明して交付される公文書を海技免状という。 この資格を保有する者は、小型船舶操縦士と同様に海技従事者である。いわゆる大型船舶に船舶職員、すなわち船長・航海士(甲板部)、機関長・機関士(機関部)、通信長・通信士(無線部)として乗務するには、海技士の資格を有していなければならない。通常の大型船舶には甲板部が必ず存在するので、海技士 (航海)の乗務は必須である。 ただ帆船などで推進機関を有さない場合は、機関部がないので海技士 (機関)は不要である。 また無線局を開設していても無線部を要さない船舶の場合は、海技士 (通信)や海技士 (電子通信)は不要であり、必要に応じ無線従事者の資格を有する者が乗船していればよい。船舶職員及び小型船舶操縦者法(以下「職員法」とする)では、その船舶の種類や航行区域などに応じて、船舶職員として乗り組ませるべき海技士の種類と等級を定めている(第2章第3節)。 なお船員法第1~2条によれば、船員は船長、職員、部員の3種類に大別され、事務長や事務員あるいは船医なども「職員」に含まれるが(船員法施行規則第2条)、海技士の免許を必要とするのは職員法上の「船舶職員」のみである。所有する資格で執務できる種別や等級が存在しない船舶では、船舶職員としての勤務はできない。また必要な海技士資格の所持は、船舶職員としての雇用を保証するものではない。 なお部員として乗務する場合は、法規上は海技士の資格を要さない。必要な海技士免状を所持していても、大型船舶への乗り組みには下記のような制限があり、また併務や兼職が可能な場合もある。当項目では各海技士が乗り組める船舶の種類について、資格ごとにその概要を示した。 詳細は職員法施行令第5条(乗組み基準)および別表第一(配乗表)を参照。「無線電信等の船上保守」、「無線電信等の陸上保守」、「無線電信等の二重化」、とは、船舶安全法施行規則第60条の5から第60条の8までの規定に基づく船上保守、陸上保守、設備の二重化、であつて、無線電信等について講じるものをいう。「インマルサット無線設備」とは、無線電信等のうち電波法第6条第1項第4号の船舶地球局の無線設備であるものをいう。「インマルサット無線設備の二重化」とは、無線電信等の二重化のうち、インマルサット無線設備を有する船舶が、予備の無線電信等として、インマルサット無線設備を備えることをいう。職員法施行規則第60条の8の3で規定する船舶に船長又は航海士として乗り組む者(の全員)は、海技士資格の他に第60条の8の4に定める無線従事者の資格を有していなければならない。海技士 (通信)および海技士 (電子通信)の資格についての海技試験は、後述の乗船履歴のほかに、職員法施行規則第34条で定める無線従事者の資格を有し、かつ船舶局無線従事者証明を受けた者でなければ、受験することができない。 また無線従事者の免許または船舶局証明が取り消されたときは、この2資格の海技免状は効力を失なう(職員法第7条の2、第8条)。 なお海技士(通信)や海技士(電子通信) の資格を有する者を含め、船舶に開設された無線局において操作・監督できる範囲は、その者の所有する無線従事者免許のみによって定まる。 電波法施行令第3条(操作及び監督の範囲)を参照。新たに海事教育機関を卒業して海技免状を保有しても、いきなりは船長や機関長などをできないようにトン数や出力の限定がかけられている。この限定は6か月以上の乗船経験を有することを証明する書類とともに申請を行うと解除される。小型船舶操縦士のほかに海技士の乗務を要する小型船舶(職員法第23条の35)において、機関長または通信長として乗り組める海技士は、職員法施行令第11条ならびに別表第一、および職員法施行規則第125~126条などが定めるところによる。 なお小型船舶操縦士がこれらの資格を併有していても、機関長や通信長を兼任することはできない。乗船履歴とは海技士免状の満了日以前5年以内に、次の期間以上所定の船舶に船舶職員として乗り組んだ履歴のことをいう。乗船の事実は船員手帳その他の所定の書類によって明確に証明しなくてはならないことになっている。職員法施行規則第二節(海技試験の受験資格)の規定により、海技士になるための国家試験を受験するには一定の乗船履歴が必要である。 また免状を取得しても、一定期間の履歴を取得しないと免状に対し限定がかかる。
出典:wikipedia
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