バリオン数(バリオンすう)"N"は、粒子の性質を表す量子数の一つである。バリオン数は、近似的に保存する系の量子数である。クォークは1/3、反クォークは−1/3のバリオン数を持ち、レプトン、各種ボソンなど他の素粒子は全て0である。バリオン数は、次のように定義される:ここで、"n"はクォークの数、"n"は反クォークの数である。したがって、クォーク3つからなるバリオンは1、反バリオンは−1のバリオン数を持ち、クォークと反クォークからなる中間子のバリオン数は0である。このようにハドロンは、バリオン数に従ってバリオンと中間子に分類される。四つのクォークと一つの反クォークからなるペンタクォークや二つのクォークと二つの反クォークからなるのようなテトラクォークのような異種ハドロンも、そのバリオン数に従って、バリオンと中間子に分類される。歴史的には、バリオンのバリオン数が1となるように定義され、クォークが発見された後に整合を取るため、クォークのバリオン数を1/3とした。(レプトン数に対応するようにクォーク数という名称ではなく)バリオン数という名称も、この歴史的経緯に由来する。標準理論では、バリオン数は保存されると従来考えられてきた。言い換えれば、クォークと反クォークの数は対消滅・対生成を除いては、粒子反応の前後で保存される。グルーオンやウィークボソンの交換によりカラーやフレーバーは変化するが、クォーク自体が消えたり生まれたりすることはない。しかし、標準理論においてもカイラルアノマリーと呼ばれる過程により、バリオン数が保存しないことがわかった。インスタントンやスファレロンの理論では、電弱スファレロンはバリオン数を3だけ変える。また大統一理論においては、クォークとレプトンは同一の粒子の異なる状態であるとみなされ、互いに変換されうる。二つのクォークは非常に低い頻度でXボソンを交換してレプトンと反クォークに変化する。この過程でバリオン数は2/3から−1/3に変化する。陽子の中でこれが起これば陽子崩壊となり、陽子は中間子とレプトンに崩壊する。宇宙の創生では、バリオン数 0 の初期状態から上記のような反応によりバリオンが生成され、バリオン数が正の宇宙が生まれたと考えられているが、詳細は不明である。(バリオン生成およびレプトン生成参照)クォークは、電荷だけでなく色荷や弱アイソスピンなど、他のチャージも持つ。"色の閉じ込め"として知られる現象のため、ハドロン全体としては色荷を持つことができない。すなわち、粒子の全色荷はゼロ('白')となる。それぞれのクォークは、"赤"、"緑"、そして"青"と呼ばれる"色"のうちの一つを持つことができる。通常のハドロンが白色となるには、次の三つの組み合わせがありうる: バリオン数は、クォークモデルが確立されるよりずっと前に定義された。そこで、バリオン数の定義をクォーク数(レプトン数に対応するように)に変えるより、素粒子物理学者たちは単にクォークに1/3のバリオン数を与えた。今日では、クォーク数の保存と言った方が、より正確なはずである。理論上は、通常のバリオンにクォークおよび反クォークの対を追加するによって異種ハドロンを形成することができる。この追加的な対は、お互い対応したカラー/反カラーを持つことになる。例えば、ペンタクォーク(四つのクォクと一つの反クォーク)の個々のクォークのカラーは、例えば、赤、緑、青および青と反青の対となる。クォークで構成されない粒子のバリオン数は全てゼロである。そのような粒子には、レプトンやゲージ粒子(光子、グルーオン、WボソンとZボソンや仮説上の重力子)がある。
出典:wikipedia
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