フォード・フェスティバ(Ford Festiva)はマツダと起亜自動車が生産し、フォードの販売網で日本や米国などで発売されたサブコンパクトカー(バジェットカー)である。マツダが開発して当時のオートラマ(現フォード店)で販売されていた車種。3ドアハッチバックでブリスターフェンダーがデザイン上の特徴である。直列4気筒SOHCの1,100 ccと1,300 ccが用意された。また、商用車仕様として室内後部を荷室優先の造りとしたフェスティバ・カーゴ(CARGO)も存在した。エンジンは後にファミリアや、排気量を上げ縦置きとなってユーノス・ロードスターにも採用される事になるB型エンジンで、これは新規開発されたものだった。トランスミッションは、1,100 ccは4速マニュアルのみ、1,300 ccは5速マニュアルと3速ATが用意されていた。ダッシュボード内にクーラーボックスを備え、リアシートのスライド機能やリクライニング機能、全席フルフラットにもなる多彩なシートアレンジメントが可能であった。これらの特色は、発展型となるマツダ・デミオにも引き継がれる事になる。キャンバストップと呼ばれるオープンカー気分が味わえるサンルーフと、ヨーロピアンテイストのスタイルが人気を集める。尾崎亜美の音楽とともに田中康夫がフェスティバのPVに起用され、キャンバストップを自分の言葉で語るなど、宣伝にも力が入れられ、オートラマオリジナルブランドの車両として、そのイメージを牽引する役目を担っていた。代表格のキャンバストップの他に、車内からスイッチでコントロール出来る減衰力可変式ショックアブソーバーを備えた「S」や、その後のマイナーチェンジで、フル革張りの内装を持つ「GHIA」、ファミリア用1.6 L(B6型)エンジンをショートストローク化した、1.3 L 88 psのBJ型 DOHCエンジンを搭載した「GT」と「GT-X」なども追加された。またモデル末期には「GT-X」をベースに、ドイツのスカラ社がデザインした、往年のアバルトやアルファロメオの雰囲気にも通ずる、ロッソコルサ(イタリアのレーシングカーのナショナルカラーである、鮮やかな赤)の外板色に、丸型ヘッドライトのフロントフェイスを持つ「GT-A」が、300台限定で発売されている。実際のレーシングカーの識別色よろしく、鼻先のみ白に塗り分けられており、派手な外観を好まない向きには、識別色なしで赤一色のモデルも用意された。外板や前後バンパーの変更により重量がわずかに増加しており、それに伴う排出ガス規制の重量ランクの変更による再申請を不要とするため、メーカー出荷時にエアコンは装着されておらず、ディーラー取り付けとされた。「GT-A」の企画は、無類のエンスージアストとしても知られ、当時オートラマに在籍し、現在はモータージャーナリストとフリーランスアナウンサーの二足のわらじを履く、中島秀之が手がけた。韓国の起亜自動車ではキア・プライドという名称で生産・販売されていた。ボディタイプは3ドアハッチバックの他、5ドアハッチバック、4ドアセダン(プライド・ベータ)、ワゴンがラインアップされた。このモデルについては起亜ブランドでの輸出と並行し、北米、台湾、(開発国の日本と同じ右ハンドル圏であるはずの)オーストラリアなどを始めとして、世界各地のフォードディーラー向けの生産や他自動車メーカーでの生産に関する技術供与を起亜が主導で行った。モデル末期には日本市場においても起亜製5ドアハッチバックと4ドアセダン(左ハンドル仕様)が相次いで輸入され、それぞれフォードブランドでフェスティバ5、フェスティバβとしてオートラマから発売された。海外生産が行われた拠点の内、イランの自動車メーカー・サーイパーではハッチバックやセダンの他、技術移転元の韓国同様多彩なバリエーションに加え、韓国でも設定の無かったピックアップトラックが用意され、2015年(平成27年)現在でも外観のマイナーチェンジを受けながら、この型の生産・販売が続いている。なお、第2世代のプライドに関してはキア・リオを参照のこと。ヨーロッパ及びオセアニア地域に向けては、マツダ・121としてマツダディーラーから発売された(なお、第一世代の121はマツダ・コスモ(2代目))。特にオセアニア地域では起亜生産の「フォード・フェスティバ」と並行して販売されたため、フェスティバとは販売面では「ライバル」関係にもあった。ラインナップは3ドアハッチバックのみだが、起亜生産車には設定の無かったキャンバストップ(海外での名称は「Fun Top」)が設定された。1991年、「フルモデルチェンジ」が行われ、第三世代の121はオートザム・レビューベースへと置き換わる事となった。北米と豪州市場の意向に沿うかたちで、デザインが大幅に変更され、クーペ風の外観になった。質感が低く大味なスタイリングと、後部座席の閉塞感が敬遠され、日本では販売不振に陥った。エンジンは1気筒当たり4バルブ化された直列4気筒SOHCの1.3Lと1.5Lを採用。シャシーは新たにマツダ・Dプラットフォームを採用しているものの、基本的にはDAプラットフォームに小改良を行った流用である。また旧型の GT / GT-X にあたるスポーツモデルの設定がなかったため、DOHCエンジンは搭載されなかった。1996年に実質的後継車にあたるフェスティバミニワゴンが発売されたが、しばらくの間は2代目も併売された。2代目も起亜からアヴェラ(Avella)の名称で生産された。プライド同様、こちらにも5ドアやセダン(アヴェラ・デルタ)が存在する。ちなみにアヴェラは新規車種としてプライドと併売された。途中のマイナーチェンジで「デルタ」の名に統一された。アヴェラもプライドと同様にアメリカへ輸出され、フェスティバの後継車としてフォード・アスパイア(Aspire)の名で販売された。台湾でも「フォード・フェスティバ」(4ドア・3ドア・5ドア)として販売されたり、オーストラリアやニュージーランドではフェスティバの名称で、右ハンドル仕様が販売された。正確にはフェスティバは2代目で終焉を迎えることになったが、モデル末期にマツダ・デミオのOEM車両として併売されていたフェスティバ・ミニワゴンがフェスティバの名称を受け継ぐ事になった。しかし2002年に入り、フォード・ジャパンがOEM車両の併売から欧米車のみの販売へと方針が転換され、本家デミオのフルモデルチェンジと、新型フィエスタの輸入開始を機にフェスティバ・ミニワゴンの販売を終了し、16年にわたるフェスティバの名称が消滅した。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。