散種(さんしゅ,,ディセミナシオン)とは、哲学者ジャック・デリダの代表的な用語である。解釈の可能性についての概念。ただし、多義性とは異なる。多義性では、なぜその単語を使ったか知るために、時代背景などを考察する必要がある。したがって、無限に遡ることが許される。しかし、遡ることができるのは、あくまで過去に存在していた意味の「解明」である。すなわち、かつて「過去」に存在したもので、今後未来に回復されるべきものとして存在する。それに対して、散種とは、意味を遡るときに、それは過去に存在していたかどうか、過去にそのような意味で使われていたかどうか、などということは関係ない。過去には別の意味で使われていたかもしれないが、それは遡ることはできない。また、今後ある言語の内部で新たに別の意味が設けられてしまうとき、その意味は多義性というものではなく、一つの意味に回収されることなく拡散していく。すなわち、散種とは、多義性という「同一性」にとらわれない差延的運動である。
出典:wikipedia
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